2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第828回 ビジネスWikipedia「楽観バイアス」(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
三井敬二氏:「楽観バイアス」ついてお話しします。楽観バイアスは、根拠もなく「そのうちよくなる」と考えてしまう傾向のことを言います。あるいは、何か好ましくないことが起きていても、自分には関係のないこととみなす傾向のことです。
人は好ましくない事態に直面した時に、「そのうちこの事態は好転するだろう」「これは自分には関係ない」と考えてしまう癖があります。もちろん人による差はありますが、多くの人はこの楽観バイアスを持っているはずです。
このバイアスが生じる理由として指摘されているのは、あまり心配しすぎてもストレスがかかるだけなので、それを回避しようとする心理が自然に働くからということです。
楽観バイアスが仕事上で現れる場面としては、例えば業績が徐々に悪化しているケースがあります。業績が徐々に悪化しているということは、多くの場合、自社の製品やサービスの競争力がなくなっている、あるいは市場のニーズの変化に対応しきれていないことを意味します。
当然、何か手を打たなければ業績が右肩下がりになってしまうはずです。しかしそれでも、「そのうち業績は好転するだろう」と考えてしまう人は一定数います。
なぜこう考えてしまうのか。その背景には「過去にそのように考えてなんとかなった」という経験がそうさせているのではないでしょうか。
例えば、友達とケンカして口も利かなくなったのですが、時間がそれを修復してくれて、数年経ったらわだかまりは消えていたとか。怪我や病気で、一時的に体に痛みを感じていたのに、何もしなくても(自然治癒で)痛みが消えたとか。そのような経験は、みなさんにもあると思います。
この「何もしていないのに状況が好転した」という悪しき成功体験が、楽観視してはいけない場面でも楽観視させてしまうような態度につながっているのではないかと思います。心当たりがある方は、ぜひ気をつけていただきたいと思います。
ということで、今回は「楽観バイアス」について簡単にお話ししてみました。「そのうちなんとかなる」という考え方は失敗の種となりかねませんので、ぜひその癖にはまらないように気をつけていただきたいと思います。
特に、過去に能動的に何もしていないのに成功体験をした、なんとかなったという経験がある人ほど、その癖にはまりやすいので、そういった成功体験は一旦忘れて、状況が悪くなっている傾向があるのであれば、真摯に捉えて対策を打っていくことに気をつけていけたらと思います。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