2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
『脳神経外科医が教える 一生疲れない人の「脳」の休め方』(実務教育出版)刊行記念 「寝ても疲れの抜けないアナタへ。今年こそ「脳内休息革命」で人生を変えましょう!」(全6記事)
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小谷俊介氏(以下、小谷):その(記憶する力よりも思い出す力を大切にする)ために寝る前はスマホを見ないとか、スマホ断捨離も必要になってきませんか。
菅原道仁氏(以下、菅原):そうですね。寝る前にスマホを見ると、睡眠の質を落としますから。
小谷:そうですね。
菅原:疲れが取れにくくなる原因の一つが、スマホのブルーライトなんです。太陽の可視光線と同じ波長が出ていますから。
小谷:太陽と同じ。
菅原:そうなんです。なので、まあ、ここだけの話、ブルーライトカットの眼鏡なんて馬鹿にしてたんですけど(笑)。
小松田久美氏(以下、小松田):おっしゃってました。
(会場笑)
菅原:電子カルテとか、こう、見ていて……あれ最近買ったんです。
小谷:ああ、はい。
菅原:超いいですよ。
小谷:馬鹿にしてたのに。
菅原:びっくりしました。本当に目の疲れが軽くなるんです。
小谷:へーえ。
菅原:本当にそうなんだな、と思えました。
小松田:はい。
菅原:3,000円とか5,000円くらいで売ってますから。目が疲れたなぁとか、デスクワーク、モニター作業が多い方は使ってみるといいかな、と思います。
小谷:今回の講演テーマが「脳内休息革命」ということで。寝ても抜けない疲れが取れる脳の休め方って、どういうこと? みたいなところで考えてるんですけども。
菅原:はい。
小谷:今、本を読まれた方も、読まれてない方もいらっしゃると思うんですけど。この本の最初に、レクチャー0「パフォーマンスが落ちる理由と脳のしくみ」とあります。僕も今年で40歳になるので、この企画につながりまして。僕はよくお酒を飲むんですが、やっぱり最近、翌日の残り方が違うな、と。
小松田:はい。
小谷:やっぱり、昔は朝まで飲んでいても2、3時間で……。
菅原:どんだけ飲んでたの?
小谷:いや、ちょっと前は。最近は行く機会が少なくなってありがたいんですけど。そういう年齢的なものは多少あるんですか。身体の回復力と年齢というのは。
菅原:そうですね。やっぱりどうしても肉体的な衰えというのは出てきています。年を1歳重ねると筋肉量が1パーセント落ちるというのは、よく言われていることです。
小谷・小松田:1パーセント。
菅原:はい。なので、実質的データで肉体的年齢が落ちるということと、歳を取ってから、あれができなくなってきたな、と思うのは、やっぱり自分のイメージと実際の動きの乖離なんです。子どもの運動会でお父さんが転ぶ理由と同じで、あの時はできたと思っても、実際は肉体の衰えが出てきて、それにパフォーマンスが追いつかない。
小谷:参加者の方々で、「最近、ちょっとなんか体が違うぞ」みたいな、そういう経験されたことあります? 例えば、起きられなくなってきたとか、お酒が残るとか、なんでもいいんですけど。
小松田:みなさん、きっといろいろありますよね。
質問者1:僕、大学まで野球をやっていたんですけど。今も自分のなかでは速く走れると思ってるのに、この前、走ると10メートルくらいで肉離れを起こしてしまって。
小松田:肉離れ。
菅原:そうですね。ありますよね。
質問者1:ダッシュ力の感覚を覚えているのに、体がまったく反応しない。
小谷:ちなみにおいくつですか?
質問者1:小谷さんと同じ39歳です。
小谷:39歳。やっぱりそれ、最近ですか?
