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8月19日GapKids×EDキャンペーン(全1記事)

安藤美姫「アジアンビューティーは個性になる」現役時代の思い出と母としての今後を語る

2015年8月19日、都内で開かれた「GapKids×EDキャンペーン」にフィギュアスケーター・安藤美姫氏と尾木ママこと、教育評論家の尾木直樹氏が登場しました。世界中の女の子が自信と誇りを持てるようになるために、インターネットで実施された「女の子の可能性に関する調査」のアンケート結果を受けて、自分に自信を持つために必要なことについて意見が交わされました。フィギュアスケーターとして活躍した安藤氏は、スケートに出会った9歳の頃からオリンピックに出場するまで、そして1児の母となった現在について語りました。

日本人は自己肯定感が低い

司会:今回このキャンペーンにあたって、一般女性に女の子の可能性に関する調査を行いました。

どのような調査を行ったかというと、「一般女性に才能があると思いますか?」という質問に対して、「才能がある」と答えた方が76.7%、しかし「ご自身に才能があると思いますか?」という質問に対しては、ご自身に才能があると思っている方は21.8%と、非常に低い結果になっています。尾木さん、この結果はいかがですか?

尾木直樹氏(以下、尾木):謙譲の美徳が日本人の性格だっていう研究者までいるんですけど、これは民族の問題じゃなくて、文化や教育システムの問題です。他人と比較しちゃうんですよね。

常に他者と比較するから、自己肯定感が低くなってしまう。子供から大人まで、日本人はみんな低いんです。よくないと思うわよ〜。

基準として、他者との比較のなかで教育されてるし、ご家族でも「うちの馬鹿息子が」っていうふうに悪く言うでしょ? 海外では息子や娘を自慢するじゃない?

(海外では)やっぱり「個」が大事なんですよ。自分がすごく大事で、そこを中心に物事を考えて、戦っていく。

司会:よく根拠のない自信を持てなんて言われて、私も育ったんですけど、それってやっぱり大事なのかなと思うのですが。

尾木:自信っていうより自己肯定感が大事。できないことはできないことでもちろん努力が必要ですけど、できることに関しては自信を持つということがなかなかできなくて。

例えば、なでしこジャパンの澤穂稀選手。この間(結婚を発表して)オメデタでしたけれども。澤選手なんかは、自分の弱点を直そうとしないでしょ? 佐々木則夫監督のリーダーシップもあるんですけど、弱点を直そうとせずに、いいところを伸ばしていく。

日本の女の子がみんなそういう発想を持てたら、自信になると思いますよ。

司会:そう考えると、周りにいる私たち大人のあり方も変えないといけないなと思うんですが、安藤さんはアスリートとしてすばらしい結果を残されてきました。

おそらく、スポーツ選手としての葛藤や悩みがあったからこそ今があるんじゃないかと思うんですが、安藤さんは自信を保つために何か心がけていることはありますか?

アジアンビューティーは個性になる

安藤美姫氏(以下、安藤):そうですね。私は結構人見知りな性格だったんですけど、フィギュアスケートと出会ってからは、リンクの上ではいつもと違う自分になれると気がつきました。人前で演技する環境には慣れていたので。

海外の選手を見て、今はジョークで「日本人は平たい顔だから」ってみんなと話しているんですけど、やはりアジアンビューティーっていうのは、海外の人とは違う個性になりますし、高校生の頃は髪が黒いから「見た目が重くなる」って言われていたんですけど、日本の女性って髪を茶色くしたり、目を大きくしたりとかするんですけど、すごい個性をなくしてしまっているんじゃないかなと思ってしまうところで。

私も海外の環境に行って、アジア人として生まれてきた自分の容姿だったりとか、日本人だからこそあるスタイルだったり、すごく手広くやれてきたので、世界の舞台で戦うときには自分の強みだと思ってやっていました。

司会:尾木先生もおっしゃっていたように、自分のありのままを受け入れるところから、気づきや発展があるのかなと思いますよね。

続いての調査は、少女時代に挑戦したいことをあきらめてしまったことがある方の理由として、「自分に対する自信のなさ」というのが54.5%で1位。続いて「失敗するのが怖かった」というのが36.4%で2位。「他に優先することを見つけた」というのが31.6%で3位という結果です。

どうしてもあきらめがちになってしまうというのは、生きているとあると思うんですが、尾木先生はどのようにお考えになりますか?

