2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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加藤:ブロマガの話にちょっと戻さしていただければと思うんですけれども、僕は本をずっと作って売るということをしてきて、2008年ぐらいから潮目が変わってきたという気がしていたんですよ。
具体的に言うと、前は本を作る方法というのは、何か格好いいデザインを作って、新聞にバーンと広告を打って、何とか先生の最新作ということで書店に沢山並べてもらってということをやると売れたんですよ。
これが2008年くらいからめっきり聞かなくなって、それは体感で何となくあったんですけれども、2008年というのはiPhoneが日本で発売された時なんですよ。iPhoneが出た時は100万とか200万とかぐらいしか売れていないから、それだけでそんな事が起きたわけではないんですけれども。
その時だんだん社会が変わってきたなという気がして、具体的に言うとみんなが興味があるものがどんどんどんどん狭く小さいセグメントに入るということを感じていたんですよね、『もしドラ』なんかを売っていく過程で。
具体的にいうと、アニメファンでもガンダムのファーストのほうが好きな人と、後ろのほうが好きな人とで全然好みが違うわけですよね。アニメ好きの中でも全く好みがセグメント化されていると。
だから、新聞とかに広告をバーンと打っても全然届かないという事が起きていて。本とかのマーケティングがどんどんしづらくなっているのはスマホの普及とかよりも、そっちが大きいのかなと思っているんです。
加藤:それは多分ネットのせいなんですけれども、『もしドラ』なんかは、ちっちゃいセグメント向けのマーケティングを死ぬほど実行して売っているということをするんですね。バーンと打つのではなくて。まあ、バーンともやるのですけれども。
高校の図書館でおいて欲しいなと思ったら、学校の図書館の司書の先生が読む新聞に広告を打つとか、色々な分野の人に献本したりとかしていて、スマホが普及すればするほどその傾向が加速しているんですよね。
要するに何が言いたいかというと、コンテンツのマーケティングがますます難しくなるなということ感じていて、さっきのランキングしかなくなるというのもそうですよね。
キンドルのランキングを見るとわかるんですけれども、上位がすごい安いような叩き売りばかりになっているんですよ。しかもその横にアマゾンって恐ろしいから0円の夏目漱石とかが置いてあるんですよ。
あれは本当にエグくて、明らかに出版社向けに価格を下げるねらいがあると思うんですよね。そういう中でコンテンツをマーケティングしていくというのはすごい難しいなと。なので「cakes」はそれを何とかするための仕組みをいろいろと用意をするサイトになっています。
川上:正しいと思いますよ。
加藤:課題はマーケティングなんだろうなと思っていて。その辺はどういうふうにお考えなのか、ドワンゴでどのようにしているのかなど。
川上:アマゾンにせよ、アップルにせよ1番の欠点というのは、100万部売れた人であっても、100万部売ったユーザーに対してマーケティングする手段がないということですよね。ユーザー情報がプラットフォームに行ってしまっているから。
そういうのって知名度だったり、ユーザーとのコネクションを貯めていくということができないと、毎回当てなきゃいけないわけでしょ、それは無理なんですよ。毎回当てるのは。
加藤:岩崎さんは苦労されていますからね。
川上:売ったユーザーをどうやって囲い込めるか、ファンクラブをつくれるのかというのがコンテンツのマーケティングにはすごい重要で、アップルとかアマゾンの仕組みというのは、クリエイターにとって天国にはならないと思っているんですよね。
ブロマガだと、これはファンクラブの仕組みだと思って作っているので、ユーザーにあるものを提供してお金を払ってもらうと、ずっとその人の固定ファンになるんですよね。そうするとそこがビジネスのベースになるという環境がつくれるので。
