CLOSE

エリトリア(全3記事)

北朝鮮より報道の自由がない国、エリトリアとは 歴史と雑学をゆる〜く学ぶ

アフリカ大陸を右向きの人の頭と見たときに、目の部分にあたるところにある「エリトリア」のことを知っていますか? 世界各国の歴史を超ゆるゆるな雰囲気でお伝えするPodcast番組「世界一周!チラ見の世界史」が今回取り上げるのは、紅海に面したイチョウ型の国、エリトリアです。ジャーナリスト保護委員会(CPJ)が2013年に発表したランキングでは、北朝鮮を抜いて「世界一報道の自由がない国」という不名誉な認定をされてしまった国でもありますが、その国内ではどのような体制が築かれているのでしょうか。歴史や雑学と合わせて、ゆる〜く学んでいきます。

世界一報道の自由がない国・エリトリア

おおたに:後は最後に現状なんですけども、本当は新憲法を作ってそれに基づく国政選挙をやるはずだったんですけど、エチオピアとの紛争で延期されて、イサイアス大統領率いる現政権はアフリカの北朝鮮ともいうべき独裁政権でずっと続けて牛耳っていると。

やすやす:出た!(笑) 独裁政権。アフリカの国って独裁になるよね。

おおたに:こないだも聞いたような話ですが。独立した時に大統領に就任して、それからずっとですよ。

やすやす:そういうことですね。だから、ここ20年ですか。

おおたに:この大統領が98年にエチオピアのティグレ州に侵攻して、エチオピア・エリトリア国境紛争が始まったんですよね。それで国内で紛争の是非とか政治体制を批判する声が出たら、強行的な統治を始めて、メディア統制。今、新聞記者とか入れないじゃないですか。

やすやす:そうなんだ。北朝鮮扱いですもんね。

おおたに:国境なき記者団が選ぶ自由がない国ワースト1でしたよね。北朝鮮が2位で、エリトリアが1位です。

やすやす:北朝鮮より酷いんだ(笑)。

おおたに:政党は認められているんですけど、事実上はPFDJ(民主正義人民戦線:People's Front for Democracy and Justice)という一党独裁の元に、憲法も施行されずに大統領議会選挙は事実上無期延期だそうです。作ったけど実施されない憲法。

やすやす:そうかー。議会なんかないってことね。

正しい独裁政権像とは?

まき:ちなみに赤道ギニアもメディアをちょっと調べてみたらですね、ほとんど政府が持っているらしくて、スペイン語、フランス語、それと1番ファン族が多いところでファン語と、あと地方言語で放送していて、テレビは1局だそうですけど、多分その1局も政府が握ってる感じだと思います。ちなみに新聞は2紙あるんですが、スペイン語とファン語で分かれているだけだそうです。発行元はバタとマラボです。

やすやす:2紙とも多分国営だろうね。だって俺が大統領で独裁政権を握っていたとしたら民法なんて認めないよ、そりゃ。発行元も場所でしょ、島側と大陸側でやってるだけでしょ。

まき:多分そうですね。

やすやす:正しい独裁政権像だね。こないだ亡くなったけどチャベス大統領なんかは、一応あそこは民法はあるもんね。あるけど無茶を放送するから、免許を剥奪するのしないのとごたごたはしてましたけどね。

おおたに:あのあとどうなるんでしょうね?

やすやす:あそこも見どころですよね。今日あたり、この後のクジでベネズエラ出ませんかね? 密かに期待してますけどね。

人類最古の石器はエリトリア近辺で発見された

おおたに:あ、クジのことすっかり忘れてた(笑)、まだ授業時間ありますか?

やすやす:ありますよ。

おおたに:じゃあちょっとスエズ運河以前のこと、今日お話した以前のことをちょっと調べてみたんですけど……。

やすやす:一番初め何でしたっけ?

おおたに:1880年代イタリアがスエズ運河にやってきた時にエリトリアという名前が初めて使われたというところからですね。実はこの地域では、200万年以上前の人類最古の石器が発見されているんですよ。

やすやす:ルーシーはエチオピア辺りだと言われてましたもんね。

おおたに:叩きつけて割ったような打製石器のちょっと尖ったところと、それが傷つけた動物の骨が見つかったので、道具として使ったのだろうということらしいです。200万年前ってむちゃくちゃ古いですからね(笑)。

やすやす:さすがのおおたに先生も生まれてませんね。

おおたに:生まれてませんね。その次に見つかったのが「アブドゥールの石器」というのが12.5万年前。

やすやす:180万年くらい空白じゃないですか。

おおたに:わかんないんでしょうね。

やすやす:なんかよくありますよね、古代史とかでも、空白の、なんて言うのか名前を忘れてしまったんですけど、時間が飛んでることがあるらしいですよね。その間のものが何も発見されないっていうね。

おおたに:ミッシングリンクじゃないですか? 文化の伝わってる途中がないっていうやつですよね。必ずどっかにあるはずだと。

やすやす:そうそう。ミッシングリンク。あと、ダーウィンの進化論でも言われますよね。途中の形態の動物がいないのはなぜかっていう。進化論があるとすれば、鼻の長い象と鼻の七分丈のやつと半袖がいるはずなのに、十分袖しかいないと。なぜ間のやつがいないのかと。

