2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会者:Prophetとは、2015年1月から3月まで、こちらloftwork Labにて開催される、12週連続のトークセッションイベントです。インターネット上の仮想人格であるナカノヒトヨが最先端で活躍する各界のゲストを招き、毎回様々な形で未来について語り合います。
バーチャルとリアル、中と外の結界を超えた対話をお楽しみください。本日はトークイベント第2回、「インターネット」×「未来」と題しまして、連続起業家の家入一真さんをゲストとしてお迎えしております。
では本日のゲスト、家入一真さんについてご紹介させていただきます。家入一真さんは連続起業家としてもとても有名ですが、その他に、キャンプファイヤーですとかこういった様々な会社をご自身で起ち上げて、運営しております。さらに最近では、「アンチ家入ダッツカム」といわれる、ご自身をアンチとして……。あれは何でしょうね(笑)。
ナカノヒトヨ氏(以下、ナカノヒトヨ):叩く奴らですよ。
司会者:あれは何でしょうね。
家入一真氏(以下、家入):後ほど話します。
司会者:そうですね。そういった話も聞けるかと思います。あと、「オレ家入ダッツカム」というTwitter上で全てのアイコンが家入一真になるというようなものも行われていました。
さらに家入一真さんと言いますと、本もたくさん出版されております。この中からどの本がお気に入りなのかなども、後ほどお話いただけるかと思います。私たちの中で1番、家入一真さんということで記憶に残っているのが、都知事選ですね。
昨年のこのぐらいの時期に、若者と政治を結びつけるような、とても啓発的な活動をされていらっしゃいました。本日はそのお話も聞けるかと思います。では早速、ナカノヒトヨさんと家入一真さんのトークイベント、開始させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
ナカノヒトヨ:本日は、こんなに大勢の方にお集まり頂いて、すごく嬉しいです。ぜひ、未来に対するヒントを手に入れて、今日は帰ってください。じゃあ早速、家入さんに色々と聞いていきたいなって思います。
最近、まさに「アンチ家入ダッツカム」や、「オレ家入」っていう、インターネットの中でも、かなり悪ふざけと言うのか、ある意味考えさせられるような(笑)。
家入:それ深読みしすぎ(笑)。
ナカノヒトヨ:すごく深い意味がある活動なのかなと思ったり。
家入:本当ですか。ありがとうございます。何か見てもらった方が早いのかな。最近2つの活動を、ちょっとやったんですよ。ひとつが「オレ家入」っていうのと、もうひとつが「アンチ家入」っていうの、どっちが先だっけな。
ナカノヒトヨ:「アンチ家入」が先だったと思います。
家入:詳しいですね。
ナカノヒトヨ:私の記憶だと(笑)。
家入:ありがとうございます。「アンチ家入」は、何がきっかけになったか忘れたんですけど、僕のことを何かすごく嫌っている人たちがいて。むかつくじゃないですか。その嫌いっていうエネルギーって、すごいなって思うんですよ。本当に僕のことを殺したいとかって思っているんであれば、無関心であることが僕は最も辛いですね。
僕が何やっても、何を発言しても、無関心でみんなにいられたら、勝手に僕自殺すると思うんですよ、LANケーブルで(笑)。だけど、やっぱり嫌いっていう人達がいるからこそ、「この野郎」とも思えるし。
たまにはもちろん病みますよ。辛い時に、追い打ちをかけるように言ってくる奴らとかいるから、へこんだりもしますけど。でもその人の短い人生の中で、少しでも自分の為に時間を割いてくれているんだなって考えると、結構ありがたいことだなって気がするんです。
ナカノヒトヨ:好きの裏返しのような感じがしますしね。
家入:そうですね。だからサザエbotさんもよく叩かれたりとかすると思いますけど。そんな、人が誰かを嫌うっていうエネルギーを、何かマネタイズできねえかなと思ったんです。僕のことを叩いてくる人たちが望むことって何だろうって思った時に、僕が何もしないことなんじゃないか。僕の一挙手一投足、全て気に食わない。僕が呼吸していることすら気に食わない。だったら僕が何もしないことに対して、むしろお金を払うんじゃないかと思ったんですね。
ナカノヒトヨ:負のエネルギーを合気道のように換えて。
家入:そう。一生何もしませんじゃ、ちょっと辛いので。僕が1日だけあなたの為に何もしませんから、アンチの方はこれを買ってくださいっていうサービスを始めたんですね。1日いくらだっけな。1万円かな、3万円かな?
