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厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」 の産業現場での活かし方と国の健康睡眠施策トレンド(全4記事)

ベッドに入っても寝付けない…多くの人がやりがちな“NG習慣” 健康のカギを握る「睡眠休養感」を高めるコツ [1/2]

【3行要約】
・睡眠休養感の欠如が健康リスクを高めるという研究結果も出ており、従業員の睡眠リテラシー向上が企業の課題となっています。
・約6,000人を対象にした実態調査によると、44パーセントの人が寝る直前に食事をしているなど、悪習慣があるという現状が明らかになりました。
・企業は従業員の「睡眠の技術」の向上を支援し、睡眠環境・運動・食事の改善指導を行うべきです。

前回の記事はこちら

健康に大きな影響を及ぼす「睡眠休養感」とは

小林孝徳氏:睡眠休養感の欠如による健康リスクについてです。睡眠休養感というのは主観の感覚ではあるんですけれども、心身の生理的な状態を反映した重要な指標です。世界各国の医学研究でも利用されていて、健康状態と非常に高い相関性が認められている、信頼できる判断材料とされております。

ただ、「例外あり」とありますが、睡眠時無呼吸症候群や不眠症といった、何かしらの睡眠に関する疾病に罹患されている方の睡眠休養感は、あまり信頼ができないとされております。

睡眠休養感というのは適正な睡眠時間の確保のほかに、質を阻害するような生活習慣、食事、運動であったり、それの量や内容やタイミングとか、夏場や冬場の寝室の湿度・室温といった睡眠環境によって大きく左右されます。

従業員さまの睡眠リテラシーを弊社では「睡眠の技術」と呼んでおりますが、睡眠の技術を向上させてセルフケアを促すことが重要とされております。

寝室でのスマホや読書はなぜダメなのか

このような睡眠休養感に影響する要素として、ガイドにも睡眠環境、運動、食事の摂り方であったり、嗜好品との付き合い方について言及がされております。こちらのガイドについてすべては解説はしませんが、(スライドに)青で記載してあるところが弊社の睡眠セミナーでお伝えしていることになります。

具体的に言うと(寝室が)真っ暗で無音なのが理想なんですけれども、「それだと怖くて眠れない」という方もいらっしゃいます。なのでそういった場合には、豆電球を点けたりBGMを流してもOKですよ、ということですね。

あとは「ベッドや寝室で眠りに関係のないことをしない」ということです。これは人間の脳の仕組みなんですが、脳というのは「場所」と「そこで行った行為」をセットで記憶をする臓器になります。

そのためベッドという場所でスマホをいじったり本を読んだりすると、脳が勝手に「ベッドという場所は眠る場所ではない」というふうに記憶を作ってしまいます。なので、いざ寝ようと思ってベッドに行ってもなかなか寝付けないとか、寝ているんだけれども眠りの質が悪いということにつながってしまいます。

4割以上が寝る直前に食事……多くの人がしているNG習慣

運動と食事のところにいきますと、忙しくて食事のタイミングが寝る直前になってしまった時には、消化に負担のかからないフルーツやサラダやヨーグルトなどを摂取しましょう。

あとは、空腹のまま寝るのも良くなくて。なぜかと言いますと、動物的な本能として、空腹の状態は餓死をしてしまうという危険性をはらんでおりますので、「何か獲物を獲りにいかなければいけない」という本能が働いて逆に覚醒してしまうんですね。なので空腹のまま寝るのもよろしくないので、何かしらのものを消化器官に入れて寝ることがおすすめです。

嗜好品との付き合い方ですが、アルコールを飲まないということはもちろん現実的ではないので、アルコールを飲む前にコップ1杯の水を飲んでおくことが推奨事項になります。

6,000人ぐらいを対象にした弊社の実態調査によりますと、NG習慣といたしましては、夕方以降に仮眠を取るという方が36パーセント、寝る直前に食事を摂っていらっしゃる方が44パーセント、そして寝る直前のアルコール摂取が36パーセントという結果でした。

逆に良い習慣といたしましては、ベッドでスマホをいじらないという方が約7割、そして朝に光を浴びることを62パーセントの方がやっていらっしゃった。朝食を食べてリズムを作っているのが約8割、お風呂にしっかり浸かることは46パーセントの方がやっていらっしゃったという結果です。

高い睡眠休養感を得るためのポイント

次に睡眠関連の疾病の可能性なんですが、ガイドに示されていることをわかりやすくこちらの図で表してあります。1段目にございます「適適切な睡眠時間の確保」と「睡眠休養感を阻害しない生活習慣の実施」の2つができていれば、2段目の「高い睡眠休養感」というのはおのずと実現ができるんですね。

ですが、万が一0段目に睡眠時無呼吸症候群や不眠症、むずむず脚症候群といった何かしらの疾病が隠れている場合には、1段目をどれだけがんばって実施したとしても高い休養感は得られないとされております。なのでそういったことがある場合には、早急に医療機関を受診しましょうということが、こちらのガイドで言っていることです。

こちらも現代社会の実態調査の結果ですが、すでに医療機関に行ってらっしゃって睡眠薬の投与をしているとか、無呼吸であればCPAPを使っていらっしゃる方になるんですが、6,000人中440人と7.2パーセントの方がE判定だったんです。

ただ、みなさんもご存じかもしれませんが現在の医療の仕組みとしましては、従業員さま個人が自分の睡眠や生活に違和感を持って、会社の産業医や保健師も含む医療にアクセスをしない限り、診断はされないという仕組みになっております。なので、実際には(睡眠関連の疾病を抱えている人は)もっと多いと考えております。

ここまでが成人版の解説にはなるんですが、いったん止めたいとは思います。何かご不明点はございますでしょうか? もしある方はご発言いただければと思いますが、大丈夫そうですかね。ありがとうございます。じゃあ、次に交代制勤務の健康リスクに移らせていただきたいと思います。

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