2024.10.01
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ドラクエ&FFシリーズ作品レビュー(全1記事)
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1988年発売。社会現象化するほどの人気を博した大ブレイク作。「ロト三部作」の最終作でもある。自由なキャラメイク、転職システムが導入され、大きな話題を呼んだ。また、実は主人公こそが1、2で伝説の人物扱いされていた勇者ロトだったと発覚するラストは全プレイヤーに衝撃を与える。また、『ドラクエ』のメディアミックスは本作から開始された。(FC 1988年2月10日)
【8点】井上明人日本で「RPG」と言われたときにもっともシンプルに連想される原型となった。初期『ドラクエ』で目指されていたことが達成された成果でもある。プロフィール欄に「好きなアニメ:ラピュタ」「好きなゲーム:ドラクエⅢ」「好きなマンガ:スラムダンク」と書いている人がいても、どういう人格なのか、ほとんど想像がつかない。そういうものだとしか言いようがない。
【6点】青木摩周カスタマイズ性の高いキャラクター育成システムと壮大な歴史を描き出したストーリーにより、ファミコンRPGを「RPGの入門編」の地位から脱却させた歴史的傑作……ではあるのだが、壮大であるが故にいまひとつ感情移入できなかった。作り手もプレイヤーも手探りの中で紡がれてきた「冒険」がひとつの「伝説」へと昇華する本作は、良くも悪くも時代の転換点と言える。
【7点】中川大地自由なキャラメイキングは、「自分の物語」を思い描くための絵筆としては待望の要素だったはずだが、勇者の父子物語に対する添え物に留まり、また「他者」感もないので、結果としてそれまでより遠い印象になった。ただし昭和の最後にキャッチアップを終え、伝説を締めくくった時代との共振はさすが。要はこのとき『ドラクエ』は「国民のもの」になったのである。
1992年、プラットホームをSFCに移してリリースされた初の『ドラクエ』。モンスターを仲間に加えるシステムと親子三世代にわたって描かれる壮大な物語が特徴。とりわけ、「嫁選び」イベントは多くのファンの頭を悩ませ、いまだに嫁論争がファンの間で繰り広げられるほど。プレイヤーの心にトラウマを残したという点では、歴代随一の求心力を持つタイトルである。(SFC 1992年9月27日)
【9点】井上明人ドラクエが二度目に迎えた頂点。複層的な視点の設定。成長システムと物語構造の相乗効果、選択におけるジレンマetc…。RPGというジャンルがもつ特性と相性のいいストーリーテリングの手法として現在まで考えられていることの多くは、この作品でほとんど盛り込まれてしまった。これ以後、ある種の和製RPGでは新しくやることがなくなってしまった。
【6点】青木摩周『Ⅳ』のAI戦闘システムはプレイヤーとキャラクターの関係性を再構築しようとする野心的な試みだったが、それが時期尚早すぎて不評だったせいか、本作はかなり保守的な作りになっている。新味はモンスターを仲間にできることだが、おかげでモンスターが完全に「おそろしい」存在ではなくなってしまった感じがして、どうにも違和感を覚えた。ちなみに私はビアンカ派です。
【7点】中川大地『Ⅲ』における勇者の血脈のモチーフを発展させ、家族や小さな社会の物語としての、またJ-RPGとしての『ドラクエ』のアイデンティティを確立した作品。家族の最も幸せな年月を奪われる辛さや伴侶を選ぶ決断の重さなど、『Ⅰ』~『Ⅲ』の伝説時代のように、子供がいかなる自由な想像力の羽を羽ばたかせようと決して味わえない体験性を伝えてみせた点が、偉大。
2009年、日本全国に『ドラクエ』フィーバーを引き起こした作品。プラットホームは携帯ハードのニンテンドーDSに。ゲーム本編は短めだが、クリア後の配信シナリオや通信プレー、すれちがい通信など、携帯ハードならではの遊び心あふれるシステムが大いに受けたのは記憶に新しい。その結果、売上本数はシリーズ最多の415万本を記録した。(DS 2009年7月11日)
【6点】井上明人『ドラクエ』という名前で発売された通信ゲーム。…などというと「『ドラクエ』なるもの」を特権化しすぎだろうが、前作にも増して本編でのRPGそのものに対する問題意識がキレイに消滅。一方、通信ゲームとして前代未聞の現象を引き起こしたことは確かで、ここにこそ未来があるのだ、と言い張れば、これが未来になるのかもしれない。まだ、あまり食指は動かないが。
【5点】濱野智史DSで中途半端にネトゲ化された本作。その結果としてキャラメイキングが導入され、仲間との「はなす」システムは割愛されざるを得ず、よって『Ⅳ』以降培われてきたキャラの強度はいっきに希薄化。しかし「すれ違い通信」のシステムによって、「まさゆき(の地図)」という強力なキャラ名が生成されたのは、日本のゲーム史に残る事件として永遠に記憶されることだろう。
【7点】中川大地主人公の先達との関係性や、自由なキャラメイキング要素等、スタンドアローン部分では『Ⅲ』の継承をはかったフシが感じられる。そしてJ-RPG的なシナリオを済ませた後、改めて「自分の物語」が遊べるようになるという構成には、なんとなく何かが「帰ってきてくれた」感が感じられた。一方で、過去作のキャラクターをデータベース利用していくなら、もう一工夫ひねりが欲しい。
