2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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及川紀子氏(以下、及川):私カメラが好きなんですけど、私が子供の頃って3Dがすごいみたいな時代で、今本当に3Dのテレビとかが出て、結構持て余してる感があるなと思って持ってきたのが、リコーのTHETAっていうカメラなんですけど。
これ、本当に360度撮れるんですね。もうなんていうんだろう、本当にどうしていいのか分からないじゃないですか。だって普通は写真って、こう絵を決めてカシャって撮るじゃないですか。だけど、これってパシャってやったら全部が写っちゃうから。
池澤あやか氏(以下、池澤):隠したいところもだよね。
及川:そうなんですよ。これで動画が撮れてっていうのが新しいやつなんです。これは動画なんですけど、今までは写真で、写真も持て余してたにも関わらず、動画も出たってことで、更に持て余すことこの上ないっていうか、この写真、飛行機。
私、寝不足でちょっと死んだような顔してますけど、飛行機で、なんじゃこりゃみたいな感じの、こういう絵が撮れるんです。
西村真里子氏(以下、西村):これは自分で持ちながら?
及川:持ってます。
西村:これは何、これは?
及川:私ホラー映画が好きなんですけど、『悪魔の生贄』に出てくる殺人鬼のレザーフェイスっていう(笑)。
こういうの、なんか面白いなと思って。ヒーラーだけしか存在しない世界っていうのを作るといいんじゃないかと思っていて、持て余してるので、どうしたらいいかっていう。こういう感じで、この2人が旅に来たって。人が本当にいないんです。
西村:なんかシュールだな。
森永真弓氏(以下、森永):ダンボーがいた。
及川:そうです。これは写真なんですけど。
三枝孝臣氏(以下、三枝):これは1回パシャってやるとこれだけ撮れると。
及川:例えば今ここで撮ると、全員写るんですけど。これをiPhoneのアプリとかもあって、それに接続すると、見ることができるんですけど、写り方が本当に面白くて。これでどう遊んだらいいと思うかっていうことを教えて欲しいんですよね。
池澤:昨日、ハッカソンの審査員をやったんですけど、その時に出た作品でまさにそれを使った作品があって、議事録を取るときに使ってました。
会議って円テーブルとかでするじゃないですか、なのでその真ん中に置いて、顔認識させて、議事録を取るときに口が動いた人を発言した人と認識して、そこで取れた音声をその人の発言として文字起こししてくれるみたいなのを、作品にしている人がいました。
及川:コマ撮りとかを撮りたいなって私は思って、箱の中に頭だけ入れて、その箱の中だけを色々組み替えてって、やるっていうのが面白いのかなって思ったりしているんですけど。
森永:知り合いがお祭りを撮ってて、人がぐちゃーっている感じの賑わい感とか出てました。
池澤:でも、今出力する環境が平面じゃないですか。だから……。
森永:プラネタリウムみたいな。
池澤:そうです。そういう環境で出力するものが少なくて、自分で頑張ってプロジェクターを配置すればいけるんですけど、すごい手間がかかる感じ。そういうプラネタリウム的なものが。
森永:貸しプラネタリウムとか。
西村:いいね。
(一同笑)
及川:いいですね、この傍観者たちがすばらしいですね。
三枝:傍観感がね(笑)。
西村:おかしい(笑)。
及川:完全に写らないと思ってるこの感じが、すごい面白いですね(笑)。
森永:祭りとかの写真もわりと、ガッと撮れる感じがいいんですよね。
及川:保管しておきましょうね(笑)。
(一同笑)
西村:私は結構ダイビングとかするんで、これが耐水になって水中で使えたり、耐圧とかになってくれたら、海の中に入れない人がいたりとかするので、そういう人たちとかも面白いのかなって。
こういう360度カメラが、鏡の代わりになればいいのに。今のカメラって平面で、鏡も平面で。でも人は立体として認識してるじゃないですか。だからこういうので、鏡代わりに自分が立体的に見えたりとかなんかすれば。
池澤:自分が立体的に見える?
