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女性クリエイター座談会(全5記事)

ギーク女優・池澤あやか、IoTの魅力は「植物とか金魚と会話できるところ」--女性クリエイター座談会

ウェブとテレビをミックスした新たなメディアプロジェクト『SENSORS (センサーズ)』(日本テレビ)。バスキュール・西村真理子氏、博報堂・森永真弓氏、SIX・灰色ハイジ氏、ギーク女優・池澤あやか氏、ROISSY・及川紀子氏の豪華女性クリエイター陣が語る、IoTの可能性とは?

ドローンの技術を植物に応用

西村真里子氏(以下、西村):今年、Internet of Thingsみたいな感じで、「すべてのものがネットと繋がる」みたいなところがキーワードだったと思うんですけど、それに関係して、ちょっとはまっているものを持ってきました。

これ知ってます? 「FLOWER POWER」っていうやつで、無人飛行のドローンを出しているパロット社のものなんですけど、そこがセンサー技術を持っていて、その技術の応用編を植物にも使っちゃおうというのがこれなんです。

森永真弓氏(以下、森永):「水がないよ」とか出るんですか?

西村:そうそう。土の水分と、光の残量とかを摂っていてくれて。「FLOWER POWER」ってアプリがあるんだけど。

池澤あやか氏(以下、池澤):アプリもあるの?

西村:そうなの! 私はこのアイビーの名前を「IBIZA」にしているんですけど、このIBIZAと私のこのiPhoneがシンクロして、今日はどういう状況なのかというのを見てくれるんですね。

森永:乾いているとか、日光が足りないとか。

西村:まさに。なのでシンクロした後に、今日は水をやらなきゃいけないよとか、日の当たるところにあげてねみたいなこと言われるから、毎朝これを立ち上げて、今日はちょっと水をあげようとか、そういう形で。

森永:なめくじがいたよ、とかも教えてくれるの?

(一同笑)

西村:それなんか新しくできそうな感じ。でもおもしろいのは、ニックネームを付けて、IBIZAっていう名前にすると愛らしくなってくる。よく芽が出てきたなみたいな。

手のかかる植物にセンサーを付けたほうが面白い

及川紀子氏(以下、及川):でも、全然植え替えはしてないんですね(笑)。

(一同笑)

愛があるんだか、ないんだか!(笑) すごいおしゃれと思って覗いたら、全然そのままなんだけど、これ普通は鉢植えとかに(笑)。

西村:バレた(笑)。これはまさに昨日六本木ヒルズで買ってきたやつ(笑)。

及川:じゃあ、命名したて?

西村:そう(笑)。

森永:手のかかる植物とかそういう子に、センサー付けたほうがおもしろそう。サボテンとかの我慢強い子は、きっと毎日反応がなくて、乾いたとか言うやつのほうが、可愛げがあってみたいな(笑)。

及川:何でしたっけ、よくお祝いでもらうやつ。胡蝶蘭だったかな? 胡蝶蘭ってめっちゃ枯れるんですよ。全然私は世話ができない。だから、これ刺しとけばいい。

西村:そう。だからこれって今日だけじゃなくて、明日はなんとかやるべきだよとか言ってくれるからすごい便利というか。

ギーク女優・池澤がつくったIoT的「水槽」とは?

池澤:私、似たようなのを作ったことありますよ。

及川:作ったことあるの?

池澤:ペットとして金魚を飼っているんですけど、水槽を……。

西村:金魚は、何ていう名前なの?

池澤:金魚っていう名前……。

(一同笑)

前の金魚を飼っていたときに、すごい残酷な話になるんですけど、日向に置いてしまって、ちょっとプカーってしちゃった経験があって。これは温度センサーを付けなきゃなって思って、とりあえず自分で温度センサーを取得してTwitterにつぶやくっていうプログラムを書きました。

灰色ハイジ氏(以下、ハイジ):それ、金魚の声なの? 「今、暑い」みたいな?

池澤:ある一定以上の水温になると、「死にそう……」ってつぶやくっていう。

(一同笑)

そういう仕組みだったんですけど、一度プカーってさせちゃってから、日向に置かないようにしたら、全然温度を超えなくなって。これ意味あるのかなって(笑)。

及川:32.1度とかはやばいよね。

池澤:やばかったのかな、じゃあ。

(一同笑)

森永:そこはね、7月5日、34度の日だよ。

池澤:それで、これ意味ないやってなって2012年の7月6日で終えた。

(一同笑)

いちおう3か月続いた、私の取り組みです(笑)。

声なきモノと会話ができる!?

西村:ここのなんか付いているのが、デバイス的なものなの?

池澤:それは、酸素石ですね。

西村:それって、どこに付けてるの?

