2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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司会:本日は質疑応答の時間をいただいております。質問のある方は、挙手お願いします。
質問者:お話ありがとうございます。大学のほうで音楽と映像の融合ということをテーマにしています。ニコニコ動画の特徴って、映像自体が持っているストーリーの上に視聴者が持っているコメントがリアルタイムで出て、その融合というところに特徴があると思っていて。
同時にそれというのは、同じようなコメントが何個も繋がったりとか、映像が見にくくなるといったデメリットもあると思うんですけれども、なぜその2つを融合しようとお考えになったのかという話を教えてください。
川上:動画の上にコメントを載せると邪魔じゃないですか。僕も邪魔だと思っていて、最初はオプションにしようと思っていたんですよ。
デフォルトは横に表示をして、それで設定をすると上に流れるというふうにしていたんですけれども、プロトタイプを作っている人間が横に表示をするモードを作ってくれなくて、上にかぶせる画面にしたんですよね、その時、僕は怒ったんですよ。
これはオプションだろうというふうに言っていたんだけれども、ずっと見ているうちに、こっちのほうがいいんじゃないかと感じるようになったんですね。何がいいのかというと、もともとこういうものを作ろうかと思ったきっかけは、邪魔をするためなんですよ。
例えば、盛り上がるというのはきっとみんなが見たいシーンがあるときに、盛り上がるわけですよ。そうすると、見たいシーンがあるときに皆が盛り上がって見えなくなるというこの矛盾が面白いなあと思ったんですよ、なんなんだみたいなね(笑)。
そういう感じが面白いなと思ったんだけれども、それをデフォルトにする勇気は本当はなかったんだよね。でもやってみると、これもありなんじゃないかというふうに思ったんですよね。
最初は邪魔だと思うんですよ。うちにテストで参加した人間も1週間、2週間参加しはじめると、上に乗っているほうがいいと思い始めるんですよね。その間にギャップがあるんですよ。僕はこれはすごい競争力だなと思って。
これは普通の人にはわからないんですよ。強豪相手の人もニコ動という流行ってるサービスがあって、競合サービスを作ろうという思った時に、「上にコメントがかぶらないようにするニコ動」というのを間違えて開発をするなと思ったんですよね(笑)。こっちのほうが便利だからだと誤解をして。なので、あえてやらないということをしようと思ったんですよね。
質問者:川上さんについては以前、アエラの「現代の肖像」を見させていただいて、すごく興味を持ちまして。加藤さんについては『もしドラ』の編集者ということで興味を持たせていただいております。
個人的におうかがいをしたいのは2人なんですけれども、オンとオフの切り替えというところのルールはどのようにされているのでしょうか。もしよろしければ教えていただきたいんですけれども、普段の睡眠時間はどれぐらいでしょうか。
加藤: 編集者という仕事は面白いことを作る仕事なので、色々な人と会ったり、色々なことを考えたりするので、割と楽しい仕事だけをするようにしているので、オンとオフの切り替えはないですね。
ずっとオンに近い状態かなと思います。ずっとオフなのかもしれないですけれども。睡眠時間は普通に6~7時間ぐらいかなと思います。川上さんどうでしょうか。
川上:オンとオフの切り替えってできないんですよ。本当にできなくて困っているんですけれども、なんかゲームやるじゃないですか。僕ゲーマーと思われているんですけど、本当は普段はゲームやらないですね。
明日までに仕上げないといけないプレゼン資料があるというときに、無性にゲームがしたくなるんですよ。そういう時にゲームをすると、僕はゲームを止めれなくて翌日にもゲームをしてるんですよね。当然ミーティングはキャンセルにするんですよ(笑)。
それで、その次の日ぐらいもゲームをしているんですよ。そういうのが2日ぐらい続いて、自分が本当に嫌いになるんですよ(笑)。俺という人間は本当に死ねばいいと思って、それでオフからオンになるんですよ。2日ぐらいかからないと切り替わらないので。
だから僕は、基本的には公私混同をすることにしているんですね。そういう意味では一緒ですけれども。
加藤:最近は何のゲームにはまっているんですか?
