お知らせ
お知らせ
CLOSE

『戦略的暇』“何もしない”が未来をつくる 〜出版記念マインドフル・ダイアログ〜(全4記事)

8割の人が「自分は疲れている」と自覚している エネルギーを蓄えるために意識したいキャパシティ作り [2/2]


“戦略的暇“の成果物と副産物の兼ね合い

中場:森下さん、詳細な説明をありがとうございます。今すでにチャット欄のほうでコメントをいただいているので、まずはそこから読み上げてみましょう。「副産物で得られるものと、何のために休むのか、その目標との兼ね合いはどうしたものなんでしょうか。何が違ってくるのでしょうか」とあります。

森下:まぁこれは本人次第だと思うんですよね。今「仕事の成果が上がる」というのは副産物としてというふうにお話をしました。

そういうふうにお話しした背景としては、例えば企業とか、あるいは国とかもそうですが、それらが定義するオン、「これが最高の成果物である」というものと、本当に自分の人生にとって利益になるものはまったく違うわけで。

例えば、僕が最初に勤めていたのはすごいブラック企業だったんですが、そこにいる人が“戦略的暇“とかエネルギーを蓄えて、またそのブラック企業の中で働いて消耗する・休むということを繰り返してても、僕自身がそうだったので、それはすごく不毛だと思ったんですよね。

だから、あくまで自分が共感している目的に沿って“戦略的暇“を講じていくということだと思うんですよね。

だから、本でも書いていますが、日本でもちょっと前まではお国のために戦って死ぬことが最高の成果物だったわけで。高度経済成長期は24時間働けることが求められていた。

ただ、そのためにエネルギーを自分たちで蓄えるとか、そのために“戦略的暇“があるわけじゃないよということをすごく明確にしておきたかったのがありますね。

中場:はい。ありがとうございます。次々来ているので……。

森下:ありがたいですね。

依存じゃなくて共存していく

中場:これを読んでみましょう。「デジタルデトックスしたい。SNSもできればやめたいと思いつつ、森下さんの著書や今回のZoomをSNSで知るというジレンマがあります」。

森下:(笑)。

中場:そうなんですよね。バランスが大事だと思いつつ。

森下:そうですよね。今回の本の中で取り上げてるテーマに、依存じゃなくて共存していくというものがあります。僕もこの活動を始めた当初はやはりものすごく誤解をされて。デジタルに反対してる団体みたいな感じで、「過激思想の団体だ」みたいな(笑)。そう思われていたんですけれども。

僕が言っているのは、やはり共存していく。バランス感覚、バランスというキーワードが出てきたので、イヴァン・イリイチのコンヴィヴィアリティの話とかを読まれると、すごく……。

中場:本の中でも紹介されていますよね。

森下:そうですね。イリイチはスマホが出てくる前からデジタルデトックスを伝える上でもやはりすごいことを言っていて。

要は、デジタルを使うか使わないかという分岐点じゃなくて、デジタルをいい感じに使いこなしてるかという2つの分水嶺で考えようというのがイリイチの主張なんですけれども。

こういうふうにデジタルで出会えるというのはテクノロジーの恩恵だし、でも逆にそれに埋もれすぎちゃうと自分の身体感覚を失うとか。あとはスマホの世界にのめり込んで依存状態になったりとか、偏った情報しか取れなくなるとかは、分水例の上っ側。使いすぎることによって起こる弊害がある。

逆に使いこなせてないと、デジタルでつながれたかもしれない人とか、得られたかもしれない機会が得られない。だから、この間を上手にたゆたうのがバランス感覚だと思うんですよね。二元論じゃないということだと思うんですよ。

よく「何時間以上使ったらダメなんですか」という質問を受けるんですけれども、ぶっちゃけもうそれは自分に問いかけるしかないことだと思いますね。

中場:自分の快適なところを探求するという感じですか。

バランス感覚を自分で見つけていくのが大事

森下:本当にそうですね。それはマインドフルネスもそうなんですが、内受容感覚がすごく大事だと思うんですよね。

Facebookを使っていて、友だちとつながれるのはいいんだけれど、なんか最近ざわざわしちゃうなとか、嫌なニュースに目がいっちゃうなとか。要は心がモヤモヤする。そういった言語化できない部分ですを感じたらちょっと減らしてみようかなとか。そういうバランス感覚を自分で見つけていくのがすごく大事なのかなと思います。

中場:森下さんご自身もSNSの使い方は工夫されてると聞いたんですけれども。

森下:そうですね。基本はSNSのアプリをスマホに入れないんですが、本を出版してからは、その反応を確認するためにSNSのアプリを入れているということは白状します(笑)。

中場:(笑)。

森下:基本は1ヶ月のうち半分はアプリを入れる、半分は入れないというところで今は落ち着いています。それを僕はデジタルとアナログの二拠点生活と呼んでいます。

中場:なるほど。

森下:月の前半・後半どっちでもいいんですが、半分はSNS使ってもう存分に楽しみます。ストーリーあげてみたり、誰かにメンションして「ありがとう」と言ったり。自分の行ってる場所についての写真や動画をあげたりとかを楽しんで、そこから半月はもうこもるというか、デジタル上には現れないみたいな。

一時期ずっと発信というか、SNSから距離置いてたんですが、そうすると「今、森下さん何やってんの?」みたいな感じで(笑)。

中場:今度はね。

森下:SNS上にいないと「どこにいたの?」みたいなレベルになっちゃうんですよね。コンヴィヴィアリティで言うと下回ってきちゃってるなというところで、半分半分使うというところに今は落ち着いています。これ、けっこうおすすめです。

「使えないからこそ気持ちよい空間」を見つけていく

中場:じゃあまたコメントを。「デトックスしようとしてもなかなか苦戦している友だちが多いです。脱デジタルよりもアナログ率を高める意識のほうがうまくいくかもしれませんね」と。

森下:確かにそうですよね。だからこれ、僕は正直、スマホを入れるカプセルみたいなのがあるじゃないですか。タイムロックコンテナっていうんですかね。僕はああいうのをあまり推奨していなくて。

ただ、デジタルデトックスの話をすると、けっこう「それ使ってます」とか、あとはそれを勧める人がいるんですけれども。それはそれでデジタルを意識しちゃっていると思うんですよね。「使わないぞ」という時点で、もう脳のキャパシティはデジタルに向かってるというか。

なので、やはり気がついたら使っていなかったというのが一番良いと思うんですよね。もっと言うと、使えなくても不快(ではない)。むしろ使えないからこそ気持ちよい空間。一番わかりやすいのはサウナです。サウナにはスマホを持っていけないんで。

サウナは僕も週2回、3回行くのが好きなんですが、その時間はデジタルデトックスだと思っているので。スポーツもそうですし、そういう時間を見つけていくのはすごく良いのかなと思います。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!