夢はフィギュアスケートのコーチになること

尾木:やっぱり夢を持っている子っていうのは強いですね。毎日、目標に向かって全力で打ち込みますから。多くの人が夢を実現できるわけじゃないんですけど、夢を持ちながら仲間と力を合わせて頑張っていくと、伸びていく力っていうのがものすごくある。

例えば、夢としている職業のために身につけた技術とかでも、違う職業についたとしても成功していくんです。つまり、夢を持って前に向かって、日々を全力で過ごすということがすごく大事なんです。

司会:プロセスにおいて、たくさん得ることがあるということですよね。安藤さんはいかがですか? やめたくなるようなことって、スポーツをされていたらあると思うんですが。

安藤:18歳過ぎてからは、毎日やめたいと思っていた時期があって、なんでやめなかったかというと、9歳の頃にスケートに出会ったんですけど、9歳の頃から持ち続けた、コーチになるっていうのが私の夢なので……実はまだ私も叶ってないんですけど。

夢があったからこそ、あきらめてはダメだって思いましたし、一番大切にしてたのは、やめたいなとか、辛いなって思ったこともあったんですけど、フィギュアスケートを嫌いになったことは一度もないんですね。

その思いが今につながっていると思いますし、失敗が怖いとかは、私は失敗したって思ったことがあまりなくて、失敗って結構マイナスなイメージなんですけど、生きていくなかでは、一人ひとり感じ方が違うし、生きていく道も違うし、そのなかで自分に起こることっていうのは、何か意味があるからこそ自分の身に起きていて。

出会う人だったり、行く場所だったり、やっていることだったりっていうのは、絶対に意味があるって思って生きてきたので、失敗って思わずに、何か意味があると思えば、怖くなることも少なくなるのかなと思います。

トリノオリンピックの結果について

わかりやすく言うと、トリノオリンピックのとき……わたしは失敗って思ってないんですけど、みなさん大失敗だと思われてますし、15位だったんですけど。

わたしのなかでは、4回転に挑戦させていただいて、それで勇気をもらったって言ってくれる人もいましたし、もちろん反対意見もありましたけど。

その次に頑張らなきゃと思えて、もう一度ジャンプをやり直して、次の年に東京で優勝できたので。失敗は成功のもとっていうのは言葉にしたらそうなのかなって、悪いときもあれば良いときもあるのがライフなので。

司会:本当にお二人の話を聞いていると、受け取り方ひとつで変わるんだなって思いますね。

これだけいろんな葛藤をしながら頑張ってこられた安藤さんですが、今は1歳の娘さんを持つお母さんになられまして、1歳でもだいぶもう自我が出てきてて、さっき(控え室で)お話されてましたけど、母としての安藤さんも楽しみですね。

尾木:ひまわりちゃんって言うんだけど、これ言っちゃいけなかったかしら?

司会:大丈夫です。

尾木:本当に素敵で、お母さんがよく面倒見てるんだよね。

司会:最後にもうひとつ、こちらの調査をご覧いただきたいんですが、「やりたいことをチャレンジしないで後悔していますか?」という質問に対して、75%の女性が後悔されているんです。

しかし、可能性を広げるために、後悔したあとに行動に移している方は半数以下なんですね。そして、後悔したあとに行動に移している方というのは、毎日が楽しいと答えています。

安藤さんはいかがですか? 内向的な性格から変わっていったということで、自信や充実感っていうものは変わりましたか?

安藤:私自身、自信があるかと言ったらたぶん、あるとは言わないと思います。ただ、明日が確実にあるわけじゃないっていう人生を経験しているので、いまこの時間や、出会う人とのご縁だったりとかを大切にするということに気づいてからは、2011年頃からスケートも充実して、成果も出たりとか。

あとはプライベートをきちんと持つことによって、(スケートと)両方満たされて「チャレンジしよう」って思ったりとか、後悔しないために生きています。

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