川上:最近は「魔法使いと黒猫のウィズ」ね、ソーシャルゲームで。あれはめちゃくちゃ使いましたよ。
加藤:結構ゲームしていますね。
川上:いや、してないですよ。
加藤:クラッシュオブクランってやっていないですか。この間、孫さんが1500億円ぐらいで買った会社のゲームですね。
川上:やっていないですね。
加藤:流行りものだからやるわけでもないんですね。
川上:うーん。そうですね。周りがやっているとか、たまたまネットで検索をして見たとか何かで出会ったんですよね、それではまっちゃって。
あの時の僕にとってのゲームというのはいかにして宝石、クリスタルを買うかというゲームだったんですよ。課金して、課金して。アップルとかだと1日1万円ぐらいしか買えないので。
加藤:そうなんですか。
川上:いつも、何時にこの1万円がリセットされて、また課金できるんだろうと、ずっと0時かなとか、カリフォルニアの時間かなとか、色々と調べたりとかしていて、ある人からそれはアップルのコンビニで売っているカードを買うと、いくらでも使えるという話を聞いて。
そのカードを10枚買おうとしたら、何かセブンイレブンの人に5枚までですと言われて、しょうがないから2件行かないといけなくなったんですよ。10万円買いたかったのに。アマゾンとかだったら10万円とか買えたんですけれどもね。
でも、これも期間的には2週間ぐらいで自分が嫌いになって、まだゲーム内のポイントが7~8万円分ぐらい残っているんですけれども、これが無駄になるというのは自分に対する罰だと思って消しましたね、アプリを。
加藤:すごい。消すんですね。この本の中にもウルティマオンラインを消したという話が。
川上:僕は消すんですよ、自分が嫌いになりすぎて。すべて抹消したくなるんですね、存在を。
加藤:ありがとうございます。
質問者: 質問なんですけれども、前半の方で川上さんのとてもすてきな人柄がよくわかりまして大変楽しかったです。でも、なぜジブリに入ったのかということが個人的にすごく気になりまして、川上さんが運命だとおしゃっていましたけれども、例えば鈴木さんの人柄だったのか、あるいは作品だったのか、何か入社にまつわる秘話みたいなものがございましたら、ぜひお聞かせ願えればなと思います。
川上:ジブリに入った理由ですけれども、これはあちこちで色々な答えでしゃべっているので、せっかくなので全部いますね。まず株主用の答え。対外的なオフィシャルのやつというのがあって、それはニコ動って100万人単位のユーザーを預かっているんですね。
なので大体ヒットしても100万レベルなんですよ。100万の後半には行かないんですよね。それぐらいのサイトなんだけれども、ジブリとかって1000万人とか、2000万人とかの人が映画館に行くんですね。
そしてさらにDVDを買ってみる人、レンタルとかでみる人とかっていうと、日本の人口の半分ぐらいを対象にマーケティングをしているのがジブリという存在ですよね。そうすると、これからニコ動を大きくしていくためには、その1000万単位のマーケティングのノウハウを知ることが必要なんじゃないかなというのがオフィシャルな回答です。
加藤:すごい話です。
川上:いい話でしょう。説得力あるでしょう。これ頑張って考えたんです。
加藤:それで他の回答は。
川上:他の回答というのは1番最初に言っていたのは、鈴木さんが面白いからですよね。面白いから、鈴木さんという人間を知りたいと思ったというのが多く言ってることで、これは事実なんですよ。
これは僕の意識というか、顕在意識の中では正しい答えで、僕の潜在意識の中の答えというのもあるのですよ。潜在意識の中の答えというのは、実は弟子入りをしたいと言ったのは3年前の11月だと思うんですよね、2010年かな。
2010年の12月に弟子入りをしたいと僕は口走るんですけれども、2010年の9月ぐらいに大きな決心をするんですよね。大きな決心というのは何かというと、真面目に働こうという決心なんですよ。
それまではずっとブラウザ三国志とかやったり、ブログとかちょっと書いていたりしていて、全然ニコニコの仕事とか、ドワンゴの仕事とか一切やっていなかったのですよ。
加藤:全然していなかったんですか。
川上:全然していなかったですね。僕の全然というのは本当に全然なので。
加藤:どれぐらいの期間ですか。
川上:1年ぐらいとかじゃないですかね。ほとんどやらなかったですね。
加藤:その時会長ですか。
川上:ほぼ会長です。
加藤:それはすごいですね。
川上:仕事をしないのも嫌になって、仕事しようと思ったんですよ。それで色々働き始めたんですね。僕ってそれまで会社で1日平均3時間以上働かなかったんですね。
長くても3時間だったんですけれども、その頃は1日8時間以上働くようになって、それが10時間を超えて、エンジンがかかってきたなと思ったときになってやっと、鈴木さんに「弟子入りさせください」と言ったんですよ。
これを僕の意識とか行動パターンで似たような現象を探すと、テスト前に部屋を片付けるのとすごく似ているなというのを発見したんですよ。明日テストで試験勉強しなければならないから、遊びはしないと、他の余計なことはしないと。そういうふうに決意をしている時でも、部屋を片付けることはやってもいいんじゃないかと。