池澤:それはこの水槽では付けてなくて、かわいいからこの絵にしただけで。もうちょっと水槽は四角型で、そこに細長い、センサーはこれぐらいなんですけど、そのセンサーに線を付けて、細長い箱。線をそのまま投げ入れたみたいな感じの。

西村:でもこういうふうな形で金魚っていうか水温とか、植物と会話できるのってすごい楽しいなと思って。

池澤:そうなんですよ! 言語を発しないものの、心の声を聞くみたいな。そういうのが楽しいですよね。

人体をIoT化したい

三枝孝臣氏(以下、三枝): IoT的なものを使うことで、こんなものがあったらいいなみたいなのが、例えばみなさんの中にあります?

西村:自分自身の中に入れたい。つながりたい。

及川:それすごいわかる!

森永:チップ入れたいタイプなの(笑)。

及川:攻殻機動隊みたいに。結婚式があって、そのときにリストを作らなきゃいけないっていうのがすごく辛くて。首にピッて刺したらエクセルで顔にしてほしい。この人呼ぶ、この人呼ばないみたいのとか。席はこれみたいのを、全部くみ取ってくれて、やってほしいよね。「来いよ、時代!」ってすごい思う。

ハイジ:自分の脈とか。昔からアンドロイドになれたらいいなみたいなことを思っていた。

(一同笑)

要はiPhoneの充電みたいに、あと私2パーセントみたいな。自分が亡くなるときには、それこそTwitterに吐くじゃないけど。

森永:色々やばいことは全部消して、ID消してみたいな。

(一同笑)

池澤:「昇天なう」ってつぶやいたりみたいな(笑)。

赤ちゃんのおしめをウェブにどうつなぐか

池澤:今、Edisonっていう、インターネットにつながる小さいマイコンがIntelから発売されたんですけど、企業だけじゃなくて、個人でもそうやってインターネットにつながるものが、簡単に作れる時代にそろそろ突入してきたんじゃないかなと個人的に思っていて。

西村:IntelのEdisonを使って、赤ちゃんのおしめのところに付けて、それの蒸れとかをちゃんと感知してというのが、もうできているらしくて。でもそれの行きつくところは、自分の人体の近くにIntelが入っているみたいな感じになってくるんじゃないかな。

三枝:そういう意味では、今までウェブにつながらないと、できなかったことが、ウェブにつながることで、新しい使い方ができているっていう感じですね。

池澤:そうですね。しかもそれは個人で使えるっていうのが、私はすごく大きいかなと思っていて。私が水槽を作ったときは、マイコンに実は有線でつないでいたんですよ。なので、有線環境がないと今まではできなかったんですけど、EdisonがあればWi-FiにもBluetoothにもつながるので、熱い時代が到来したなってって思いました。

西村:まさにEdisonとかも、1月のCES(Consumer Electronics Show)で、みんな熱い熱いって言っていて。メーカーもそうだし、個人でもそういったものを作れる感じになってくるでしょうね。

池澤:便利なものからバカなものまで色々、今後出てくるんじゃないかな(笑)。

デジタルに「人間らしさ」が奪われつつある?

森永:私は毎年、6月の末に旅行をするんですよ。その理由は、グリーンカーテンを毎年作っているので、グリーンカーテンを作り始めちゃうと、毎日水をあげなきゃいけないから、出掛けられないんですね。

なので東京の梅雨の時期を狙っていって、もう運頼みです。梅雨の終わっている沖縄とか、そういうところに行って、戻ってきて枯れていなかったら、「勝った!」みたいな(笑)。わりと運を天に任せる感じで、「頑張れ東京の植物!」と思いながら旅行をしているので。

ここのところ3連勝しているんですけど、やっぱり梅雨が来るタイミングが遅いと枯れちゃうので、そうすると色々つなげて様子を見て、「ああ、ちょっと水不足だから水道ひねってあげとこ」っていうのを、遠隔でやりたいなと。

西村:そこまでできたらいいですよね。

森永:そしたら梅雨を気にせず旅行ができる。

ハイジ:餌やりとか、遠隔であげれたりするのもあるけど、水も同じようにできたらね。

三枝:最終的にスマートフォンみたいな感じになっていくんですかね?

及川:なんかそうなってくると、どんどん生きる場所がなくなってきちゃう気がして。例えばおしめにセンサーが付いているとか、本当はお母さんが触ったりとか、ケアすることで気付くべきだったりとか。

植物とかペットもそうなんですけど、自分のキャパ超えてやっているっていうことが、ちょっとどうなんだろうっていうのはすごい心配になっちゃうなっていうところがある。

池澤:でも、わりとすでにキャパ超えていますよね。座ったら勝手に便座が上がるし。もう結構マイコンは入ってて、あとはネットにつながるか否かっていうところにきているので。

森永:ときどき、勝手に水が流れるとは思っていなかった海外の旅行者がトイレで叫んでいたりしますよね(笑)。

(一同笑)

ロボットの普及で、人はクリエイティブに集中できる

西村:この前読んだ記事に書いてあったんだけど、どんどん人間の仕事はロボットに置き換えられるけど、実際に人間がいなくてもロボットとか、コンピュータがやってくれるところをどんどん削いでいくと、もっとクリエイティブにフォーカスできるようになるとか、そういう視点もあるから。

