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I had a black dog, his name was depression(全1記事)

「僕は黒い犬を飼っている」 鬱病患者の気持ちを絵本にした動画が話題

作家・イラストレーターMatthew Johnstone(マシュー・ジョンストン)氏の描いた絵本『I Had a Black Dog』を原案にWHOがうつ病患者に向けて作成した動画です。うつ病を黒い犬に例え、うつ病のつらさと、そしてどのようにうつ向き合うべきかを紹介しました。

飼い犬の名前は「うつ病」

僕は「黒い犬」を飼っていた。

その犬は「うつ病」という名前だった。僕は黒い犬が現れるといつも虚しくなって、人生がゆっくり進んでいるように思えた。彼は何の理由もなく突然現れて、僕を驚かせた。

黒い犬のせいで、見た目も気持ちも、実年齢より老けてしまった。

自分の周りはみんな人生を楽しんでるのに、僕は黒い犬を通してしか世界を見ることができなかった。

これまで楽しんでいた物事も、突然楽しめなくなった。

彼のせいで食欲までなくなってしまった。

僕の記憶力と集中力も噛み砕かれてしまった。

黒い犬と一緒だと、何をするにもどこへ行くにもかなりのエネルギーが必要だった。

彼は僕が持っていた社交的な自信を、嗅ぎ付けては追い払ってしまった。

私が1番怖かったのは、このことを周囲に知られて悪口を言われる事だった。

黒い犬を飼っているという、恥ずかしさと不名誉があったから、周囲に気付かれなかいつも不安だった。

それらを隠すために、ものすごいエネルギーを注ぎ込んだ。自分の感情に素直になれないと、すごく疲れる。黒い犬のせいで、考え方や言う事が消極的になった。

すごくイライラさせられて、とっつきにくい性格になってしまった。

愛する人や、友だちも奪われた。彼のせいで、すごく消極的な考えが何度も出てきて、それで目が覚めてしまった。そのたび彼は、次の日もどれだけ疲れることになるかを思い出させた。

黒い犬を飼って人生を送ることは、気分が落ち込むとか悲しくなるとか、ブルーになるという事じゃない。最悪の時は、感情すら奪われてしまう。

年を取るにつれて、黒い犬も大きくなった。そして、いつも身の回りにいるようになった。

彼を追い払うために何でもやってみた。

でも結局、いつも勝てなかった。

また起き上がるより、沈んでいたほうが楽になってしまった。薬を飲み始めたらいいかとも思ったけれど、全然よくならなかった。

最終的にはみんなから、全てのことから、完全に孤立するようになってしまった。

黒い犬は、ついに僕の人生を乗っ取ることに成功した。

黒い犬との付き合い方

人生の全ての楽しみがなくなった時、人生自体に疑問を持ち始めるようになった。ありがたいことにちょうどこの時、専門家に助けを求める事ができた。

これが回復への第1歩で、人生のターニングポイントだった。僕は、自分がどんな人間であるかは関係ないという事を学んだ。何百万人もの人が、黒い犬の影響を受けている。どんな人にも起こり得る事なのだ。

それに、単純な解決策も魔法の薬もない、という事も学んだ。

薬が効く人もいれば、他の治療が必要な人もいる。身近な人に正直で素直でいれば、状況ががらりと変わる事もわかった。

何より大事なのは、黒い犬を恐れるのではなく、自分のやり方でちょっとした工夫をすればいいという事だ。

疲れてストレスがたまっている時ほど、黒い犬は大きく吠える。だから心を落ち着かせることが大事だという事を学んだ。

定期的に運動をする事は、軽度から中度のうつに対して治療薬と同じ効果があることは、臨床的に証明されている。だから散歩に行くか走るかして、黒い犬を家に置いて来るんだ。

日々の気持ちを日記につけるといい。考えを紙に書くと、感情が整理されて頭もすっきりする。感謝をする事も忘れないようにしよう。

覚えておくべき1番大事な事は、どんなに状況が悪くなっても、

正しい道を選んで、正しい人に助けてもらえば、黒い犬との日々とはお別れできるという事。

黒い犬に感謝してるとは言えないけど、とっても素晴らしい先生だったとは思う。

彼のおかげで人生を再評価させられ、より生きやすいようにしてくれた。問題から逃げようとするより、正面から受け止めるほうがいいという事が分かった。黒い犬はこれから先も、僕の人生の一部になっていくと思う。

でも前みたいな猛獣ではない。今では分かり合える。知識、忍耐、訓練、ユーモアを学べた。どんな最悪な犬でも、治療する事はできる。

もしあなたが大変な状況にあったとしたら、助けを求める事を恐れないで欲しい。助けを求める事は、全然恥ずかしい事じゃない。人生を楽しむチャンスを逃すほど、残念な事はないのだから。

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