2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
特典をまさかの公開、数字にだまされない方法とは?(全1記事)
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DaiGo氏:こんにちは、メンタリストのDaiGoです。今回はですね、新しく始まった騙されないためのメンタリズムと、ビックトゥモローさんでの連載に合わせた、おまけというか特典の動画を皆さんにプレゼントしたいなと思います。紙面の中には書けなかったことというか、書かなかったこと、あるいは紙面の中に書いてあることの具体的な使い方や、応用のテクニックみたいなものをご紹介したいと思います。
今回のビッグトゥモローの記事の内容は、数字に騙されない方法ということです。やっぱり騙されないためには騙す方法を知ってないといけないわけですよね。もちろん、悪用は厳禁ということに一応させていただいてますけど。そういうところから、数を使った人の心の操り方というのをご紹介したいと思います。
3つの方法をこの中ではご紹介したいと思います。1つは回数で人を操る方法。2つ目は頻度で人を操る方法です。そして最後の3つ目は基準で人を操る方法。この3つの方法をご紹介したいなと思っております。
まず1つ目、回数で人を操る方法なんですが、実は人間が説得される確率っていうのは、回数を変えることによってコントロールできるとわかっています。デビット・オグルビーという、現代広告の父と呼ばれた広告の天才がいるんですけど、その人は同じ広告を打つ場合、その広告に3回以上人が触れないと広告の効果が発揮されないというふうに言っていたわけですね。
これは感覚的にも非常にマッチしてくるところだと思います。例えば、一番最初にCMで何かを見ました、と。そのときは見ただけで記憶にも残らない。2回目、例えば車内広告とかで見たら「そういえばこれCMで見たやつだな」と思うわけです。そして3回目、店頭だったりとか別の場所でポスターとかを見たら「最近よくCMでやってるやつだよな、ちょっと買ってみようかな」というふうになるわけですね。だいたい3回くらい、人を説得するのにかかると言われています。
さらにこれを注意深く研究した心理学者の研究結果を参照すると、人間がどういうふうに回数を重ねると説得力を上げることができるかがわかってきます。
まず1つ目はどれくらい回数を繰り返せばいいのかという問いに関する答えです。ある心理学者が模擬裁判を使った実験なんですが2、3個の証拠というか説得材料を陪審員に提出した場合、まあ2、3回の説得を試みた場合ですね、簡単に言うと。そうすると、46パーセントくらいの人がその説得に応じたわけですよ。そして意見を変えたと。
で、回数を増やしてだいたい10回繰り返して説得をした場合はどうなるかというと、なんと説得率は82パーセントまで上がったんです。つまり、どういうことかと言うと、人間は説得に対しては、やはり回数を重ねたほうが説得される確率が高いという結果が出ています。
それはどれくらい変わるかというと2、3回の説得では46パーセント、10回繰り返すと倍に近い82パーセントまで説得確率が上がってしまうということです。
ただ、でも普通に考えてたらそんなに回数、説得されたらイライラするというか、「同じこと何回も言うなよ、わかってるよ」という人間の抵抗ですね。心理的なそのリアクタンスを生むんじゃないかという考えがあると思うのですが、これを実は避ける方法があります。
オグルビーも実は触れているのですが、説得を繰り返し行う場合は、その説得の方法、あるいは表現、言葉遣い、そういったものを全部変えなくちゃいけないということです。
だから、1つの製品を顧客に買ってもらいたいとしますよね。そのアピールをする場合に、「この携帯は画質が良いんですよ」「この携帯は写真が綺麗に写るんですよ」とか、要は皆さんが相手に言う売り込みがあると思いますけど、この売り込みの内容や言葉の表現を全部少しづつ変えていってあげないと相手の心に刺さらなくなる。むしろ、くどいとかそれさっき聞いたよとか返って抵抗を生む可能性があります。
ですから、回数を使って相手をコントロールする、相手の心を操る場合には、必ず10回相手に説得を繰り返すこと。さらにその説得内容はバリエーションをつけることですね。つまり、繰り返しとバリエーションが相手の心を上手に操ってくれると。これが、回数を使った人の心の操り方です。
