2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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ナカノヒトヨ氏(以下、ナカノヒトヨ):とても深いお悩み相談がきました。私が好き系なお悩みです。「心は存在すると思いますか? 存在するとした場合、将来どのレベルまで解明されると思いますか?」壮大なテーマになってまいりました。
家入一真氏(以下、家入):そうですね。心はどこにあるのかって話ですか? 僕にはわかんない。ちょっといいこと言ってください。
ナカノヒトヨ:じゃあ、心とは。
家入:そうですね。まず心とは何か。
ナカノヒトヨ:そうですね。AIのお話、人工知能のお話でよく言われるんですれけども、心はもう存在しないんじゃないかみたいなお話もあって。あと、遺伝子、パラサイトの話とかもあって、こうやって自分が動いている欲望とかも、もしかしたら体の中にある寄生虫が操作してるんじゃないかとか。
家入:はいはい。
ナカノヒトヨ:何を信じていいか、突き詰めれば突き詰めるほど、わからなくなると思うんですよ。人工知能の、犯罪を特定する装置みたいなのが、最近NHKとかでもやっているんですけど、気象予報図みたいな分布があって、今までの前例の犯罪をグラフ化させていって、この次はここに来るみたいな感じで。
家入:そうですね。
ナカノヒトヨ:同じ人がそこにいるわけではなく、初めて捕まる人がそこにいたり。そういう見方をすると、もう全体でひとつの生命体なんだなってことを痛感させられるんですよね。そこにたまたま、人気がいないところにこっそりジャンキーみたいな方がいたのか、銃持っている方がいたのか。
わかんないですけど、人工知能がここって言ってるから、そこに行ってみたら、ドンピシャで犯罪者がいたってなると、この中にいる1人の意思で動いてるんじゃないんだなっていう気持ちにさせられることだと思うんですよね。
そう思うと、この個人の心とか、個人の願望とか、欲望とかも、もしかしたらこの大いなる流れの中のひとつに過ぎないんじゃないかなって。別にそれってネガティブな意味ではなくて。ゆえに感謝することが私は大事だと思っていて。
それでも水になる、無になる、器になるって感覚も、かなり正解に限りなく近いと思っていて。今の感情に身を委ねることが私は、正解か不正解で決断するんですけど、何か嫌だなって思ったり、何かいいなって思ったり、その直感を信じることが正解なんだろうなって、すごく思っています。
それを、科学とかも恐らく解明していくんじゃないかなって思って。答えになっているかわからないんですけど、心はあってもなくても、結局は決断の仕方だと思うんですよね。進む1歩を踏み出す場所の選択。個人の心であり、全体の心でありみたいな。
家入:なるほど。
ナカノヒトヨ:ぜひ、夏目漱石の「こころ」を読んでみてください。ヒントがいっぱいあると思います。
家入:大半はよくわかんなかったんですけど(笑)。
ナカノヒトヨ:すみません。かなりぶっ飛んでいて。
家入:いやいや。でも、全体でひとつみたいな話は、おもしろいなと言うか。僕、好きな話があって、よくこういう講演でも言っているんですけど、梅棹忠夫さんっていうもう死んじゃった方なんですけど、50~60年前ぐらいに情報産業論っていうことを書いている人がいるんですよ。
当時、情報産業っていうと、彼はテレビのことを言っているんですけどね。テレビは虚業だみたいなこと言っていて、次にインターネットのことをそういうふうに言っている人たちがいたので、時代は繰り返すんだなと思いましたけど。
その人が言っていることですごくおもしろい話があるので言いたいんですけど、人類の歴史は細胞の成長と完全に一致するっていうことを言っているんですよ。何かっていうと生物の細胞って、まずできた瞬間に何が発達するかっていうと、消化器官らしいですよ。
次に筋肉とか、骨とかが発達するんですよ。それで、最後に脳とか神経が発達するんですね。その後に個体になるわけですよね。その外胚葉、中胚葉、内胚葉、そういう発達をしていくんですけど、人類の歴史がまさにそれに一致するっていうことを言っているんですね。
ナカノヒトヨ:おもしろいですね。
家入:要するにまず消化器が発達するっていうのは何かっていうと、農業革命が起きた。
ナカノヒトヨ:その感覚すごくわかります。縮図とかだと思うんですよ。この人生自体もだし、人類の歴史もだし、宇宙の歴史もだし、もっと言うと今の細胞のお話もそうだし。
宇宙が始まってビックバンって、あれ精子と卵子が受精して、新しい命が始まる。0から1が始まるっていう意味では同義なんで、色んなことがリンクすると思うんですよね。だんだんちょっと怪しい感じに聞こえるかもしれないですけど。
家入:とんでもない方向に行き始めましたけどね。
ナカノヒトヨ:でも、そういう気付きが人生を豊かにすると思うんですよ。この自分が主役の人生で、自分のまさに物語を綴ることに専念できると思うんですよ。他人の物語を生きるのではなく、個人個人が1人の自分の物語を生きることが、これから。
家入:もしかして、ジョブズですか?