質問者1:最近です。
小谷:ああ。
菅原:私も学生の時、ラグビー部に所属していて、毎年1回、春先にOB戦があるんですけれど。いや、まったく動かないです。本当に。もうイメージではここでタックルだろうと思うんだけど、若い現役の人たちはその横を疾風のごとく駆け抜けていく。
小谷:(笑)。
菅原:そこで大事だなと思うのは、悔しいという思いで頑張ればいいということと、もう1つは現実を直視するという、強い心を持つということが大事かな、と思います。
小谷:心ですね。
菅原:そうですね。私たちの脳というのは、イメージでだいぶ世の中の見え方が変わってきますから、辛いこと悲しいことがあったとしても、違う見方、側面で見れば、それが糧になったり、楽しいことにつながったりします。まあどうしても忙しい方とか、休めない方というのは、視野がどんどん狭くなっていくんです。
小松田:はい。
菅原:ですから、そういった自分のことに気づいて、それを糧にするというのがいいと思います。だから、男性よりも女性の方が元気な理由って、僕は実はそこにあるんじゃないかと思っています。
小谷・小松田:ああ。
菅原:どういうことかって言うと、実は僕たち男性って、髭を剃るときくらいしか鏡を見なかったりするんですけど。
小松田:本当ですか?
菅原:はい。女性はお化粧をしたり、あと鏡の前で「ああ洋服がちょっと、あれ、ちょっと入らないな」とか、気づくわけです。ここにちょっと皺が増えたとか、気づくことが大事。気づくと、それで生活とか行動が変わるので。
小谷:ああ。
小松田:気づく力。
菅原:はい。だから私たちはそういうふうに体が動かないと思っても、それは年に1回くらいのことなんですけども、女性はそれに気づいている。
小松田:ああ、なるほど。
小谷:あ、そうか。日々。
菅原:日々気づくので、「ああ、ちょっとお肌の手入れをしないといけない」「脂っこいもの食べちゃいけない」とか変えるじゃないですか。そうするとやっぱり結局はコレステロールとか、中性脂肪とかまで改善していくんです。だけど、われわれ男性は「まあ、いいか」と言ってスルーしてしまうから、結局お酒やラーメンがやめられないわけです。
小谷:夜にも、締めにラーメン食べちゃうみたいな。
菅原:なので女性が長生きする理由というのは、実は鏡を見ている時間と比例してるのかもしれないかなっていうのを、僕は薄々感じています。
小松田:はい。
小谷:男も鏡を見ようと。
小松田:見たほうがいいですね。
菅原:ナルシストみたいに(笑)。はい。
小谷:先生のFacebookのお写真も、鏡を見ていますね。
菅原:ああ。あれは鼻毛を切っている写真なんです。
小谷:確かに大事ですね。鼻毛が出てないのは。
菅原:そうです。髭を剃るときと、鼻毛を切るときしか鏡を見ないですね。はい。
小谷:鼻毛はでもけっこうやっぱり都会に住んでいると伸びますね。
小松田:(笑)。
菅原:伸びますね。
小谷:毎日見たほうがいいですね。
菅原:はい(笑)。
菅原:なので、そうですね。気づくことは大事なので。
小谷:はい。思い出すことと気づくこと。
菅原:はい。これも1つ、気をつけないといけないことがあって、人に言われて気づくと腹が立つだけなんです。
小谷:ああ。ふて腐れたり。
菅原:そうそう。「あれ、太った?」とか言われると、もう腹立つんですけども、自分で太ったって言う分にはいいわけです。
小松田:大丈夫です。
小谷:気づく分には。
菅原:だから、もし人の気になることがあったら、例えば、仕事とかパートナーとか部下とか上司でも、「なんかこの上司いつも臭いな」とか。そう思ってても、柔らかく言っていただければ。うまい言い方があるので。気づかせるというか。
小松田:高度ですね。気づかせる。
菅原:そうなんです。言い方って大事なんです。
小谷:そこはなんかね、女性の方が。
小松田:はい。そうです。
菅原:そうなんです。
小松田:そういう意味でも上手です。
菅原:だから、また話が脱線しますけど、健康管理の診察をしてると、みなさん、やっぱり食べ過ぎとか、運動不足でコレステロールが高いとか、血圧が高いという方がけっこういらっしゃる。というか、ほとんどそうなんです。自分の生活習慣を改善すれば良くなるのに改善しないわけです。
「コレステロールの値が高いから、あなた、ちょっと少し運動した方がいいんじゃないですか」、「はい、わかりました」。また次回、半年後くらいに採血しても変わらないわけです。そういうのを繰り返していくと、僕は救急病院で働いていましたから、(健康診断で指摘されたことをほっておくと)みなさんの未来が見えるわけです。
この人は脳梗塞になったりとか、心臓の病気になったりとか、血管の病気になるという未来が見えてきてしまう。なので、どうにかして(健康になってもらうために)言うことをきかせないといけないな、となった時に、思いついたんです。
小松田:はい。気になります。
小谷:お!