1991年発売のシリーズ初のSFC用タイトル。暗黒剣士セシルは、血塗られた己の宿命を乗り越えて聖騎士へと覚醒し世界を救う。ハードの拡大縮小機能を生かした遠近表現や、細かい動作でキャラの感情描写をするなど本作からさらにドラマ演出に拍車がかかる。また、リアルタイムに展開するアクティブ・タイム・バトル・システムが初登場。とにかくキャラが死ぬ。(SFC 1991年7月19日)
【7点】井上明人『FF』の奇形進化第二弾であり、90年代前半「『FF』黄金時代」の第一弾でもある。寺田憲史とナーシャ・ジベリが離脱した初のSFCタイトルでもある。演出が多くなり『FF』Ⅶに至る分岐はここからスタートを切るが、小中学生ユーザーに限って言えば、この変更は絶大に支持され、大半の小中学生ユーザーにとっては歴史の創世に立ち会うような幸せな経験の範囲たりえていた。
【10点】濱野智史前作とはうってかわって、キャラ設定も演出も過剰な本作。偶数作は「ストーリーの『FF』」の法則を確立した。洗脳と脱洗脳とが相次ぎ、善玉と悪玉とがめまぐるしく反転するストーリー展開は、終盤のゴルベーザの名セリフ「いいですとも!」で頂点に達し、後の二次創作の巨大な源泉に。そして本作の地位は、ゲーム実況の金字塔「ゆとり『FF』」の登場で不動のものとなった。
【8点】中川大地『ドラクエⅢ』によって日本のRPGが目指してきた海外RPGを範とする進歩の方向性にひとまずの終着が訪れたのち、「他人の物語」を追体験する媒体としてのJ−RPGの方向性をはっきりと示したマイルストーン的作品。また、サントラで初めてケルト系のアレンジアルバムが出たため、ゲームミュージックに「幻想浮遊系」的なメンタリティが大きく流入したことも重要。
1997年、任天堂と袂を分かったスクウェアがPSで発売。現在の和製RPGの基本フォーマットを確立した記念碑的作品。また、野村哲也によるアニメ文化を下敷きにしたキャラも魅力的。彼らが本当の自分を探して個人とセカイの狭間で物語を紡ぐ。現在もスピンアウトが作られる程のヒット作であり、90年代オタクカルチャーを語る上で外せない重要タイトル。(PS 1997年1月31日)
【7点】井上明人様々な意味で90年代後半のもっとも象徴的な分岐点。出来映えには数多くの難点がありながらも、多くの波紋も投げかけ、97年当時はこれこそが未来へと続く道なのだという高揚感に満ちあふれていた。同時代にこの高揚感をⅦ以上に醸すことができたタイトルは他にない。本作への不評がファン離れではなく「アンチ」という捻れた受容形態となったのはそれゆえか。
【8点】青木摩周いささか中だるみ感のある構成や長すぎる召喚獣のムービーなど、いろいろ歪んだ部分の多い作品ではある。しかしそれでも強く心に残る作品になり得ているのは、SF的なまでに壮大な戦いを、あくまでそれぞれの人物の個人的な物語から遊離させまいとするところから生じる緊張感だ。ことに主人公クラウドの造形はやはり出色で、今なおキャラ人気が高いのもうなずける。
【9点】中川大地機械文明と自然の生命力の相克という『Ⅵ』での世界観上のモチーフを継承・発展させつつ、明らかに前作の反省をふまえた主人公クラウドに焦点を絞ったシナリオで、まがりなりにも時代と共振するテーマをゲームなりの方法論で描ききった点は立派。特に記憶喪失をめぐる展開やセフィロスに操られる際の操作感など、「他人の物語」への寄り添わせ方は大きく向上している。
2009年、PS3にて発売された現時点での最新タイトル。過酷な運命に取り込まれてしまった若者たちが、いかに生きる意味を見出していくのかが描かれるサイバーパンク風RPG。緻密な戦略が要求される戦闘シーンへの評価は極めて高い。しかし、フィールドが一本道と揶揄されることも多く、現在も物議をかもしだしている。スピンアウト作品が複数タイトル控えている。(PS3・2009年12月17日)
【5点】井上明人「超大作となりすぎてしまった『FF』プロジェクト」の現在を象徴する作品。戦闘、ムービー、シナリオそれぞれの開発チームの仕事が玉石混合。戦闘チームなど玉の部分だけ拾えば楽しめる、というちぐはぐさに拍車がかかった。ここから未来は見えない。本作が勝負を挑めているものがあるとすれば、たぶん映画『キャシャーン』とかだと思う。ある意味では勝っている。
【6点】青木摩周アクションRPGが主流となりつつある中、コマンド式戦闘にこだわりつつも新機軸を示したオプティマシステムは秀逸。『ドラクエⅣ』がなし得なかったブレイクスルーを果たしたと言える。近年のアメリカTVドラマのスタイルを参考にしたと思われるストーリー構成も、中盤まではいい。だが途中で力尽きたのか、第11章以降があまりに単調すぎ、クリアにはかなりの忍耐を要する。
【7点】有田シュンすげえリアルなCGにビビる。毛穴まで作り混んでいるのには参った。しかし、そんなリアルなキャラなのに服装はいっつも一緒だし、どんなに無茶なアクションをしても傷一つつかない。リアルとバーチャルの狭間で戸惑う僕らはどうすればいいの? とはいいつつも、戦闘と育成の面白さはシリーズ随一。一瞬でも気を抜けば即全滅の鬼仕様にゲーマー魂が思わず燃える。そんなちぐはぐさが惜しい超大作。
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