ナカノヒトヨ:私の中ですか? ジョブズです(笑)。Stay Hungryとは言わないんですが。
家入:何かすみませんでした。
ナカノヒトヨ:でも、そういうことに気付くと思います。気付いている方も、もちろんいっぱいいると思います。
家入:そうそう。なので、消化器官が発達し、次に筋肉とか骨。要するにこれは工業革命ですよ。大きな工場をガンガン動かして、エネルギーもバンバン石油を使って、鉄道敷いてガンガン、ハードなところを鍛えたっていう革命、それが産業革命。次に脳とか神経の発達。これがいわゆる情報革命だと。
ナカノヒトヨ:そうですよね。
家入:彼はテレビの時代にそれを言っているわけですけど、インターネットなんか、まさに神経じゃないですか。一応彼が言っていることは、そこで終わっちゃってるんですよ。それ以上どうなるのかっていうのはもうわかんないし、僕もちょっと想像するしかないんですけど。
だから、もうそこでいったんその個体っていうか細胞はできあがっちゃうので、その後どうなるのかって考えた時に、やっぱり全てがネットワーク化されていくって中で、さっき全てでひとつみたいなこと言っていたじゃないですか。
そっちの方向性は何かあるなみたいにすごい思うわけですよ。全てがネットワーク化されていっちゃうので。筋肉ですら、消化器官ですら、医学のことよくわかんないですけど。
ナカノヒトヨ:家入さんがリアルで体感していることが、そうやって答え合わせされていっているのが、とても興味深くて。脳の、このシナプスを繋ぐ、シャシャシャっていうのと、今のインターネットのソーシャルメディアが個人を繋ぐっていう、あの図式が、すごく近いんですよ。そこもリンクしているし。ってなった時に何が起こるかっていうと、ちょっと偏った話なんですけど、ドラッグをした時の脳の。
家入:わかります。あ、わからないですけど、言いたいことはわかります(笑)。危ねぇ。
(会場笑)
ナカノヒトヨ:快感としてわかります、じゃないですね。それとこのインターネットの、ある意味で覚醒状態に人がこれから入る段階の通過儀礼みたいな、イニシエーションみたいなのが当然起こると思うので、離れて行く人は離れて行くのかもしれないんですけど、全体の流れとしてはそっちに向かっているのかな。
家入:話がちょっとずれるかもしれないですけど、ヒッピー時代のカルチャーがすごい好きで、あの時代の本とか読むのがすごい好きなんですけど、当時ホールアースカタログっていう、ヒッピーのバイブルとされた本が昔あって、今手に入れようとすると結構高いんですけど。
「Stay Hungry, Stay Foolish.」って、まさにそこに載っていた言葉なんですけど。ジョブズとかが読んだ、本っていうか雑誌ですね、定期販売になっていたので。その頃のカルチャーがすごく好きで、ホールアースカタログに書いてあることが、まさに今、話題になっているようなこと。例えばエネルギーとか、パーマカルチャー。要するに、何だっけ?