おおたに:現代でってことですか? 昔はいたわけですよね。

やすやす:いや、想像ではでしょ。

おおたに:きっとだんだん長くなってきたわけでしょう? だからそのうち腕が長い人間が出てくるかもしれないですね。

やすやす:だから、だんだん長くなるはずでしょ? 長い人間が出てくるんじゃなくて。

おおたに:そうですね。別に1人じゃないですからね。

やすやす:それに近いなって思いますけどね。200万年前ってロマンがありますよね。

オペラ「アイーダ」の舞台でもあるエチオピア

おおたに:石器だけじゃなくてちょっとわかってきたのが、紀元前1000年頃にエチオピアがエジプトを占領したとかね。地域的な話で、エリトリアじゃないんですけど。エチオピア人が第25王朝を作ったと。その頃の話を元にしたのが、オペラやミュージカルの「アイーダ」。エチオピアの王女とエジプトの次期王様の話ですね。オペラはスエズ運河完成記念に作られたんだそうです。

まき:「アイーダ」ってエジプトの話でしたっけ? 観たことあります。

やすやす:あれ3000年も前の話なんだ。

おおたに:もちろんそれを元にして作った話ですけどね。事実じゃないですけどね。エジプトとエチオピアでこういうことがあっただろうなということを元に作ったフィクションですよ。エジプトに奴隷として捕まっている女の人が、実はエチオピアの王女アイーダで、次に王様になる将校と恋に落ちるという話です。そういう状況でどっちを取ろうという話ですよね。

やすやす:へー、観たことないからな。でもこうやってエチオピアとかエリトリアについて知ったがゆえに、ちょっと興味が湧いてきますね。

まき:確か、その台本を書いた人がフランスのエジプト考古学者なんですよね。そういう話を聞いたことがあります。だから、ものすごく忠実ではないんでしょうけど、そこそこ忠実なところも出てくるんですかね?

おおたに:状況としてはまったく合っていて、そういうことがあっても全然不思議じゃないだろうなって感じなんじゃないですか。そんな細かい、色恋の話が書かれたものしか残っていないという話でしょうね。

その後は、アドゥライト時代とか、海洋貿易をやっていた都市国家があったのが紀元前9世紀から紀元後5世紀とかね。その辺はチラチラと行きますけども(笑)。

その後、アクスム王国というのが、今のエリトリアと対岸のイエメンの辺り、海に近いところを牛耳って1000年くらい栄えていたとかね。あとは順番に、ベジャ王国時代、バハレ・ネガシュ時代、15世紀からオスマントルコが攻めてきて19世紀までオスマントルコに支配されていた時代だそうです。

その後に、エジプトが支配して、さっきのイタリアが出てきたところに繋がってくるわけですね。だから、最初は国の名前もよく知らなかったんですけども、調べてみたら地域としては歴史があるすごいところだなと思いました。

人類発祥の地としてのアフリカに思いを馳せる

やすやす:人類発祥の地とされているわけですしね。

おおたに:ミトコンドリア・イブが通った道があの辺ですよね。人間の遺伝子をたどっていくと、すべてはアフリカの同じ形の遺伝子を持った女性たちにたどり着くという話ですね。

やすやす:それがさっき話したルーシーじゃなかったかな、多分?

おおたに:それは見つかった骨……? あ、そうか、そうかもしれない。で、けっこう長い間アフリカに留まっていたんだけど、アフリカ大陸から脱出したのがちょうどエリトリアの辺りですよ。ここから対岸に渡って、そこからエジプトのほうに逆に戻ってきた。そして北アフリカに回っていくという。

遺伝子から調べていくと、人類の祖先が渡った道がまさにここですね。まあ、誰も見てないからわかんないですけど(笑)。ということで、今日の授業終わりにしたと思うんですが、いかがでしょうか?

やすやす:よかったんじゃないですか。人間の起源まで遡れるわけですから。アフリカ大陸ってすごいなって思います。アフリカを旅行してみて、偏見も入っているけど、やっぱり人間としての強さみたいなものってアフリカ人はすごく持ってて、この人たちだったら人類を繁栄させれたんだろうなと思う。

世界中が全員僕だったら繁栄できないと思うのね。僕だとシマウマとかにやられちゃうから。やっぱりアフリカ人のあの強さが、人類の繁栄に一役買ってるんだろうなと思いましたね。そもそもアフリカ人と日本人は作りが違うと思った。

おおたに:さっきのミトコンドリア・イブからいくと、ネアンデルタール人とかヨーロッパにいたけど、結局絶滅したのか、途中で吸収されたのかということになるのかな。

やすやす:そうですね。他の原人系とかも全部いなくなっているわけですからね。すごい遺伝子を我々は引いているはずなんでしょうね。

おおたに:はずですね(笑)。少なくとも、ミトコンドリアの遺伝子は引いているはず。男性のほうがネアンデルタールかもしれないけど。それは調べられないんでわかんないですけどね。

やすやす:そうですね。

(授業終了のチャイムの音)

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!