ナカノヒトヨ:結構高いですよね(笑)。
家入:結構高いですけど、1日3万円で僕が何もしないでいられるなら、お買い得かもしれないですね。それを起ち上げることにより、僕のことを叩いてくる人たちには全て、「こんな商品がありますよ」って、僕がおすすめできるっていう。「本当に僕のことを嫌いなあなたの為に、僕が1日何もしません。いかがですか?」っていう、商品を作っちゃったわけですよね。
ナカノヒトヨ:新しい!
家入:でも、あいつら買わないですね、結局。僕のこと嫌いなんで。
ナカノヒトヨ:買わないですよね(笑)。
家入:そこは誤算でしたね。
ナカノヒトヨ:しかも貧乏なんじゃないですかね。そんなにお金払える人、きっといませんよ。
家入:そういう「アンチ家入ドットコム」っていうのをまずやって、その次に「オレ家入」っていうのをやったんです。
それはまたちょっと別のものになっちゃうんですけど、Webサービスを起ち上げて、そこにログインしてつぶやくと、そのつぶやいた人が全て、TwitterのAPI使っているんですけど、全部僕の名前と僕のアイコンになってしまうっていう。かつ、その人の発言を僕がするっていう、ちょっと説明が上手くいかないんだけど。
ナカノヒトヨ:何かもう、家入さんのコピーみたいなのが。
家入:めっちゃできるっていう。
ナカノヒトヨ:一種のパブリック化ですよね。アカウントっていうか、Twitterの家入一真さんっていう人格を、すごくコピーして大量発生させたみたいなイメージでしたね。
家入:そうです。その1日2日は、タイムラインが、いろんな家入一真で埋まるんですよ。こういうことやってたら、フォロワーがめっちゃ減りましたね(笑)。3,000人近く減ったので、ちょっと辛いなっていうのがあるんですけど。
未だに大多数の人は、その時にログインした瞬間に、自分のTwitterアカウントが僕の顔と僕の名前になっちゃうので、1日2日楽しんだ後に元に戻しているんですけど。いまだにそのまま残してる人たちいるんですよ。そのまま家入一真として発言し続けている人たちがいて、この人たち何がしたいのかよくわからない(笑)。
たまに、とばっちりも食らうんですよ。すごいネトウヨっぽい奴が僕の名前のまま発言していて、「家入ネトウヨなんだ」みたいなことが結構書かれたりとか。あと逆に、「家入一真脱原発」みたいな、脱原発をすごく訴えている人もいるし。
家入一真がネトウヨでもあるし、脱原発を訴えてもいて、それってすごく面白いなみたいな。だから、僕の知らないところで僕が暴走しているんですよ。
ナカノヒトヨ:ちょっと近い、被るような活動を、自分も少し前にやっていたんですけれども。「サザツブ」ってハッシュタグを付けてツイートをすると、それをサザエbotが拾い上げて、自分の場合はサザエbotがツイートするみたいな。
でも結局そこには、その中でサザエbotのナカノヒトヨという選ぶ脳があるから、完全にパブリック化ではないんですけど。でも不思議なのが、多分家入さんの場合はちょっと違うのかもしれないんですけど、おのずとサザエbotっぽい名言を、みんな言うようになってくるんですよね。
それまでは普通に、コピーアンドペーストとかで始めたのがサザエbotなんですよ。名言とか、かつてのアルファツイッタラーと呼ばれる人たちのすごい人気ツイートを、今で言うバイラルメディアみたいなことを、4年ぐらい前からやっていたんですけれども。
当然それで叩かれたりとかもするんです。そのツイートのセレクトショップみたいな行為を、ずっとしていたんですよね、サザエbotで。そのセレクトセンスがフォロワーにも伝わっていて、これはサザエbotっぽいねっていうツイートを、向こうがセレクトして集めてくれるっていう。私がいなくても成り立つ状況ができたのは、少し面白いことだなって思って。
家入:Twitterでいうと、きっと何か、みんなが思うサザエbot像みたいなのがあるんだと思うんですよ。それだから、サザエbotにこういうことつぶやいて欲しいっていうのが、そうやって集まってくるわけだし。きっとサザエbotとして、逆にこうあって欲しいっていうのを裏切るような発言をすると、たぶんがっかりしたりするんですよ。
ナカノヒトヨ:そうですね。フォロワーがやっぱり。
家入:人はやっぱりそうやって、簡単に誰かに依存するっていうのは、Twitterを見ていても、すごく思うところで。だからさっき言ったように、サザエbotはこういうことを言ってくれるんじゃないかとか、そういう期待みたいのを勝手に抱いて勝手に絶望していくわけですよ。