西村:第三者視点で。
及川:ちょっと怖い(笑)。なんか不気味な感じになりそう。
西村:自分がいて、何か撮って、今は鏡って平面だけど、どういう形かわからないけども、ちゃんとそれを第三者視点で見れるような。なんていうのかな。
池澤:それは自分の視点をハックしなくちゃいけないから、例えばヘッドマウントディスプレイとかちゃんとつけて、カメラをこう移動させるとか。
森永:目の前にホログラム映像鏡みたいなのがボンと出て、それをまわす感じですかね。
森永:でも私は、後ろ側をときどき鏡で見たいですけどね。
(一同笑)
灰色ハイジ氏(以下、ハイジ):反面鏡ならぬ、立体鏡。
三枝:確かに美容院とか行くと、「後ろどうですか」ってこうやって見せてくれるじゃないですか。それに対して全部一気にみせてくれるみたいなね。
及川:美容師さんの視界を転送してもらうっていうのは。
池澤:それこそヘッドマウントディスプレイだと思うんですけど。
森永:女性はあまり関係ないですけど、脳天とか、男の人って意外に見ようと思っても、見られないじゃないですか。誰かと挨拶してるシーンを写真に撮られて「俺こんなに……」みたいなのを聞いたりすると、そういうのがあると常時確認できる(笑)。
西村:そうですよね。
池澤:今レンズと、カメラの役割をするレンズと確認する画面が離れてるやつあるじゃないですか、ソニーから出てる。
西村:そんなのあるんだね。
池澤:レンズカメラみたいなやつ。
西村:そういう鏡も新しくなって欲しいな。
三枝:そういう意味で言ったら、昔はディズニーランドとかに行かないと全体の大型の映像って見られなかったじゃないですか、すごいお金もかかったし。それがこういうのでできると、世界旅行的な映像とかが簡単にみれるようになってね。
及川:これ今、旅行会社に渡してたりして、行く前に旅行会社の人たちが撮ってくれたやつをばーっと見て、こういうとこなんだっていって、行く場所を決めるみたいなところもあったりとか。
あと不動産屋さん。「晴れてるとこうです」みたいな、曇天の日とかに部屋の内覧だと景色がわからないんで。そういう使われ方っていうのはあるんですけど、もうちょっと遊びに使えないかなっていうのすごく思ったりとかしてるんですけど、難しいなっていう。
三枝:もうちょっと楽しめることがね。
及川:そうなんですよ、みんなやっぱ撮って終わっちゃうっていう人が多かったりして。
池澤:将来的にテレビとか、テレビも平面じゃないですか。立体になるのかならないのかみたいなお話を聞きたいなと思って。
森永:私、4K/8Kテレビのテスト映像を見たときに、びっくりしました。普通のアナログからハイビジョンになったときは綺麗だなって思っただけだったんですけど、人にもよるのかもしれないですけど、8Kとか見たら気配がするなと思ったんですよ。
風が吹いてくる感じとか。質感が綺麗とかじゃなくて、空気がぐわっと来る感じとか、人がいる感じがすごくて。それが3Dで全体になったら旅行に行かないっていう人がでてくるんじゃないかっていうのを真っ先に思ったんです、実は。
西村:8Kじゃないけど、Oculus RIftとかもめっちゃ臨場感あるじゃないですか。この前見た映像は、女の子が踊っていて、紙吹雪がばーってなってるんですけど、それが顔に当たる感覚があって、「あっ」みたいな感じで本当に感じる。臨場感あってすごいなって思ったんだけど。
森永:そういう意味では広告の技術で、ターゲティングで男性だからこれとか、女性だからこれとか当ててくじゃないですか。そうすると私たちはある程度までネットがない状態で大人になって、好みが決まった状態で当てられるからまだ違和感ないですけど、小さいころから男の子だからこれ、女の子だからこれ、中学生くらいはこれって当てられ続けた子供たちは……。
ハイジ:刷り込みみたいな。
森永:すごいターゲティング、マーケティング市場っぽい子になるのか、よくわからないですけど、そうなるのかなと。それはちょっと嫌だな、みたいな。変なものもいっぱいあててほしいというか。
西村:欲がなさすぎるのも嫌だよね。
池澤:でも逆に今までわりとメディアが、私達が育ったときはテレビだったじゃないですか。テレビってわりと12チャンネルまでしかなくて、みんな同じみたいな感じだったのが、自分の趣味嗜好でネットにつながって、もっとコンテンツが増えてみたいなことが起こってるので、逆に多様化するんじゃないかなって思うんですけど。
ハイジ:ターゲティングされたとしても、選択の余地がこちらにはあるっていうことですよね。
三枝:そういう意味で選択肢は広がってはいますよね。
森永:趣味嗜好が逆に決められちゃう。例えばテレビだと、これ好き、これ嫌いっていう反応ができたのが、これ青でしょ青でしょってやられた結果、実は狭まっちゃう可能性も。
ハイジ:ランダムでの出会いが、偶然の出会いが。
森永:テレビ見てて、見たくないものも見ちゃうみたいなのがないから、これが好き以外にこれは嫌いだからこっちのほうがいいみたいな、反発の選択がどうなるのか。考えすぎなだけかもしれないですけど。
三枝:百科事典がDVDになったときに、すぐに飛べるっていうよりも、百科事典って途中にぱらぱらめくってきたときのそのセレンディピティみたいなものがあることで、新しい発見が生まれるっていう。デジタルとアナログだと、やっぱりアナログのほうがそういう可能性があったのかもしれませんね。
森永:好みがはっきりしない小さい時期に、それを与え続けるとどうなるのかなっていう。でも確かに言われたように、むしろ多様化するかもしれないし、どっちなんだろうってすごい不思議に思います。
三枝:確かに受動的なものしかなかった時代と比べて、自分で能動的に探していこうと思うと関係が広がっていくっていう。
池澤:逆に昔でも図書館とか行けば、自分発信で物を探せたから、意外と変わらないんじゃないかなっていう。
西村:知り合いのお子さんがいらっしゃる方なんですけど、子供は野心がなくなってる感じがするって。
三枝:野心?
