2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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茂木:DaiGoにしても上手いよねぇ。あのフォークのやつとか俺何回も静止して見てんだけどわかんないもん。で、YouTube上にね、ネタバレみたいのがあったんだけど、それが画質が悪くてよくわかんないんだよね(笑)。
だからいまだに正直代表作の1つという、フォークがこうなる(曲がる)やつ、わかんない俺。
DaiGo:あれは見せ方的な部分ですからね。
茂木:いや、俺が物理屋として推定してんのは「瞬時に力加えて曲げてんだろう」とは思うんだよ。いや例えばだから、わかんないけどこうやって(両手を前にかざしてフォークを折る動作)瞬時に曲げてんだけどそれをすごくほとんど気付かれないで曲げて、で手のひらにやって(乗せて)「ほら、だんだん曲がってきましたよ」って視覚的な。
本当は最初から曲がってんだけど、徐々に曲がってるような気がすんだけど。例えば4つのフォークの歯がこう一瞬で(互い違いに)なるのもその理屈でいうと持ってる時になんらかの力を加えて瞬時に変形させて、で、こうやって(フォークを持った手を)振って「ほら」って言った時にはじめて曲がったように。
振ってる間に曲がったように見えんだけど実はその前に曲がってるはずだ。とか思うんだけどこうやって喋っててもなんかつまんねえな、と思うし……。
あともしそうだとしても瞬時に力を加えるあの技はすごいと思うし。
DaiGo:あれはちょうど、茂木先生とお会いした後だったと思うんですけど、東北大の金属材料研究所に僕が呼ばれて行ったことがあって。普通にゲストだったんですけど、やったんですよ。フォークとかいろいろ。
そしたら最初は学生が集まってたんですけど、気付いたら教授に囲まれてて議論が始まってました(笑)。
「私は金属の剪断の研究しているものだが……」みたいなところから入って「ステンレスのヤング率がどうのこうの……」ってずっと言ってたんですけど、僕は見せながら「フォーク曲がるからすごいでしょ」じゃなくて曲がった時の人の反応を見るのがすごい好きなんですよね。
一般の人はここ(自分自身を示す)を聞いてくるんですよ。
茂木:ん?
DaiGo:僕に対して。フォークマジックを見せると僕に聞いてくるんですよ。ところが教授のおもしろいところは僕に聞くのは多分プライドが許さないのかわからないんですけど、聞かないんですよ。
だからお互いに議論が始まるんですよ。勝手に。(笑)ちょっと見てておもしろかったです。「ああこんな心理の違いがあるんだなぁ」っていうのは。
茂木:いやー、俺すごいと思うよ。だからやっぱりDaiGoの人気の秘密って。やっぱりすごいんだよ、テクニック。
あのね変な話、僕、すべての天才の中で宗教的天才が一番出にくいって思ってんだけど。ここでDaiGoちゃんに問題です。
キリストとかすごくいいこと言ったじゃない。隣人に対する愛とかさ。あと例えばブッダもさ、いろいろいいこと言ったじゃん。ところで宗教を起こすために絶対必要な条件ってなんだと思います?
