PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
コピーリンクをコピー
ブックマーク記事をブックマーク

池照佳代氏(以下、池照):では、さっそくなんですが進めていきます。今日お話しいただくのは石田陽子先生です。陽子先生には、また後ほどご自身のプレゼンテーションの中で自己紹介もしていただきますので、ここでは私が陽子先生にどうやって出会ったのかだけご紹介したいと思います。
陽子先生とは7、8年前に友人が主催する会で出会わせていただいて、「こんなドクターがいらっしゃるんだな」と、とても感銘を受けました。まず、お話がとてもわかりやすく、はっきりと物をおっしゃる先生なんですよね。そこが本当にかっこよくて気持ちよかったです。
知り合ってから、先生のFacebookなどで睡眠についての検査のプログラムをやっていらっしゃるということを聞いて、ちょうどコロナの後だったんですが、「これは絶対に受けたい」と思ってすぐに申し込みをしました。
というのも、コロナで働き方が大きく変わりましたよね。その前までは、私も毎日毎日どこかに働きに行くような仕事の仕方をしていたんですが、コロナで自宅から出ずにパソコンの前にずっと座っている生活になりました。すごく睡眠が乱れたんですね。「どうにかしたいな」と思っていた時に先生のFacebookを見たので、すぐに申し込みました。
実は私、検査結果はとっても優秀だったんですが、これをきっかけに睡眠への意識が変わりました。先生のアドバイスもあって、例えば寝るためにどのように自分の行動や習慣を変えていけばいいのかということに、ものすごく注力することができました。
おかげで私は、今回のテーマにあるような「最高の成果」にどんどん近づいていると思っています。なので今日は、最高の成果に近づくための睡眠マネジメントについて石田先生にお話をいただければと思っています。では石田先生、お話をスタートしていただけますでしょうか? よろしくお願いいたします。
石田陽子氏(以下、石田):ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
池照:よろしくお願いいたします。
石田:石田陽子です。この間、本を出しましたので、「Dr.Yokoこと石田陽子です」とシナリオに書いたんですが、まだ言い慣れないので忘れてしまいました。みなさん、こんばんは。
石田:本日は「なぜ、睡眠マネジメントが必要なのか?」というお題をいただいていますが、「睡眠マネジメントとは何か?」が先かなと思います。
「睡眠マネジメント」というのは名前は立派なんですが、その正体はけっこう簡単で、「とにかくたくさん寝ること」です。これは、赤ちゃんの時には私たちみんな誰でも上手にできていたことなんですけれども、大人になると難しくなるんですね。本日から、大人のみなさんにお願いしたい行動変容というのは、「とにかくたくさん寝ること」です。
先ほどのアンケートでは、(参加者の睡眠時間が)5時間台の方が4分の1、6時間台の方が30パーセントくらいいらしたんですが、6時間台までに半分以上の方が入っているというのは非常に由々しき問題でして、大人の睡眠時間としてはとても短いです。みなさん、1分でも2分でも長く寝ることをぜひ試してみてください。
自己紹介ですが、私は1999年に北海道大学を卒業して、慶應義塾大学の麻酔科に入局しました。それから10年間、手術室の外に出ることなく、高度急性期臨床に没頭しました。経営者の友人に教えてもらって産業医の資格を取って、2008年に初めて手術室の外に出て働く人々に出会います。
それをきっかけに、病気を治すために患者が集まる病院ではなく、病気じゃない人が働く職場の健康マネジメントにはまってしまい、現在は臨床医療と産業保健の二刀流で睡眠社会学家として、主に仕事をする人の生産性を高める活動をしています。
睡眠、しかもとにかくたくさん寝ることを私が強調する理由は、あくまで生産性を高めるための唯一の最善の策が睡眠だからです。私の来歴はこの本『Dr.Yokoの睡眠マネジメント 眠るほど、ぐんぐん仕事がうまくいく』に詳しく書きましたので、ぜひご一読ください。本日の内容もすべてこの書籍に含まれていますので、復習にもご活用ください。
石田:みなさんのご想像のとおり、睡眠とEQ(感情マネジメント)の関係は科学的にも十分に確かめられていて、信頼に足る研究がたくさんあります。一方でPeatixの告知を見て、「みなさんはこのあたり(「ストレスのせいで眠れなくなる」という告知文を指して)に興味があるんだな」と知りました。そして睡眠だけでなく、ストレスについても、どうやら誤解が多そうだなと感じました。
実は私は医師としても社会疫学研究者としても、睡眠よりも長きにわたってストレスを専門としてきています。ストレスと睡眠の関係はとても深くて、書籍でも「睡眠とストレス」という項目を立てて説明しています。
「ストレスが減ると良い睡眠が取れて、感情マネジメントもうまくいく」というわけでは実はなくて。むしろストレスに対抗する生命力があるからこそ、私たちは睡眠マネジメントをしようとか、感情マネジメントをしようとか、それでより生産的な生活を営もうというモチベーションを感じるんですね。
今夜はまず、感情マネジメントのための睡眠マネジメントの手前の「ストレスとは何か?」という話から始めようと思います。ストレスの役割がわかれば、睡眠と生産性の関係が腑に落ちます。睡眠と生産性には、ストレスのほかに認知機能が関係します。感情マネジメントにも認知機能が必要です。
認知機能を消耗してストレスに対抗し、生産性を発揮する。こういう日中の生命活動によって、起床後16時間程度で私たちの理性は枯渇します。それを睡眠マネジメントで復活させて、初めて翌日の感情マネジメントの準備が整います。最後に具体的な睡眠マネジメントのテクニックをお話しして、池照さんとの対話に進みたいと思います。
続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。
すでに会員の方はこちらからログイン
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!
スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ
この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします
「嫌いな上司」の前だとドキドキ、嫌な汗が出る…… 医師が教える、ストレスとパフォーマンスの関係性
「退屈な仕事」をすると、休息してもストレスが回復しない 睡眠の専門家が語る、自律神経のバランスが乱れる原因
6時間睡眠を5日間続けると、認知機能は“泥酔状態”まで低下 仕事を休めない日本人の「睡眠負債」がもたらす損失
眠りはじめの「黄金の90分」が良い睡眠のカギを握る “散らかった脳”を片付ける睡眠マネジメントのポイント
横になると秒で寝落ち…それは、睡眠ではなく「気絶」 意外と自分では気付けない眠りの問題点
仕事を効率よく進めるための「就寝前」の過ごし方 睡眠の専門家が教えるパフォーマンス向上のヒント
手帳に「感情」を記録する、嫌な気持ちは紙に書いて捨てる EQの専門家が教える、感情マネジメントの実践法