そして、2つ目。2つ目は頻度で人を操るという方法ですが、これは簡単に言ってしまうと、心理学でわかっているザイアンスの法則という法則を利用します。
どういう法則かというと、人間の好意(物とか人間を好きと思う感覚、好きという感情)は、その情報にどれくらいの頻度で触れているかどれくらい回数を触れているかによって変わってくるということがわかっています。
ですから、これを利用するとどういうことがわかるかと言うと、例えばタレントさんとか芸能人が凄そうな人や魅力的に見える理由がここから見えてきます。
タレントの魅力を作っている心理的要素っていうのは大きく分けて2つあって、1つはいわゆる権威効果ですね。テレビに出てるからすごい、という単純な有名人としての好感。
そして2つ目は、よくテレビとか雑誌で見かけてる。つまり、触れている頻度が多いわけですよ。そうすると、そこから好意が生まれてしまう。これがまさにザイアンスの法則。単純接触効果とか呼ばれますけど、そういう効果になります。
どういう風にこれを普段の生活に使えばいいかと言うと、例えば好かれたい人に挨拶をしたりとか、言葉を交わしたりとか、あるいは体を触れたりすることができるなら触れる頻度をあげるとか、あるいは上司とかに気に入られたいのであれば、細かい贈り物とかプレゼントとか気遣いの品とかそういった物を多く回数を踏むと。
これによって、相手からの好意を引き出すことができるようになります。だから、大きい好意や大きいプレゼントを1つドンと渡すよりも、細かいプレゼントだったり気遣いの言葉のほうが相手の心に刺さるわけですよね。こういう風にして使うのは頻度を使って人の心を操るという方法です。
例えば上司にアドバイスを求める場合にも、「あいつは勉強熱心だ、仕事ができるやつだ」と思わせたいのであれば、長いアドバイスを求めるのではなくて「3分で終わります」とか「部長、1分だけ話を聞いて下さい」というふうに時間を短くしてちょこちょこ聞くようにします。
こうするとどうなるかと言うと、例えば「めんどくさいな」と思う上司の場合は、20分も30分も質問されたら「溜まったもんじゃない、自分の頭で考えろ」と思う場合が多いですが、かなり上の上司の場合でも1、2分あるいは3分。こういう短い時間を捻出できない人はほとんどいません。
ですから、もちろん具体的に質問項目を絞って、内容のある質問をする必要はありますが、だいたい「3分で終わりますよ」とか「3分で終わるので部長話を聞いてください」という風に具体的な時間を提示して、相談をちょこちょこやることによって自分が真面目にやっているなというアピールをし、そして相手に対しては接触回数が多いですから好意に結びついて、出世する確率も上がるということがわかっていますので、是非試してみてください。頻度を使って相手を操る方法です。
そして3つ目の操り方は一番難しいんですが、基準を使って人を操るという方法です。どういう方法かと言うと、数字の見え方というのはどこに基準があるかによって大きく変わります。
例えば、あなたが上司で部下にご馳走してあげるとしますよね。その場合にどういう方法を使えばいいか。例えば部下が3人とかいたとしましょうか。その3人に対して、仕事が終わってから「お前ら、これで飲みにでも行って来いよ」って言って1万円渡したらちょっとケチなわけですよ。
なぜかというと、普通に飲みに行ったりとか食べに行くことを考えると1万円だとちょっと少ないですよね。まあ、ギリギリか足しになるくらいです。
じゃあどういう風に渡せば部下の心が掴めるかというと、これは簡単です。ランチ時を狙うんですよ。昼食を食べに行く部下たちに、「お前らいつもがんばってるから今日は俺の奢りだ、これでたまには美味いものでも食ってこい」と言って1万円を渡すんですよ。
そうするとどうなるかと言うと、ここで無意識に人間は基準を作って考えているんですよね。あなたはどう思いますか? ランチ時に3人でランチに行こうと思っているときに1万円くれる上司、これは結構良い上司ですよね。ランチに1万円もかからない。
今言っちゃいましたけど、ここが大事なんです。どこに基準があるかによって、行為の価値というのは変わってきます。
例えば、ランチに1万円渡すってどういうことかと言うと、ランチで1万円は高いし、3人でも1万円はいかないだろうと普通に食べたら。そこをわざわざくれる上司っていうのは、ランチの基準より多い金額を渡しているから、その分太っ腹というか部下のことを思っている良い上司だと思われるわけです。
