PR2025.12.24
生成AIの進化が「数理最適化」技術の追い風に チャットボットで解くビジネス課題の実践プロセス
(2025年再掲版)ツラくて長い、我慢の時代のメンタルケア(全1記事)
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――最近ではYouTuberやインフルエンサーなど、好きなことを仕事にしている人が増えています。20代の若い方が仕事を「しんどい」と思う理由の1つに、身近に華やかな比較対象がいることで「私は何のために働いているんだろう?」と、働くモチベーションが下がることもあると思います。働くモチベーション、生きるモチベーションを上げるためには、どのように自分のメンタルを保てばよいのでしょうか。
井上智介氏(以下、井上):確かに、身近で大活躍している方を目にしますが、仕事で好きなことをして生きていくことは、「仕事の中で自己実現をしていこう」という発想だと思うんです。確かに、僕たち人間には「自己実現の欲求」という欲求があるんです。それを満たそうとして、(仕事と好きなことを)ごっちゃにしている。

精神医学では、自己実現とは「自分らしくありのままで、他人に縛られることなく、個性を発揮する欲求」という意味で使われますが、そもそもその欲求を仕事で満たさなくてもぜんぜん構わないし、プライベートでそれを満たせたら十分じゃないんでしょうか。
今の若い人は、「自己実現の欲求」を過剰に仕事で満たそうとする風潮があるなと思うんですよね。確かに華やかに見える世界だと思うんですが、そもそも大前提として、好きなことだけ100パーセントで生きていくのは、まず不可能だなと思っています。
実際、好きなことで生きていくことの体現者であるYouTuberさんも、演者さんとして見ていたら、もちろんそういうふうに見えるんだろうけど、裏ではすごく企画を考えたり、交渉したり編集したり、分析することもあるだろうし。「好き」とは言えないような時間をめちゃくちゃ費やしてて、5分、10分の動画を作るのに何時間も費やす生活をされています。
しかも、人気もいつまで続くかわからない不安定さがあって、登録者数や再生数や広告単価数とか、いつも数字に追われるわけ。楽な仕事だとはまったく思っていなくて。誰でもできるような仕事ではない、めちゃくちゃハードなお仕事だというイメージがあります。 井上:やりがいやモチベーションの観点でそういう人を見ていたら、「羨ましい」と思うんだろうけど、仕事のやりがいやモチベーションとはそもそも何なの? という話なんですよね。 やりたい仕事をやっていくうちに、必ず「超えられそうで超えられない壁」が出てくると思うんですが、それをなんとかクリアしようとしている時に、やりがいって出てくるんだと思っているんですよね。 なので大前提として、「そもそもやりたい仕事をやっているか」という話になってくるんですよね。やりたいと思える仕事もやっていなくて、情熱もないところにモチベーションとかやりがいを見つけるのは、前提からちょっとずれています。 今の20代は、モチベーションとかやりがいを見つけようとし過ぎているところもあるなと思って。20代の人はそれがないとダメと思っているんだけど、なくても働いている人なんて山ほどいるわけです。 もっともっと上の世代には、そんな熱い思いがなくてものほほんと働いている人がいっぱいいるよ、ということを、ちゃんとわかってほしいなという感じですかね(笑)。 ――実際に井上さんが患者さんと接する中でも、今の20代にはこういった特徴があると感じられているんですね。 井上:やはり思いますね。産業医として20代の方と面談することや、精神科医としても外来でお話しするんですが、20代の特徴として「ぼんやりした成長意欲」はめっちゃ高いなと思っているんですよね。 周りでうまくいっている人をよく目にするからか、成長意欲がすごく強いなと感じますね。そんなところから、仕事のモチベーションを上げていく方法だとか、やりがいを模索するんだろうなと思います。 そもそも、やりたい仕事も見つかっていない状態なら、与えられたことをコツコツやっとったらええんちゃうかな? という感じだったりします(笑)。 ――今の20代は「ぼんやりした成長意欲が高い」とのことですが、ほかにどんな特徴がありますか? 井上:ゆとり世代なので、今までストレスを受けてきた経験が少ないのはありますね。それは、社会がやってしまったことなので仕方ないと思うんですが。 ただ経験がないと、当然ストレスを扱う技術を試すこともなかっただろうから、ストレスの扱い方が上手くないですよね。なので、社会に出てズドーンとそのまま(ストレスを)受け止めてしまって、病んでしまう方が多いなぁという感じがしますね。 