【3行要約】 ・上司や先輩の評価を過剰に意識することで、本来の能力を発揮できない状況が多くのビジネスパーソンを悩ませています。
・ポジウィル株式会社 代表取締役の金井氏は周りのために気を遣う状態では健全なエネルギーを発揮できず、結果が出ない悪循環に陥りやすいと指摘します。
・「こうなりたい」という明確なビジョンを持ち、エネルギーを向ける先を社内から顧客へと変えることで、新たな結果を生み出せるのです。
前回の記事はこちら 上司や先輩を気にしてパフォーマンスが発揮できない
石野智子氏(以下、石野):少し話を戻すと、先ほど「上手にサボるのも大事だ」といったお話をいただいていましたが、「サボる加減が難しいです」という質問も来ています。
小川晋一郎氏(以下、小川):なるほど(笑)。
石野:金井さん、何かコツはありますか?
金井芽衣氏(以下、金井):どうなんですかね。やはり、みなさんが書いてくださっているように、「上司」だったり「社内の」という方向に視点が向いている時って、なかなか結果が出なかったりするんですよね。努力が健全につながらないことも多いような気がしていて。
私の前職の時も、1年目、2年目とか、ぜんぜん結果が出なかったんですよ。こう見えて、昔はバランスを取る“いい子系”だったので(笑)。なので、やはり「先輩にどう思われるんだろう?」とか、「こんなに結果が出なくて申し訳ないな」って思っていた時があって。
周囲を気にするよりも“どんな状態になりたいか”
金井:(だけど)同期に、「お前、『申し訳ない』って言っているけど、そうやって言うことで、許してほしいと思っているだけだろ。甘えているのはお前だからな」と言われて、ガーンとなったんですよね。
その時に「こういう生活を続けてるの、けっこうしんどいな」と思って、上司に「この半期で結果が出なかったら、もう辞めます」という話をして。
そうしたら「社内で何を思われてもいいや。嫌うなら嫌ってくれればいいし、別に昇進もしなくていいし」と思えてから、本当に(周りの目を気にするような)思考がまったくなくなったので、めちゃめちゃ楽になったんですよね。
やはり「周りのため」とかに気を遣っているうちって、健全なエネルギーを発揮しにくい気がしていて。なので、がんばっているのになかなか結果が出なくて苦しい状況が続いちゃう気がするんですよね。
なので、私は相談に乗る時とかは、そういったことをいったんご自覚いただいた上で、本当にずーっとがんばり続けなくていいから、「どんな状態になっていきたいかを逆算して取り組んでいきましょう」という話をするようにしています。
石野:なるほど。
自己評価を下げてしまう要因
小川:聞いていいですか? 金井さんはそこで変われたわけじゃないですか。でも、変われない状況もあると思うんです。そこを分けるものって何かあるんですかね?
金井:何ですかね? やはり、会社にしがみつこうと思っちゃうと怖い気がしていて。私は前職を「いつ辞めてもいいや」と思って入っていたんですよね。「すごく昇進しなきゃ」とかっていうのがあんまりなかったんですよ。
ただ、大企業の方とかに多い気がするんですけど、やはりその会社の中にずっといたいとか、「うまくやっていかなきゃ」という方とかだと、どうしてもその思考に向きにくい気がするんですよね。
小川:「マイナス点を取らないように」みたいな。
金井:そう。ただ、今日来てくださっているみなさんって、本当にこの時間にセミナーに来てくださっている時点でかなり優秀層というか、本当に可能性しかない方々だと思うんですよね。
なので、そのあたりとかを本当はあまり気にしなかったとしても、次の転職先は見つかると思うし、評価されている部分はあると思うんですけど、そう思えていないという自信のなさが、けっこう根底なのかもしれないですけどね。
同僚ではなく、本当に喜んでほしい人のほうを向く
石野:なるほど。どういうふうに生きていきたいかを逆算して、がんばるポイントを決めるイメージなんですかね。
金井:そうですねぇ。がんばるポイントを決めるのもそうですし、気にしなくていいところを具体的にするということ(が大切)な気がしますね。
例えば上司から嫌われていようと、結果を出していれば評価される部分もあるかもしれないし、周りから「いい子だね」と思われなかったとしても、別になんとか生きていける部分もあるかもしれないと気づいた時に、自分がすごく変わったんですよね。
なので、社内に向けていたエネルギーが顧客に向いた時に、自分の成果が最大化したなと思っていて。それをできる状態をどう作っていくかというのをお話しすることがけっこう多いですかね。
石野:なるほど。エネルギーを向ける先を変える、目線を変えるというのと、やはり先ほどの反芻思考。1回止めて、違うほうに目を向けるというのも、つながってきそうですね。
小川:目の前のことに集中するということですかね。