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#1 ”熱狂体験”をどうアップデートするか?(全2記事)

「週刊少年ジャンプ」を超えると宣言した日 「ジャンプ+」が受け継いだ“新連載推し”の文化 [2/2]

週刊少年ジャンプから受け継いだ新連載推しの精神

籾山:そうですね。僕も『週刊少年ジャンプ』で仕事をする中で学んだり、すごいなと思ったことをスマホでも実現したいなと思って、「ジャンプ+」の仕事をしていたんですけれども。

例えば『週刊少年ジャンプ』は、新連載が始まる時に必ず表紙にするんですね。表紙担当を20代の頃に少しだけやっていた時期があるのですが、新連載を表紙にすると、売上がちょっと下がるんです。例えば『ONE PIECE』とか、人気漫画が表紙になったほうが売れるんですが、それでも「『ジャンプ』として絶対に新連載は表紙なんだ!」って言われていました。

それはやはり次の作品、新しい作品をなんとかつないでいきたいから。『ジャンプ』は今、1968年創刊なので、五十数年経っているんですけど、それだけずっとバトンを渡し続けて、読者と作家さんと編集者が本当につないでつないで今に至っているんです。そういう次の作品、新しい作品を生むことが大事だという、そういうことを「ジャンプ+」もやりたいと思っているので、新作を推すという感じにしていますね。

入江:『ジャンプ』でも、「ジャンプ+」でも、大切にしている考え方なんですね。

籾山:そうですね。

「ジャンプを超える」広告コピー誕生の裏側

入江:私は本を読ませていただいて、印象的だったのが、「ジャンプ+」を作る時に「『ジャンプ』を超える」とか、けっこう強烈な広告を出していらっしゃったじゃないですか。このあたりって、どんな感じだったんですか?

籾山:宣伝でいろいろ協力していただいたコピーライターさんに提案いただいたんですが、『ジャンプ』編集部の一員としてやっているので、今もそうなんですが、「ジャンプ+」が始まった頃は特に「『ジャンプ』を超える!」とかまったく思っていなくて。

『ジャンプ』と同じように人気漫画がたくさん生まれる場所を作りたいと思ってはいましたが、そこを比較してはいなかったんです。でも、やはりインパクトは大事だと思いますし、当時はそれがまったく想像できないというか「そんなことは、ありえない」みたいな感じだったので、『ジャンプ』の編集長が「ジャンプ+」の編集長も兼任していて、編集長が「まぁ、いいんじゃないか」ということだったので出しました。

やったらものすごく反響があって、「ジャンプ+」は、9月22日に「週刊少年ジャンプ」に見開きの、モノクロの広告を入れたんですが、10年以上経ってもいろいろな人にその話をしてもらえるので、「ジャンプ+」をすごく象徴している言葉になったなと思っています。

当時はあまり……。「こんな過激なことを言ってもいいのかな(笑)?」ぐらいだったんですが。むしろ今はちょっと感謝している感じですかね。

ブランドを活かしたデジタル展開への判断

冨山:ニッポン放送は、会社名より『オールナイトニッポン』のほうが有名なぐらい、『オールナイトニッポン』のブランド力があるので、やはり『オールナイトニッポン』という名前に頼ってしまうところがあります。

僕の上の世代って、「『オールナイトニッポン』に頼らないで、新しい、『オールナイトニッポン』以上のものを作るんだ!」みたいな文化がけっこうあって。僕はもうその文化に乗っかったほうがいいんじゃないかという考え方なんです。

やはり「ジャンプ」って絶対的じゃないですか。そういう面で、『ジャンプSQ.』とか、「ジャンプ+」みたいなのって、反対意見はないんですか?

籾山:「『ジャンプ』のブランドを使わず、新しくやったほうがいいんじゃないか」みたいな意見があるってことですよね。そうですね。ただ当時は、反対意見はそこまでなかったです。紙の売上が落ちる中で、あまりにもデジタルのほうに力を入れることに対する懸念というか。そういう意見は社内では、けっこうありました。

とはいえ僕は、『ジャンプ』がインターネット上でも、みんながスマホを持つ中にもあってほしいという考えでやったので、『ジャンプ』以外のブランドでやるという発想は、当時はなかったですね。今は「そういうのがあったらおもしろそうだな」って思いますけど(笑)。

冨山:そうですね。やはり『ジャンプ』って圧倒的に強いですよね。

籾山:そうですね。冨山さんとは同じぐらいの年齢なのでイメージしやすいと思いますが、当時、クラスではみんな『ジャンプ』を読んでいたり、誰かに貸してもらうとかも含めて、な『ジャンプ』が共通言語になっていたところがあったので、そういうものを実現したいという意味でも、やはり『ジャンプ』のブランドを『ジャンプ』編集部としてやることにメリットや意義があるなぁと思っていました。

冨山:まぁ、そうですよね。

入江:始まったばかりという感じですが(笑)。ここまでで、初回のお時間として終了させていただきます。また次回以降も、より深い話をしていただきたいなと思いますので、お付き合いをよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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