PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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小林孝徳氏:高齢者の方の昼寝と健康の関係ですが、30分以上の昼寝をする高齢者は、まったく昼寝をしない人に比べると死亡リスクが有意に上がります。なので、昼寝はしても30分以内に収めることがポイントになります。
2つ目としましては、老人ホームなどに入居されている方は積極的に施設のレクリエーションなどに参加をして、日中の活動を心掛けることが推奨事項になります。
仮眠もやり方を間違えると逆効果になりますので、4つのポイントをご紹介させていただいております。推奨のタイミングとしては、だいたい起きてから6時間から7時間後ですね。たとえこのタイミングを逃してしまったとしても、本睡眠の8時間ぐらい前……例えば本睡眠が24時からスタートすると仮定した場合には、夕方の16時ぐらいまでは取ってもよろしいということになります。
ただ、高齢者の方で日中に脳とか体をあまり使わない方は、できれば14時ぐらいまでには仮眠を終わらせるというのが推奨事項です。
仮眠というのは、その後に起きて仕事をすることが大前提になります。なので、ステージ3のような深い睡眠までいってしまいますと、「起きた時にだるい」ということにつながりますので、ステージ2の時に起きてあげることが推奨です。
あとは横にならないことや、寝る前にカフェインを摂っておくと起きた後にシャキっとした頭で活動はしやすくなる、ということが報告されております。
こちらが最後ですけれども、起きた時にすっきり感がある、いわゆる睡眠休養感がある高齢者の方は、たとえ8時間以上寝たとしても死亡リスクは上がらないということです。しかし睡眠休養感がなく、かつ8時間以上寝床にいる方は死亡リスクが上がります。
ここまでが高齢者の方のガイドの解説になりますが、何かご不明点はございますでしょうか? 大丈夫そうですので次にいきたいと思います。
次が、無理なく行動変容させて睡眠改善をする工夫ということで、弊社でペルソナを3つに分けさせていただいております。1つ目が「健康オタク層」。人生においてご自身の健康の優先順位が非常に高い方ですね。こういった方々は放っておいても健康ですので(笑)、介入の必要はないと考えております。
重要なところは2つ目と3つ目です。2つ目の「健康関心フラット層」は、ご自身の睡眠課題を正しく認識できれば、日常生活の中で可能な範囲で改善に向けて行動変容ができる方です。ただ、この方たちはご自身の健康よりも他に優先順位が高いものがあります。具体的には仕事や家庭とか、子どもや自分の趣味とかですね。
あとは3つ目ですが、この3つ目の方がみなさんもお困りだとは思います(笑)。「健康無関心層」とか、不健康を自慢されるような方、不健康であることをネタにして開き直っている方のことですね。このような2つ目と3つ目の方には、介入して行動変容させることが重要だと考えております。
具体的な方法といたしましては、フォッグの行動モデル「B=MAT」というものがございます。行動は「動機」と「実行能力」と「きっかけ」で成り立っているという、行動経済学のものですね。
まず動機については、メリットとデメリットを明確に伝えることが重要です。具体的には、報酬やインセンティブを設計するとか、損をすることを明確にリスクとして伝える。例えば、先ほどあった睡眠ガイドの「平日の睡眠時間が6時間未満だと死亡リスクが上がりますよ」といったことをお伝えする、ということですね。
2つ目としましては、ゲーミフィケーション要素を設計する。一番理想的なのは、ワクワクとか楽しさを醸成することです。ただ、「強制感」とか「管理をする」というニュアンスはNGになりますね。
あとは弊社のBiz Sleep(睡眠改善プログラム)でも、Fitbitでご自身の睡眠が可視化かつ数値化できますので、行動変容をしたことによってデータが変わるんですね。そういったかたちで行動することによって、データが変わるということをわかりやすくして、行動変容を促進させることが2つ目になります。
3つ目もけっこう重要なんですけれども、短期間でフィードバックが行われる仕組みに設計することです。「褒める」とか「コメントを与える」ということが重要なポイントになります。もちろんできればですが、人間からのフィードバックが一番効果的です。
あとは「実行能力」についてですが、(ポイントの)1つ目といたしましては、実行をなるべく簡単にして達成しやすいようにする。2つ目が、小さな行動でも報酬を得られるように設計する。3つ目が、入浴で体温を上昇させてその後に低下させるとか、ストレッチ、保湿クリームといった快眠ルーティンを一連のセットにするということですね。
最後が「きっかけ」ですけれども、イベントとかフェスを定期的に企画するとか、特に会社の同僚やチームにも協力をしてもらう。もしくは家族にも協力してもらうことで、適切なリマインダーになってもらうということですね。
あとは、本人1人が行動しなければ全員に影響するような連帯報酬の仕組みを設計すること。重要なこととしましては、企画者は率先して行動して、言行一致は必須だということになります。モデルケースを積極的に示すということですね。
こういったことをうまく取り入れているのが「ナッジ理論」というものです。「ここに停めている自転車は自由に持っていってください」とか、階段に消費カロリーを明記することによって運動促進するものがございます。
睡眠の場合にはガイドにもございましたように、適正な睡眠時間の確保と、睡眠休養感をアップさせるような生活習慣の実施。
この2つが重要なポイントかと思いますが、それぞれこのようなことを考えていただければと思っております。
実際の弊社のクライアント企業さまの事例です。SCSKさまではこれまで30回ほど睡眠セミナーをやらせていただいたんですが、2025年度から「睡眠ガイド2023」の解説と睡眠時間を増やすワークショップもやらせていただいております。行動変容という意味ですと、この睡眠セミナーに参加して受講をするだけで「(健康)わくわくマイレージ」というポイントが貯まる設計がされておりました。
あとは楽天さまの事例ですと、「My Sleep」と睡眠セミナーと「Sleep Rally」というものを3つやらせていただいたんです。
「睡眠を楽しく」をテーマにして、グローバルで一番使われている「Sleep Cycle」という睡眠のアプリを使って、画面キャプチャーでエビデンスを示す。そして、社内のSNSでやったことや睡眠時間を投稿して、それに対して参加者の方がコメントをしたりコミュニケーションを取るということをやっております。
楽天さまが非常にうまいなと思ったこととしましては、(投稿数が多い人に対する)賞品にグラデーションを付けたことですね。もちろん1位は豪華賞品で1人だけなんですけれども、2位を3名にして快眠グッズを付与したり、3位は5名に商品券などとして、「がんばれば、自分でも何かをもらえる可能性があるんじゃないか?」みたいな、期待感を持たせたところがうまかったなと思っております。
結果的には500人以上の方にSleep Rallyに参加していただいて、96パーセントの方が睡眠の質や時間が改善した。そして98パーセントの方がイベントに満足をされたという、けっこう驚異的な結果になりました。(スライドを指しながら)こちらが参加者の声ですね。
では、最後に質疑応答の時間を取れればと思いますけれども、何かございますでしょうか? もしなければこれで終わりたいとは思いますが、大丈夫ですかね。みなさま、お忙しいところご参加いただきまして、ありがとうございました。
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