DaiGo:うー ん……宗教を起こすために……。ま、そうですね結構宗教的な部分でいうんだったら、人の心を動かすっていうところでいうとメンタリストは確かに専門的な部分はあるんですけど。
基本的にいかにカリスマというか、特殊能力を作るかというところだとやっぱりメンタリストがやってる。メンタリストは最初に奇跡を見せると。
茂木:さすが。そこなんですよ。俺ね、いろいろ考えてて。だって例えばさ、俺も脳科学者として生きる上でこういう心掛けの方がいいよ、たとえば「根拠がない自信とそれを裏付ける努力が大事だよ」。
こういうことをよく言うんだけど、これだと宗教興せないんですよ。やっぱり宗教の教祖って調べると全員が例外なく奇跡を起こしてるのよ。だからこれが絶対条件。
だって俺こんなすごい合理的な人間だけど、もし目の前に俺がどう考えてもこれは科学的に説明できないようなことを易々とやっちゃうような人がいたら、俺ひょっとしたらそいつについていくかもしれないもん。
やっぱり宗教って奇跡を起こすことが最低限って感じがするんです。教祖様はね。だからそういうのにおいてはメンタリストがやってることって、宗教の起源とかいうのにも関わってくるよね。
DaiGo:結構近いと思いますね。メンタリストがやることは3段階あって、最初に奇跡を起こして人の心を掴む、と。奇跡を目の当たりにしてそれを理解できないと人の批判的思考って止まっちゃうんですよね。
つまり話を聞きやすくなったりとか、あとはリアクションが出やすくなりますよね、奇跡を見ると。
だから最初に驚かして奇跡を見せ、表情が出やすくなったところから心を読み、そして非暗示性が高まったところでいわゆる宗教でいうところの「教義」つまり暗示を入れて相手をコントロールする。
っていうのが基本的なメンタリストの流れですね。
茂木:ああ。だからボッシュかなんかでやりますよね。宗教家が当時、目の前のケースかなんかでいろいろやってて、それをこうやって(身を乗り出しながら)素朴な民衆の女の人が覗いてる有名な絵があるんですけど。やっぱり基本的に宗教って、例えばキリストの聖遺物なんかもそうですよね。「キリストの遺体を包んでた布がこれだ」みたいな。ああいうのもそうだけど
DaiGo:槍とかですね。ロンギヌスの槍とかですね(笑)
茂木:あと仏舎利とかさ。あと聖杯! キリストの血を受けた盃を求める、なんかもそうなんだけど基本的に宗教って最初に奇跡があるなぁと思って……。
あと例えば国家なんかもそうですよね。なんで通貨なんて信じてるんだよっていうと、わかんないじゃん(笑)。
DaiGo:(笑)。そうですね、結構……。
茂木:なんだよそれーって(笑)。冷静に考えると変だよね。
DaiGo: あれ自体ただの紙ですからね。
茂木:だよね! 最近なんかすげーおもしろい話があって「ビットコイン」というのがあって。ビットコインって1万2千単位でしかないんだけど、それが突然日本人の書いた論文がネット上に「ビットコインという新しい通貨を作る方法」っていうのが出て、それが匿名っていうか偽名なのよ。
日本人によるその英語の論文の。それがすごく賢くて。普通1万2千単位しか発行できないっていうと、1番簡単なのは中央のCPUがあってそこに問い合わせして、そこで認証するって方法なんだけど、そのビットコインはP to Pで分散処理してしかもトータルが必ず同じになるように偽造できないようになってんだけど。
DaiGo:すごいですよね、でもそれって(笑)。
茂木:それがローカルにある計算をさせて全体がコンシステントになんないと認証されないようになってて、、全体がコンシステントになるためにはものすごく、要するに今の計算機パワーをもってしても不可能なぐらいの複雑な計算をしないといけないから、事実上ハッカーとかの攻撃に対してビットコインの神聖さというか。
DaiGo:ま、改変されにくさというか。
茂木:保障されてるっていう仕組みで。これがですねなんとある噂によるとテッド・ネルソンという人が流してるんですけど、望月新一っていう京都大学のABC予想っていう数学の難問を解いたちょっと天才……ていうか頭がおかしい人がいるんですよ。
DaiGo:あああ! はいはい!(笑)。
茂木:望月新一がそのビットコインの論文を書いたんじゃないかって、今、噂が流れてんのね。実は望月新一らしいと。で、その望月新一っていうのはABC予想の問題を解いたときっていうのがネット上にいきなり出したんだけど、京都大学の教授なのに「Shinichi Mochizuki」としか書いてなくて「京都大学」とか(書いてない)。
DaiGo:ああ! 肩書き書かなかったってことね!