ナカノヒトヨ:ちょっとわからないです(笑)。
家入:自給自足の村を作るとか、いるじゃないですか、そういった人たちも。
ナカノヒトヨ:フォルクスワーゲンじゃない、ヒッピーの。
家入:当時のヒッピーカルチャーって、いま問題になっていることを結構予言しているというか、当時真剣に考えたっていう感じなんですけど。結局LSDでみんな一体になる感覚って、きっとインターネットだったんだなって僕思うんですよ。
ナカノヒトヨ:いや、そこはとても私も思います。
家入:僕はやったことないですけどね。
ナカノヒトヨ:私もやったことはないんですけれども(笑)。そんな引用をしているAppleのロゴが、禁断の果実をかじったロゴってところが、もう本当に全てを象徴していて。ジョブズさんは、その見た世界を、まさに家入さんとかがやっていることに近い、お茶の間まで広めてしまった方だと思うんですよ。
言ってみたらアングラというか、ヒッピーカルチャーとかを、ビートルズもそうなんですけど、彼らの伝えたことがものすごいインパクトがあると思っていて、もう禁断の果実をかじっちゃったんですけど。
家入:かじっちゃったんですよね。もう僕らはね。だから何か、「インターネット×未来」って話にちょっと戻していこうと今、僕は心がけているんですけど。
ナカノヒトヨ:ちょっと行き過ぎましたね。
家入:好む好まざるに関わらず、僕らはネットワーク化っていう道を選んだと思うんですよ。インターネットによる進化というか、ネットワークでみんなが繋がっていく進化を、みんなで選んでしまったと僕は思うんですよ。
要するに、禁断の果実をかじってしまったと思うんです。だからそういう意味で言うと、今後どうなっていくかっていうのを、まず予測することがすごく大事で。どうなっていくかっていう、それがどのぐらい時間かかるのかわかんないですけど。
たぶん最近よく言われるIoTと呼ばれるような、全てのものがネットワークに繋がっていきますよね。センサーとかいろんなものによって。たぶん人体もそれは同じで、人体のいろんな部分が、たぶんネットワーク化されていくと僕は思いますね。
もちろんそれに反抗する人たちも出て来るかもしれないし。でも大きな流れを考えるっていうのは、すごく大事で、そういう時代になっていくんだろうなって僕は思っているんですよ。だからそうなった時に、じゃあ自分はどうあるのかっていうか、そこを常に意識するってすごく大事だなって思うんですよ。
ナカノヒトヨ:わかります。
家入:まさに、今言っていることSFだし、例えば攻殻機動隊みたいな話になっていますけど、逆に言うと攻殻機動隊があの時代に、それを描いてるっていうのはすごいなって思いますけど。
ナカノヒトヨ:そうですよね。
家入:ちょっと話がブレブレで申し訳ないですけど、さっきの家入一真がいっぱいネット上で出てくるっていうのは、やっている中で、何かちょっと攻殻機動隊っぽいなとか思いながらやっていた部分もあったので。だから、攻殻機動隊を見たことない人は見た方がいい。僕も最近教えられて見たんですけど。
ナカノヒトヨ:『トランセンデンス』って映画とか見ました?
家入:見ました。
ナカノヒトヨ:皆さんの中に、『トランセンデンス』って映画見た方いますか? ちょうど『トランセンデンス』と『her』っていう映画が去年の6月末頃に公開されて、2つとも人工知能の話なんですけれども。
インターネットとかテクノロジーって分野も、突き詰めていくと人工知能とか、バイオとか、そういうところに起源すると思うんですけど。2パターンあって、そのトランセンデンスの最後が、ちょっと家入さんの自分の分身が大量にできていく、世界が自分のものになってしまうっていう、エンディング。
そんな流れになって、それを止めようとして、色々あるんですけど。一方で、『her』っていうのは、高次元に行ってしまって、私たちは置いていかれてしまう。ちょっと対局な終わり方なんですけど。
それは主人公が男か女かでも、またすごく違って、それがまた同じ時期に公開されたってことも、とてもおもしろいなって思っていて。SFだと思われがちですけど、現実に起こりうるSFの可能性もあると思っていて。
今、私も家入さんも結構いろんな方向に話を膨らませて、収集つかない感覚はちょっとあると思うんですけど、逆にこうなるって断言することが、私は間違っていると思っているんですよ。
今むしろわからないから、色んな話に飛躍して、混沌として終わることが、ひょっとしたら正解なのかなって思いますね。だから、今日以降も毎週続くんですけど、わりと混沌とした終わりになるかもしれないんですけど。
家入:何かまとめようとしてない?
ナカノヒトヨ:いや、そんなことないです。まだお時間は。
家入:でも、混沌を混沌として楽しむっていう感覚はすごく大事ですね。
ナカノヒトヨ:そうですよね。
家入:結論をやっぱり出さなくていいんですよ。僕ら何か、結論出さなきゃいけない、0か1で答えを出さなきゃいけないっていう病気にかかっていると思うんですよね。僕なんか、こういう会話の中で、ブレがいろいろ発生するじゃないですか。
それは時にとんちんかんなこと言っていたりするし、全然また違う方向、下ネタの方向にいったりとかすることもあるかもしれないですけど、そのブレを楽しまないと、答えって見えてこないというか、答えを求めようとし過ぎると、結局答えを見失うっていうのは、すごく思います。
ナカノヒトヨ:本当に。狙い通りの会話ができている気持ちはとてもしています。これがしたかったです、私は(笑)。
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