例えばおしめの話でいうと、赤ちゃんを常にチェックするのはもちろんお母さんの愛情だけれども、なんかあったときにはアラートが鳴るから、その分お母さんであっても何かに没頭できるとか。そういう時間の使い方になるのかなっていうふうに、テクノロジー信者としては思いますね。

及川:どうなんだろう。トイレが開くのは、多分障害がある方にはすごく便利だと思いますし、いいと思うんですけど。あんまりにもこう、デジタルになっちゃうのは、ちょっと心配な部分が正直あるなって。デジタルがすごい好きだからこそ、そこはちょっと不安だなって思うところはあるんですよね。

森永:お母さんがおしめを触るとかっていう意味で、最近、近所の病院に行ったら、そこのお医者さんって服を脱がない状態で聴診器をあてるんですよ。別にそんな隠すものでもないから、「脱ぎますよ!」みたいな。

「いや、いいから」って感じで。そのハイテク聴診器には、もう服の音を取り除くノイズキャンセラーが入っていて。その先生は救急病院でたまに勤務をしているから、本当に今、国際化していて、要するに男の人の前で肌を見せられない宗教の方も運ばれてくることがあるから、そういうときのためにそういう聴診器を持っているから、結局自慢したいだけなんだなって(笑)。最終的な結論はそれなんですけど。

及川:それすごい!

三枝:色んな可能性が広がってくるね。

興味、関心で人をつなぐプラットフォーム「note」

ハイジ:今年ハマったモノの1つに「note」を挙げさせてもらったんですけど、今年はすごい「note」が好きで。自分ではそんなに書いてないけれども、色々と見ていて面白いなと思ったのが、自分の興味、関心、趣味で繋がるっていう部分で。

「note」ってSNS的というか、ブログサービスとして位置づけられているんですけど、使ってみるとすごいシンプルにできていて、本当に文字も文字サイズもそんなに変えられないし、色とかも変えられなくて本当に純粋に書くということにフォーカスしたインターフェースになっていて。画像もすごいアップしやすかったりとかして、本当にその作品を載せるっていうことにフォーカスしてある、すごい良いサービスなと思って、個人的にすごいハマっています。

三枝:それはやっぱりコンテンツ自体が、今までプロフェッショナルが出していくとかプラットフォームがないとできなかったものが、こうやってどんどん変わっていくっていうのは、クリエイティブの部分でいうと皆さんにとってはどうですか。

池澤:「note」の面白さってやっぱり課金にあると思っていて。個人で気軽に課金で記事を書いて、「note」でここからが課金ポイントと決めて、自分で値段を決めてというふうにできるのが、一番面白いなと思っています。

森永:全部載っけてしまって、気に入ったら寄付みたいな。投げ銭のように後でお金をあげられる部分もいいかなと思いますね。

ハイジ:前に、「note」の面白い使い方を私のブログでまとめてみたりとかしたんですけど、今言ったみたいな投げ銭スタイルみたいなもの。「無料でも読めるけれど、もし気に入ったら払ってね!」ということだったりとか。

あとファンクラブ的な使い方ですね。要は会員じゃないけれども、「そのコンテンツに課金してくれた人だけに読めますよ」とか。もうすでにファンがついているような人だと、そういう使い方をしていたりとか。

実際に自分でも試してやってみたんですけど、簡単にオンオフというか、有料にしたり無料に戻したりっていう事がすぐできるので。例えば早期購入権みたいな使い方。「普段は300円だけれども、今の期間だけ無料です」みたいなことが、簡単にできたりということが。

雑誌っぽいつくりや、年間購入権にもできる「note」

森永:雑誌っぽい使い方もできて、要はどんどん更新していけるので、1回300円とか払ってもらったら、登録してくれた人にアラートが飛ぶので今月号、何月号とかっていって……。

ハイジ:なるほど。年間購入権に近い。

森永:そう。年間購入権みたいな感じに近いもの買ってもらって、アラートが届くっていう。

ハイジ:「note」が面白いのって今まで物とかだと、1個幾らっていうそこが対になっていたのが、自由に設定出来るというか、続きを読む的な事なんで、どこから有料みたいな設定とかが、自分で決められるっていうのが面白いなと。

森永:やっぱり作家さんとか、漫画家さんとかだと、お互いにお互いの作品を買いあうとかっていうのがあると、私もやっぱり同人誌をコミケ売ってたりと。

そういうところの文化に接触していると、そこでお互いに買いあうっていう小さな経済圏ができるんですけど、そうじゃないと純粋にファンを集めるしかないかなっていう……。

西村:よし儲けるぞって思ったけど、駄目だった(笑)。

森永:そこまで頑張って売りたいわけじゃないからなといって、宣伝も頑張れないのが、ボッチ感すごいみたいな。

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