逆に、飲みに行くときに例えば大人が3人普通に飲みに行ったら2000円は超えるでしょ、バーとか行ったらね。というところで1万円しか出さないと。1万円を超えると思っているのに1万円しか出さないということは、その差額分マイナスですよね。ということは、部下から見ると「なんだ、ケチりやがって」という風になるわけですね。
この方法、つまりどこに人間の基準が置かれているかということを理解することによって、数字を使って相手の心をコントロールすることができるようになります。
例えばあなたが身につけるものを考える場合でも、スーツとかバッグとか大きい物、あるいは時計とかもそうですよね。高価なものっていうのにお金をつぎ込むと、これはあまりペイしないです。
例えばですが、「30万円の時計をしている」と言ったら、高いかもしれないですが、時計としては安いですよね。500万、600万、700万っていういわゆる高級な時計、中には3000万とかする時計をつけている方もいますけれども、時計は青天井でキリがないわけですよ。
それよりかは、やっぱり小物。じゃあ例えばペンケースに7万円って言われたら高いって思いますよね。普通のペンケースにはその値段は使わないですから。
あるいは、女性でも大きいゴージャスなドレスじゃなくて、普通のちょっとしたお出かけに使う服だったりストール。例えば、ストールだったら5万円とか7万円でもかなりいいものが手に入りますし、あとは小さいバッグですね、そういうものでもいいわけです。
つまり何が言いたいかというと、払う金額は少ないけど、一般的な基準よりも高いもの、高い小物を持っているだけで凄そうな人に見えるわけですよ。これは感覚的にも正しくて、結構お金をあまり使わないのにお洒落にしたりとか、すごい良いものを持ってそうに見える人っていうのをよく観察してみてください。
実は、いくつかの目立つ小物の部分にだけお金をかけていて、そうじゃない部分、例えば服だったりだとかそういう部分は意外とリーズナブルに済ませている人が多いんですよ。なぜ、服がリーズナブルなのに小物が良いものであると凄そうな人に見えるかと言うと、これは人間のハロー効果とかよく呼ばれますけど、人間は目立った1つの特徴で相手のパーソナリティや目立った一部からそのものの全体像を推測してしまうっていう傾向をもっているんですね。
だから、例えば服とかはそんな大したことなくても、ストールだけ7万円とかあまり浮くようだとまずいですけど、あとお財布が普通は5万円とか7万円ぐらいなのにちょっとこうクロコのお財布とかでじゃあ例えば20万円くらいするやつとか持っていると、すごい実はお金持ってそうだというか人に見えるわけですよね。
さらにポイントとして良いところは、服は毎日同じものを着ていたりすると「また同じもの着てる」って思われる可能性が高いですが、小物の場合は意外とそうは思われないです。毎日お財布変える人ってあんまりいないですよね、例えばですが。
そういう風に、他の人があまりお金をかけない小物の部分にこそお金をかけることによって、自分をよりすごい人間に見せるということも可能になります。
こういう風に、物の基準を考えてその基準が低い分野をチョイスして、その基準よりも高い、わずかばかりのお金を出すことによってより自分をすごい人間にみせることができたり、プレゼントを渡すときもよりすごいプレゼントにみせることができるわけですよね。こういう風に、基準を使った人の心の操り方というのが、最後のテクニックとなります。
いかがだったでしょうか。連載も初回なんで、これからいろんなお話をしていきたいなと思っているんですが、今日ご紹介したのは、一番最初に回数ですね。回数を使って人の心を操る。繰り返すこととバリエーションをつけた説得が相手の心を動かします。
そして2つ目が、頻度で操る方法です。大きいプレゼントよりも細かいプレゼントをたくさんあげたりとか細かい気遣いをたくさん重ねることによって、相手の好意を引き出すことができるという方法です。
そして3つ目が基準で操る方法です。多くの人がお金を注ぎ込みやすい場所にお金を注ぎ込むのではなくて、普通の人があまりお金を使わなさそうな場所にお金を注ぎ込むことによってより凄い人に見えてくると。さらにそれは小物であればあるほど、効果が高いしコストパフォマンスもいいということをご紹介しました。
ぜひ試してみてください。
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