菅原:どう言ったらいいかというと、女性でも男性でも、「○○さん、20年前は体重、何キロでした?」って聞くんです。「聞いてくださいよ、出産してからちょっと太ってしまって」とか。あるいはまた男性だったら「ちょっと宴席が多いからどうしても食べないといけないんです」とか。
菅原:じゃあその時に、それは飲み会とか行くのはやめなさい、とか言うのは簡単なんですけど。そこで僕、ちょっとひと工夫したんです。
小谷:それはどのような?
菅原:「じゃあ、20年前の体重に戻ったと仮定したとしたら、まだまだモテるんじゃないんですか?」って言うんです。
小谷:それはいいですね。
小松田:ああ、すごい。それは(笑)。
菅原:そうすると、ハッという顔をするわけです。俺もまだいけるんじゃないかな、とか、私もまだまだ大丈夫かしら、と思ってくださる方がいるわけです。みなさんよりもちょっとお母さんとかの世代の方の話なんですけど。
そうすると、翌月とかに来た時にみなさん、ちょっとがんばって、1キロとか痩せてくるんです。そういう時に血液検査をするとみんな軒並みデータが良くなる。だから言い方って大事だなって。
小松田:キーワードは「モテ」ですね。
菅原:そうなんです。そうやってわれわれ医師も工夫をしています。
小谷:言葉はすごいですね。
小松田:言葉の選び方が。
菅原:はい。気づかせるということが大事です。「まだまだ輝けますよ」とか。70代になっても80代になっても、まだまだ諦めることはもちろんしなくていいわけです。
昔、八王子で講演をやった時にも、60歳で還暦を迎えた時に「赤いちゃんちゃんこじゃなくて赤いドレスを着るくらいがんばりましょう、それからの人生ですよ」というような講演をしたこともあります。
小松田:すてきです。「私、その赤いドレスを着た自分をイメージできるから、ちょっとがんばれます」的な。
菅原:そうすると、じゃあちょっとエスカレーターを使うのやめようかな、と少しでも思ってくれればいいですし。ちょっと一口食べるのをぐっと我慢したりとか。デザートは別腹というのはやめようとか、そういうのを思ってくれればいい。だから気づくということはすごく大事ですね、という話です。
小谷:言葉によって脳のどこかが反応して。
菅原:そうですね。イメージが変わってくるので。
小谷:記憶じゃないですけど。
菅原:そうですね。それはあると思います。
小谷:行動が変わるようになってくるという。
菅原:はい。
小谷:ちょうど今、30分くらい経ったところなんですけど、どなたか質問シートを書かれた方、いらっしゃいますか?
小松田:ぜひぜひ。
菅原:質問が恥ずかしかったら、ちょっとわかんないようにした方がいいんじゃないの? 恥ずかしいやつではないでしょう(笑)。
小谷:大丈夫です。
小松田:和気あいあいといきましょう。
小谷:お便りコーナー。ラジオみたいになってきました。ではいいですか、さっそく。「睡眠時間の体感が5分くらいです。だいたい3時間くらいで目が覚めて、また眠れるようになるまで1時間くらいかかります。よく眠れた感じがありません。どうしたらよいでしょうか、先生。」
菅原:はい。今日も同じような患者さんがいらっしゃいました。
小谷:不眠症。
菅原:不眠症というか、睡眠時間というのは、僕が思うには寝なければいけないのが実際なんですけども、別に7時間寝なきゃいけないとか、8時間寝なきゃいけないということに縛られなくてよくて。僕たちが不眠症を疑う一番の質問って何かというと、昼間眠くないですか? と聞くんです。
小谷:この中にもけっこうありました。
小松田:ああ。はい。
菅原:昼間、眠くなければ、その人にとって睡眠時間が足りてることがほとんどです。だって寝るということは、翌日、昼のパフォーマンスを上げることにつながるわけですから。もちろんそこで記憶が定着したり、成長ホルモンが出たりとか、体のメンテナンスにもつながってはいるんですが、一番大事なことは翌日仕事をちゃんとすることなので、4時間とか5時間でも、翌日眠気がなければいいかなと思います。
小松田:問題ないですね。
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