だって、部屋を片付けることはいいことだろうと。そういう心理ってありますよね。試験日の前ってすごい部屋が綺麗になるんですよ。だからそれと同じで、これから真面目に働くんだと言った時にジブリに行くということは、部屋の片付けみたいなもので。
これはやってもいいことじゃないかなというふうに現実から逃げたんですよね、簡単にいうと(笑)。潜在意識的にはそれが多分大きな要素だったというふうに思いますね。
加藤:でも実際行ってみて、どこで働いているんですか。ジブリに行ったりされているんですか。
川上:最初の1年か1年半ぐらいというのは、ジブリのプロデューサー室というのが鈴木さんの隣にあるんですけれども、そこに机をもらってずっといましたね。
加藤:毎日ですか
川上:毎日。毎日。
加藤:三鷹でしたっけ、ジブリって。
川上:東小金井なんですね。
加藤:そこに通っていらっしゃったんですか。そこで実際の仕事内容は何をしていたんですか。
川上:プロデューサー室に、女性が多いんですけれども、鈴木さんのスタッフがいるんですよね。基本的にはその人たちとおしゃべりをしていましたね。本当に楽しかったんですよ(笑)。
僕、新入社員の時はソフトウェアジャパンという会社に、大学を卒業して入ったんですけれども、その時も僕は半年ぐらい社長室というところに入って、社長の秘書の女の子と毎日しゃべっていたんですよね。それが本当に楽しかったんですけれども、まさか40越えてこの楽しさがまたあるのかと思ってずっとしゃべっていましたね。
加藤:その間、鈴木さんは何をしているんですか。
川上:しゃべっているか、鈴木さんのミーティングに同席してるかどっちかなんですね。
加藤:そのときには何か難しい交渉とかをしているんじゃないですか、鈴木さんは。川上さんは何をされるんですか。
川上:僕はただ横にいるだけ。
加藤:横にいて見習いとして座っているだけですか。すごい。
川上:ただあれですよね。基本いるだけですよね。連れ回されていたりするだけで。しゃべるにはしゃべるんですけれども。
加藤:色々な意見を求められたり。
川上:求められたりはするんですけれども、別に本当にいるだけですよ、基本は。
加藤:1年間一緒にやられて、得たものとかがあったら、うかがいたいんですけれども。
川上:色々と人生観が変わりましたね。なんなんでしょうね、やっぱり僕は元気がなかったんですよね。元気が出ましたよね、ジブリで。
加藤:カウンセリングみたいな話ですか(笑)。
川上:本当にカウンセリングですよ。宮崎駿さんにも言われたんですけれども、ジブリに行って3ヶ月ぐらいにして、あの若者はここにきて元気になったんじゃないかとそういうふうに言われたんですけれどもね。
その時の僕はあまり信じていなくて、ジブリに行くようになって髪を明るくしたんですよね。気分を変えようと思って、茶髪にしたんですよ。その直後に、あの若者は最近明るくなったと宮崎駿さんがいい始めたので、僕は信じていなかったんですけれども(笑)。
加藤:でも実際は元気に。
川上:元気になったんじゃないですかね。
加藤:プロデューサー的なことを学びたいということで行かれたと思うんですけれども、そういうところで得るものはあったのでしょうか。
川上:ありましたね。コンテンツとは何かということを考えるようになりましたね。あとは読む本も変わったし。そう、本を読むようになりましたね。
加藤:鈴木さんがこういう本がいいと教えてくれるんですか。
川上:そうです。逆に教えたりもして。色々な本を読んで、色々なことを考えるようになりましたね。そういうことを色々と話すわけですよ、これからの日本はどうなるのかとかね。
色々な話をするんですけれども、そういうのばっかりですね。最近の話で言うと、これからの日本はどうなるのかという話で、鈴木さんは楽観的だと。みんな、悲観的に見てるじゃないですか。
鈴木さんはこれからの日本は大丈夫じゃないかというふうに言うんですよね。何が大丈夫なのかというと、何で今まで日本人は元気がなかったのかというと、それは先のことを考えていたからだと。
例えば自分の老後のこと。これから会社で出世をするのかとかね。そういう先のことを考えていたから元気がなくなったと。でも最近の若い世代とかを観察をしていると、未来に希望を全く持っていないと、未来のことは奴らは全く考えていないと、今のことしか考えていないと。だから日本は元気になるんじゃないかと言っているんですよ。
日本は復活するんじゃないかということを言っているんですよね。多分出生率も上がるだろうと、何しろ今のことしか考えていないから。先のことを考えたら子供なんか産めないだろうと。そういうことを言っていて、絶望の中から日本は再生するんじゃないかということを言っていて。面白い話でしょう。こういうことをずっと話しているんですよ。
加藤:川上さんってジブリに行く前に元気がなかったというとき、書いていたブログを見ていたんですけれども、そんなことばかり書いていたと思うんですが、違いましたっけ。
川上:思考のパターンとか、鈴木さんと僕はすごい似ているんですよね。どうでもいいことをすごく深く考えるんですよね。そこは似ていますよね。
加藤:対話のいい相手ができたというのは、すごい大きいんですかね。
川上:そうです。
加藤:ありがとうございます。大丈夫ですか。
司会:お時間となりましたので質疑応答を終了させていただきます。ありがとうございました。
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