ストレス経験がないから当たり前なんですが、ストレスの扱い方がわからないですよね。練習したことがないのにいきなり本番の試合に出させられる、みたいな人が多いですね。 今は学校の力、先生の力もすごく弱くなっています。怒ったらすぐ親が飛んでくるし、教育委員会に訴えられるし……(笑)。生徒を怒れない先生もたくさんいるわけです。そうなってくると、怒られたり注意される経験もなかなかない。 だから最近の20代は、上司の人にアドバイスされたことでも「注意された」と感じていますね。上から目線にすごく敏感なのは、20代特有の考え方ですね。 ――20代の持つ「ぼんやりした成長意欲」が、よい作用をもたらす側面もあるのでしょうか? 井上:もちろん「自分を磨いていこう」という意欲にはなるので、成長意欲をモチベーションや自分を高めていくエネルギーに変えられる人はいるでしょう。 例えば、周りの人から「お前ダメだな」と言われた時も、捉え方1つで「なにくそ、このままじゃダメだ。もっと成長しなきゃ」と、バイタリティに変えられる方もおられます。ただ、やはりそうじゃない人もいるんですよね。成長意欲をどのように活かすかは、やはり差が出てくるんだろうなと思いますね。 ――成長意欲をバイタリティに変えられるかどうかは、その人の性格や気質によるものなのでしょうか? また、そのメソッドがあれば教えていただけますか。 井上:ぼんやりとした成長意欲をいいように変えようとする人は、「変わらないと、このままじゃまずいかもなぁ」と思える知識や経験があるというか。例えば、家で親が共働きで働いていて、お父さんの仕事の帰りが遅くて大変そうなところを見てたり。働いてる人を一番間近で見るという意味で、(家庭の)影響力は大きいですね。 あとはやっぱり、学生の時のアルバイト経験ですよね。大学時代にアルバイトを経験したことがある人は、確か統計としては右肩上がりで増えてるはずで、8割か9割ぐらいの人はしていると思うんですが。 そこで、お金の稼ぎ方の大変さをちゃんと経験しているところですね。「1時間働いて1,000円かい」と、学生なりに思うというか。「ランチを食べたら全部消えるがな!」みたいに(笑)、わかってるところがあったりとか。 このへんは人によると思うんですが、ブラック企業や過労死のニュースをどこまで耳にしてるかもすごく大事です。けっこうがんばらないと、それ以外の選択肢がなくなってしまうという、怖さをちゃんとわかってたりするんですね。 自分が成長しないと、そういう会社でしか働けない。さっき言った、「変わらないと、このままじゃまずいかもなぁ」というところにもすごくリンクしていくんですね。だから、そういった経験がある方は、成長意欲を自分のプラスに変えていけることが多いなと思ってますね。 ――20代のほどんどがSNSを使っていると思うんですが、同年代の子がキラキラ働いている姿を見て、比較して落ち込んでしまう。そんな中で、ネガティブにならずにSNSと上手に付き合う方法はありますか? 井上:そうですね。これは本当によくある話だと思うんですが、比較しちゃうこと自体は仕方がないし、まずは「比較してしまうもんだ」ぐらいの感覚で、「無理に比較しようとしない」というのを止めたほうがいいですね。 「しちゃダメ」と言うと余計にしたくなるものだし、たぶん自然としているだろうから、「してしまうこと」を「しない」ようにするのは非常に酷な話なので、してもいいんですよね。 ただ、友人が楽しそうにしているところや、キラキラ働いているのを見て、本当に自分が求めている幸せとそれが一致しているかは、あらためて見直してほしいなと思っています。大人になっていく上で、自分にとっての幸せの価値観は非常に多彩なものがあるはずなんですよね。まず、そこで考えるきっかけにしてほしくて。 例えば、食事がおいしく感じられてゆっくり夜も寝られるとか。「あいつ羨ましいな」という愚痴も含めて、こっちの気持ちをわかってくれる人が周りにいるだけでも、けっこう幸せじゃないの? と感じることって、あると思うんですよね。 なので、まずは自分の幸せの価値観をあらためて考えていただいて、キラキラしたものが自分の幸せなのかを振り返って見て欲しいです。相手に嫉妬しちゃう気持ちもぜんぜんわからなくないし、若いうちは余計に比較はしてしまうので、別に嫉妬してもいいと思うんですよね。 それこそ「羨ましいな」という気持ちを、「自分もがんばっていこうかな」というエネルギーやバイタリティに変えられる人もいいだろうし。「モチベーション」や「やりがい」を求めすぎている
上司のアドバイスを「注意された」と感じる20代
成長意欲をプラスに変えられる人

キラキラ働く人と比較しないために
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