ナカノヒトヨ:そうですね。期待があるから絶望して、最後は恨みに変わって、叩くみたいな行為になる。
家入:そう。最後に恨みに変わるのが嫌なんですよ。がっかりする分にはいいんですよ。僕も別に大した人間でもないので、がっかりされるのはいいんだけど、その期待が大きければ大きいほど、その恨みのパワーみたいなのに、反対側にすごく振れるんですよね。
ナカノヒトヨ:振り子のようになっちゃいますね。
家入:そう。僕は常日頃Twitterで悩み相談受けたりとか、たまに会ったこともない、お金がない妊婦さんのために、お金を集めようみたいな祭をやったりとか。そういうことやっているせいか、僕に何か言ったら助けてくれるんじゃないかって思ってる子たちっているんですよ。
けれど僕、別に助けたいっていう気持ちでやってないので。そういう悩み相談も、お金集めを一緒に手伝うのも、面白いからやっているだけなんですよ。だから、僕に何か言えば助けてくれるんじゃないかっていう思いでやってきた子に対して、僕がちょっとでも辛辣な言葉とか、無視とかスルーとかしちゃうと、「家入さんに言ったら助けてもらえると思ったのに、むしろあいつは敵だ!」みたいなふうに。これってすごく面白いなって思う。
ナカノヒトヨ:わかります。ひっくり返るのが。自分も実は、かなり昔に炎上して、サザエbotってアカウントが停止されたことがあるんですよ。その時に目の当たりにした光景が、フォロワーこそ、すぐにアンチに変わる。
何かそれまではもてはやしていたんですけど、炎上すると、それまで好き好きとか言っていた人ほど、なんかちょっとメンヘラな女性のような感じで(笑)。裏切られたみたいな。もともとこっちも、そんなに誰かの為ってほどのきっかけで始めているわけではないと思うんですけどね。その辺がネットの不思議なところであり、面白いところなのかなと。
家入:そうですね。これは色んなところで言っているんですけど、僕が1番闇が深いなって思ったのは、数年前に「Studygift」っていう、学費に困っている学生の為に学費を集めようってサービスをやって、まあまあ炎上したんですよ。
もちろん僕らに落ち度があって炎上したんですけど。その時に、本当散々いろんな人たちに「死ね」とか「乞食」とかめっちゃ言われて(笑)。炎上している最中は穏やかじゃないんですけど、ある程度落ち着いてきた頃に、僕に「死ね」って言ってくる人たちって、普段どういうつぶやきをしているんだろうなって思って。
「死ね」とか「殺すぞ」とかって言っている人たちを、ひとつひとつ、その人のTwitterアカウントに飛んで、日々のつぶやきを見てみたんですよ。そしたら色んな人たちがいるんですけどね。
ひとつすごく印象的だったのが、証券会社で働いている新卒3年目のOLです、みたいな女の子がいたんです。プロフィールにそう書いてあって、つぶやきも本当にそんな感じなんですよ。「今週末はディズニーランド行くんだ」とか、「今日のランチ美味しかった」みたいな、本当たわいもないことを書いている。それで「来週彼氏とデート」で、結構「ああ、いいなー」みたいな。
若い女の子の日常を垣間見ているような感じで、ちょっとこそばゆい気もしながら見ていたんですけど。その「ディズニーランド行くんだー」とかって言っている間にいきなり「家入死ね」って書いてるんです(笑)。この子に何があったんだろうなって、逆に心配になる。
ナカノヒトヨ:タワーオブテラーに並んでいる時に「死ね」とか言っているかもしれないですからね。その空いた時間で。インスタント「死ね」ですね(笑)。
家入:スナック感覚の「死ね」だ(笑)。
ナカノヒトヨ:スナック感覚で(笑)。じゃがりこ感覚。
家入:そういう意味で言うと、色んなものがスナック感覚になっている感はあるかもしれない。カールおじさんを食べる感覚で「死ね」って言っているんだ。
ナカノヒトヨ:「死ね」と(笑)。
家入:でも、「死ね」って言葉は重いですからね。
ナカノヒトヨ:重いですね。悲しいですね。
家入:闇を見た感じはしましたけど。
ナカノヒトヨ:でも、それに懲りずというか、家入さんの素晴らしいところって、いつ見ても何か新しいことをしているんですよ。何かを始めているんですよね。
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