加藤:そもそもファンクラブがそこにあるからマーケティングはそこでやればいいよね、という。ブロマガ面白いなと思ったのは動画で告知できるということですかね。動画で集客ができるようになっているのは素晴らしいですよね。岩崎さんなどがやっても伸びないってすごく悩んでいたけれども。
川上:岩崎さんの動画じゃあ伸びないでしょうね(笑)。
加藤:向いている人と向いてない人がいると思いますけれども、夏野さんなんかそれですごい伸ばしていらっしゃいますよね。
川上:そうですね、岩崎さんはもう1人いないと厳しいですよね。岩崎さん本人だと持たないし。あの人何なんだろうね、難しいですよね。そういえば今度、岩崎さんと番組やるんですよ。
加藤:秋元さんとのやつか。
川上:そうそう。秋元さんと岩崎さんと僕と対談番組をやって。
加藤:超豪華ですね。
川上:超豪華ですよ。豪華というのは秋元さんだけなんですけれども(笑)。秋元さんが豪華すぎて、僕らはいる必要がないんじゃないかというやつなんですけれども。ニコニコに秋元さん初登場。岩崎さんって、秋元さんの弟子だって言ってるじゃないですか。
一番弟子って言っているんだけれども、秋元さんって一切発言をしていないんですよね。むしろ岩崎さんが弟子であることを隠そうとしているみたいな、なかったことにしているんじゃないかというのを追求する番組なんですね。
加藤:それは面白そうですね。
川上:面白そうでしょう。そこで何人分、岩崎さんのブロマガの会員が増えるのか注目してるんですけれども。岩崎さんの今のブロマガの人数と、ひょっとしたら同じぐらいの人数が秋元さんとの番組で入るんじゃないかなと期待をしているんですね。
加藤:ありえるんじゃないですかね。
川上:そうしたら今まで岩崎さんがネットで1年間やってきたということは全否定ですよ(笑)。今までやってきたことは何だったんだと。それが起こるかどうかということが僕は知りたいんですよ。
加藤:きっと同じぐらい入りますね。
川上:入る可能性あるじゃないですか、中身によっては。それが楽しみで。
加藤:本の話をすると、この本のプロフィールのところに岩崎さんは、秋元さんのところ辞めた後だったんですけれども、アイドルグループAKB48のプロデュースにも携わると紹介文をつけているんですね。
川上:それね、秋元さんが明日しゃべります。
加藤:楽しみですね。
川上:これは岩崎さんまだ知らないんですけれども(笑)。
加藤:ちょうどいいんで事前情報として話をすると、僕は編集者なんで、この時まだ無名だった岩崎さんの、いいネタを仕入れたいじゃないですか。
こういう話って入れていいんですかって聞くと、「いいですよ、入れてください」と、秋元さんに何か仁義切らなくて大丈夫なんですかと聞くと、「大丈夫です」って言うんですね(笑)。それで、わかりました、じゃあ入れますと。
岩崎さんが大丈夫と言ったから大丈夫かと思っていて、「秋元さんはこの本が売れてないうちは完全に無視をします。30万部売れた頃に突然出てきて、あいつは俺が育てたと言います」と岩崎さんが言ったんですね。
そうしたら本当にそうなって、最初完全に無視をしていたんですけれども、まさに本当に30万部超えたときのフライデーの秋元さんの連載で、「岩崎っていうやつがいて、最近売れてる『もしドラ』っていうやつがあったろう」という話が出てきて、ちょうど岩崎さんの予言通りになったんですよ。だからよく秋元さんのことわかっているんですよね。
川上:そこら辺のところとが聞きたいんですよね。お互い本当はどう思っていたのかとかね。『もしドラ』が売れてない間は弟子じゃなかったんじゃないかとかね。
僕はなんでその対談に参加するのかというと、それぞれお互いから相手の話を聞いているんですよ。でもこの話っていうのは2人だけだと絶対話さないから、そういった話を暴露しようという(笑)。
加藤:それは確かに話を振る人が必要ですよね。
加藤:ちょっとマーケティングの話に戻しますが、コンテンツのマーケティングがすごい難しくなっているところで、ブロマガというのは今度、一般ユーザーさんもできるようにするんですよね。
川上:はい。もともとそのつもりだったんで。
加藤:それはなぜいっぺんにやらなくて、後から足していくようにするんですか。
川上:そうしないとユーザーが怒るんで。
加藤:どういうことですか?
