2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
第828回 ビジネスWikipedia「楽観バイアス」(全1記事)
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三井敬二氏:「楽観バイアス」ついてお話しします。楽観バイアスは、根拠もなく「そのうちよくなる」と考えてしまう傾向のことを言います。あるいは、何か好ましくないことが起きていても、自分には関係のないこととみなす傾向のことです。
人は好ましくない事態に直面した時に、「そのうちこの事態は好転するだろう」「これは自分には関係ない」と考えてしまう癖があります。もちろん人による差はありますが、多くの人はこの楽観バイアスを持っているはずです。
このバイアスが生じる理由として指摘されているのは、あまり心配しすぎてもストレスがかかるだけなので、それを回避しようとする心理が自然に働くからということです。
楽観バイアスが仕事上で現れる場面としては、例えば業績が徐々に悪化しているケースがあります。業績が徐々に悪化しているということは、多くの場合、自社の製品やサービスの競争力がなくなっている、あるいは市場のニーズの変化に対応しきれていないことを意味します。
当然、何か手を打たなければ業績が右肩下がりになってしまうはずです。しかしそれでも、「そのうち業績は好転するだろう」と考えてしまう人は一定数います。
なぜこう考えてしまうのか。その背景には「過去にそのように考えてなんとかなった」という経験がそうさせているのではないでしょうか。
例えば、友達とケンカして口も利かなくなったのですが、時間がそれを修復してくれて、数年経ったらわだかまりは消えていたとか。怪我や病気で、一時的に体に痛みを感じていたのに、何もしなくても(自然治癒で)痛みが消えたとか。そのような経験は、みなさんにもあると思います。
この「何もしていないのに状況が好転した」という悪しき成功体験が、楽観視してはいけない場面でも楽観視させてしまうような態度につながっているのではないかと思います。心当たりがある方は、ぜひ気をつけていただきたいと思います。
ということで、今回は「楽観バイアス」について簡単にお話ししてみました。「そのうちなんとかなる」という考え方は失敗の種となりかねませんので、ぜひその癖にはまらないように気をつけていただきたいと思います。
特に、過去に能動的に何もしていないのに成功体験をした、なんとかなったという経験がある人ほど、その癖にはまりやすいので、そういった成功体験は一旦忘れて、状況が悪くなっている傾向があるのであれば、真摯に捉えて対策を打っていくことに気をつけていけたらと思います。
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