茂木:なんっにも書かなかった! すーげーおもしろい興味深い男なんですけれども。でもそのビットコインも今の話しただけでもすごい不思議じゃん。なんでトータルが1万2千に保たれてんのかとか。
なんか貨幣とかの起源って神秘性があるっていうか、なんか金と同じなんだって。金もほら、トータルってなんか変わんないじゃない?埋蔵量があるけど、それと同じようにビットコインもなんか「人工的に金作った」みたいな。
DaiGo:うーん、なるほどなるほど。総量は変わらない、みたいな。
茂木:そうそう(笑)。なーんか人が信じてるものの背後には、なんかすごく(神秘性がある)。それ(ビットコイン)の場合なら数学が神秘を作ってるんだけど
DaiGo:一種の普遍的な尺度に落とし込んでるのかもしれないですね。金の埋蔵量が一定とか。数学的、あるいは物理的な原理も、まあ一定は一定じゃないですか、基本的には。だからそういうところに元々人間って安定性をやっぱり求めるところがあるので。
宗教はどちらかというと精神的安定の部分じゃないですか。だからそういうのはあるのかなあ、と思いますけどね。
茂木:DaiGoさん、メンタリストやってていろいろ批判されたりもした?
DaiGo:あー、しました。しました。
茂木:え、どういう人に批判されんの?
DaiGo:いや、いろんな人にされますけど……。でも僕はすごく批判はむしろ好意的なふうに受け取れますね。例えばネットの批判だったら……。
茂木:どういうこといってたんですか?
DaiGo:結構すごいですよ。たぶんたくさん(茂木さんも)TV番組とか出られてるので(状況がわかると思うんですが)……。例えば携帯つけてると怒られるじゃないですか、音声さんとかに。
電波見てるから。で、なんか僕の耳の中に小型マイクみたいなの(が入ってるからだったのだが)。中国でカンニングの話題が出た時にあれ、DaiGo使ってるんじゃないか、って言われたりしたことはありましたけどね(笑)。
耳にその通信機(小型マイク)が入ってるから(そこからスタッフが)教えてるんじゃないかって。
茂木:(手を打って)それ見たけどさあ、俺、あれYouTubeで見たよ。あのペンの色当てるやつあるじゃん。
DaiGo:ああ! はいはいはいはい!
茂木:俺も合理的に説明をしようとすると思ったら、何らかの方法で通信されてるって説明するのが1番簡単かなあと思ったから。それはなんか耳の携帯マイクか、なんかわかんないけど。
でもそれ批判なの? だって例えば、わかんないけど耳の携帯マイクを使っていたとしてもそれがわかんないくらいの、なんか演出やってたらそれはすごいことなんじゃない?
DaiGo:実際僕いつも色を当ててるように見えてるんですけどTVではカットされますけど、実際は取った色から性格を当ててるんですよ、あれ本当は。
「あなた多分こうでこうでこういうタイプだから恐らく青は取らないと思うんですけど、そうすると残ってるのが赤と緑で、ちょうどお話しした時に僕は緑のお話をずっとたくさんしてましたから、あなたは緑はかなり取りにくいはず。だからあなたが選んだのは赤じゃないですか?」って言って当たると。
その思考のプロセスを当ててるんですよね。実際に「所さんのメガテン」って番組で実験したんですけど、赤・青・あと黄色のペンを並べた時に普通は数学的にみたら大抵33%ずつ選ぶ確率だって思うはずなんです。
けど人間はすべからく不合理にできていて、実はあるペンを選ぶ確率が70%以上あるんですよ。だからそのやり方だけ知っていればスタッフさんがやっても7割以上の確率で当てられる。
茂木:でもさあ外れた時どうするってこと? 再転、テイクしないってこと?
DaiGo:テレビの場合だとカットされることも多いんですけど、でも僕がメンタリストとして一番やりたかったことは「失敗を放送する」ってことをやりたかったんですよ。
今の視聴者は、特にメンタリストの場合だと完全なパフォーマンスを見せる必要はまったくないんですよ。結果、人の心が動けばいいので。
だから僕は失敗を見せたかったんです。そうすると今はみんなTVだとかを「作りものだ」とか、外から入ってくる情報に対して「ホントはどうなの?」っていう猜疑心が先に働くので、その心理的なリアクタンスを、抵抗を取るために失敗するところを見せることによって「本物なんだ」とリアリティを感じることができるっていうのはやりたかったんですよねえ。
だからメンタリストから見ると成功したら奇跡になります。失敗したらリアリティになります。どちらに転んでも自分のプラスになるように一応あれは構造的に作られてるんですね(笑)。
茂木:うまいこと言うね(笑)。
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