西村:うん。自分で探さなくても全部あるから、だから野心とか、人のこととか、人っていうか世界平和とか考えないというか。自分の見えてる範囲だけで色んな情報が集まってくるから、外を見ようとしない、野心がない気がして困るんだよねって、お子さんを持っている方がおっしゃってて。
及川:Twitterとかがばーっと広まって、感じることがあって。今までTwitterがなかった時って、芸能人とか政治家とかってすごい遠い存在で、会えない人で、すごい人だっていうのがなんとなく思ってて。
だから偶然道端で会ったときに、「あっ、すごい本物だ」みたいになってたと思うんですけど、今はTwitterとかFacebookとかで気軽にやり取りができたりすることによって、「すごくねーじゃん別に」みたいな。友達じゃないけど、どう扱ってもいい人みたいな感じに思っちゃう人がすごい増えてきたのが、私はすごくあれだなぁと。
西村:目立つ人がいなくなる感じ。
及川:そうなんです。画面の向こう側にいる人間の心を考えられてないっていうか、本当にこの中の世界だけなのか、その人はプライベートでは普通なのかもしれないんですけど、画面を通して向こう側にいるタレントさんだとか、政治家の人たちが、どういう心持ちを持っているかなんて一切考えないで、自分で勝手に思ったこと言っちゃう。
ブスとか、そういうこととか、やめちまえみたいなこと言ったりすることがもうオッケーみたいな感じになっちゃってて。そしたら、例えば怒られたりとかしたら、じゃあこのアカウント捨てちゃおうって言って、次のアカウント作るみたいな。
もうちょっとリテラシー、今はそういう教育も始まってますけど、もうちょっと教育を受けずに大人になっちゃってる人達に対してはどうしていくんだろうって。今子供たちにやったとしても、それはそういう子供が育つと思うんですが、大人でもやっぱりそういう人達って結構いるので。
三枝:確かに。高倉健さんって、全く向こう側でどういう人だったかわからないような人がいた時代と、そうじゃない時代にどんどんなってくると思うんですよね。
及川:だからこれからどんどん普通に当たり前になってくると、色々成立しなくなってくるものがあるなって思って。例えばテレビを見て発言してるって人も、この人であるべきかどうなのかっていうのも問題になってくるのかなって思うことがあって。
最近だと番組の下にTwitterが、言葉が出てきたりとかして、それって、大多数の脳みそをくっつけたようなコメンテーターが1人いるような形じゃないですか、ハッシュタグで参加してる人達は。
じゃあ本当の顔を出して名前出してやってる人達の価値が、今だったら当たり前のところにあるっていうか、今は匿名と実名でっていう瀬戸際っていうか。今ちょうど切り替わるときなのかもしれないけど、匿名っていうのがどんどんどんどん当たり前になっていって、本名で伝えなくてもいいっていう。
例えば私がさっき渡した名刺が本名じゃないかもしれないっていうこととかもどんどん当たり前になってきたときに、じゃあ芸能人っていうのがいる場所っていうのがどんどんなくなっていっちゃったりするのかなって。
池澤:匿名だと、無責任な発言までできるじゃないですか。実名を出すと、それこそあとで批判される可能性とかも生まれてくるから、責任をもった発言しかできないと思うんですね。なので、そこに実名の力があるのかなと私は思います。
及川:それを叩きつぶすわけじゃないですか。
池澤:叩き潰されても負けないみたいな心持ちでいかないと、これからの時代は。
森永:思うのが、TwitterとかFacebookでも、ものすごい政治的というか思想的というか、すごい変な発言をしてる人に限って本当に実名だったりすることがあって。変なことを書いている人ほどちゃんと実名だったりする。
昔の初期の頃って、実名でやってる人はもう身綺麗に、潔白な方で、なんかほかのところは匿名でみたいなことだったのが、実名の人ほどすごい発言をしているっていうネットユーザーがいっぱい出てきているところが。もうなんか自分の中のバランス感がよくわからなくて。実名と匿名がよくわからない。
ハイジ:逆にそういう人達ってネットっていう感覚があまりないのかも。こういうリアルな場で発言することとネットでつぶやくっていうことの境目、認識がないのかなとは思う。
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