川上:ユーザーを後回しにすると、何でユーザーを後回しにしないんだと怒るんですね。どういうことかというとネットというのは嫌儲という人がいるじゃないですか。
僕はクリエイターとか、ネットでいいものを作った人は儲かって当然だと思ってるんだけれども、お金をもらうのは絶対許さないという人ってネットにいて、お金を儲ける仕組みを作ると、そういう人がみんな怒るんですよ。
昔、JASRACに登録をするのは悪だったんですよ。昔はクリエイターがJASRACに登録するだけで、今は当たり前になっているんですよね。これがどこで切り替わったかというとカラオケなんですよ。
2008年ぐらいからJOYSOUNDのカラオケベスト20のうち10曲ぐらいがニコ動の曲になったんですよね。初音ミクとかの曲になったんですよ。知らない人も多いと思うんですけれども、見てみるとニコ動の曲というのがランキングの中にすごいいっぱい入っています。
こういう人たちって最初はお金がもらえなかったんですよ、JASRACに入っていなかったから。そうすると今までお金をもらうのはずるいと言っていた人たちが、何でプロはもらえてネットのクリエイターもらえないんだというふうに怒り始めたわけなんですよ。
加藤:潮目が変わり始めたんですね。
川上:本当にネットの人たちって勝手だなって思うんですけれども、ニコ動が始まったときとかってアニメを何で削除するんだとか、MADとか。基本的に権利侵害をするのは正しいという人がいたんですね(笑)。
加藤:いましたね。パンクな感じでかっこいいと。
川上:僕もMADとか正しいと思っている派で、MADくらい許してと思っているんですけど。ネットの人たちがコンテンツを作り始めたら、作詞家の許可は取ったのかとかいきなり権利者側に回り始めたんですよ。
そうすると、いまはネットのクリエイターが作ったもののほうがネットで使うのが難しいんですよ。だから本当に今JASRACに登録して欲しい、事務所に所属して欲しいと僕は思うんですけれども。
そうしないと普通のクリエイターのほうがよっぽど難しくて、よっぽど権利が強いんですよね、影響力を擁護する権利が。そういう逆転現象というのがブロマガでも起こるだろうなぁと思ったんですよね。
最初にブロマガをやって、最初にユーザーがいると金儲けに走ったのかと叩かれるんだけれども、いま堀江さんとか津田さんとかいわゆるプロの方たちがブロマガで儲けているわけじゃないですか。なんでこれ、ユーザーが使えないんだとだんだん怒り始めているんですよ。怒ったタイミングで、本当に怒ったタイミングで解放しようと。
加藤:そこまで言うならやろうと。
川上:そうしないと荒れるんで(笑)。
加藤:すごい、そんな考えなんですね。
川上:最初から解放すると逆に怒るんですよ、彼らは。順番間違えると大変です。今怒っているのは別にいいんですよ。ブロマガはユーザーが使えないのはおかしいというのはみんな怒ってください(笑)。
加藤:それにしても、順番にオープンにしていくんですよね。それもプロに近い人からオープンにしていくという。
川上:うちのシステム的な都合なんですよね、エンジニアが足らなくて(笑)。もっと本当はオープンにしてもいいんですけれどもね。
加藤:CMSを整理して、オープンにするのに間に合わないので。とりあえず手で登録できるところからやっていこうというそういう話ですか。
川上:そうです。開発が間に合わないので。手作業でやろうという、まずはそういう話ですよね。
加藤:そうなんですね。じゃあ今度はこれは広がっていくんですね、開発次第で。
川上:そうです。
加藤:そろそろ時間なんで、最後にしようと思っていて、5年後にどうなるのかという話をしてくださいと、編集の方から言われているんですけれども。多分いまの話も繋がってくると思うんですけれど、要するにメディアとかコンテンツのクリエイターがどうやって食べていくのかについて、それはブロマガが1つの回答だと思っていいんですか?
川上:はい。
加藤:基本的にはあれで食べていくと。
川上:色々な方法があっていいんじゃないですかね。食べていく方法は、いっぱい増やしますよ。
加藤:それはもうすぐ出てくるものもあるんですか?
川上:軸としては、まずはブロマガを便利にすることと、クリエイター奨励プログラムの範囲を広げていくとかそういう形でやっていくと思いますね。
加藤:やっぱりコンテンツで1番大変なのは、マーケティングなんですけれども、ニコニコにいっぱい人が集まっていればそこは解決しますもんね。
川上:そう思うとやりやすくするとか、プロモーションをやりやすくするツールを増やすとか、そういうのをやっていくというふうに思っていますよね。
加藤:僕も「cakes」というサービスで色々やっていければと思っているので、ぜひまた何かで。
川上:ぜひ一緒にやりましょう。「cakes」さんがやっていることは正しいと思っているので、ぜひ成功していただきたいので。
加藤:僕らはどちらかというと、今はプロの人が中心なんですけれども、プロのクリエイターとか出版社向けのクリエイティブの部分からそこを突破したいと思ってるんですね。
だから、堀江さんのこういう本を一緒に作ったりとか、そういう強力なコンテンツを当てながらプラットフォームとしてうまくできればと考えているので。究極的にはやろうとしていることはかなり近しいところがあると思うので、今後ともよろしくお願いいたします。
川上:「cakes」に僕も書かしてください。前も言ったと思うんですけれどもね。
加藤:本当ですか?
川上:書きたいんですけれども、本当に書こうと思ったことがいくつかあったんですけれども、いま文春に連載とか、ネットに掲載とかしちゃって書く時間がなくて、本当は「cakes」に書きたいことがいっぱいあるんですね。
加藤:ちょっと打ち合わせをさせてください(笑)。
川上:本当は、ニコ動はこういうふうに考えて運営をやっているんだということをおおっぴらに書くと、炎上するような話でも「cakes」だったら……。
加藤:本が好きな、すごい読者の方に集まっていただいているので。最終的に、僕がそれを編集して、本にする方向で(笑)。今日はありがとうございました。
川上:ありがとうございました。
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