2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
Is Skipping Uniquely Human(全1記事)
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スキップしながら道を行く子どもを思い浮かべてみてください。腕を大きく振りながら、飛び跳ねつつ進んで行きますね。子どもはスキップが大好きです。いとも軽々と跳ねて行きますが、大人になるにつれやめてしまいます。スキップは疲れますし、移動手段としてもいまいちです。
しかし、動物界にはスキップする生き物がたくさんいます。成長期の幼体だけではありません。この風変わりな移動手段は、実は「いまいち」どころか、動物たちにとって極めて有効な移動手段なのです。
動物が地点AからBへ移動する手段はさまざまです。私たち人間の二足歩行は自然界では少し変わり種で、他の多くの動物とは異なる動きです。
しかし人間のように二足歩行する生き物は実はたくさんいて、歩行、走行、ジャンプもできます。
ところが、こうした動きはスピードが出ず、動物たちにとってあまり効率良くありません。そのため、歩行よりも走行に近いスピードが出るスキップをするのです。
人間にとっては、同じペースで走るよりも24パーセントも多くのエネルギーを消費するスキップは、決して効率良くはありません。しかし、普段は二足歩行を行わない霊長類の一部にとっては、スキップはとても効率が良いのです。
スキップと聞いてみなさんが想像するのは、おそらくは小さな子どもが、1歩1歩跳ねるように進む姿でしょう。これは正確には“bilateral skipping(両足スキップ)”と呼ばれるもので、利き足が一歩ごとに変わり、前方に出した足で蹴り出すことを繰り返します。このようなスキップをするのは、私たち人間だけです。
同じ片足が常に前にある“unilateral skipping(片足スキップ)”は、人間以外の動物に多く見られます。
マダガスカルでは、人間の仲間の霊長類であるキツネザルが二足歩行を行いますが、地上の長距離を急いで移動する際にスキップします。
キツネザルが人間の成人よりもはるかに巧みにスキップをする理由は、骨格にあります。キツネザルは本来、4本の足を使って歩いたり木に登ったりするよう進化しているので、二足歩行のために立ち上がっても、私たち人間のように後ろ脚をまっすぐ安定して伸ばすことはできません。腰やひざは常にやや曲がった状態になります。
そのため、人間のように伸ばした脚で力強く蹴り出すことができず、スキップの方がより俊敏に動けます。また、片足で体全体を支える時間がより短く済むため、走行するよりも体が安定します。スキップは、二足歩行に適応していない動物にとって、より安定した体勢が取れるのです。キツネザルが走るよりもスキップを好むのには、このような根拠があります。
スキップをする生き物は、他にもいます。鳥です。
鳥の重心は人間とは大きく異なり、走るより跳ねることに適した脚と腰を持っています。小型のスズメの仲間は体重も軽く、軽々と跳ねて移動します。大型のカラスやカササギの仲間は、地上を急いで移動する際にスキップをします。走行ほど効率的ではないにせよ、同程度の労力でより安定した体勢が取れるためです。
アフリカ北部やアジアの砂漠地帯には、トビネズミというスキップをする動物がいます。
このげっ歯類は2本脚で跳ねて移動します。捕食者から逃れる際には、走行、スキップなどを織り交ぜ、巧みに方向を変えて逃げ回ります。逃げ場の少ない、見晴らしのよい砂漠地帯に生息しているため、こうした予測不能な動きで外敵から逃れるのです。
このように、人間とは体の構造が異なる動物にとって、スキップは効率の良い移動手段です。
人間は、地球上ではどうもスキップ移動は分が悪いようです。ところが、人間にとってもスキップが有効な場所が一つだけあります。月面です。
アポロ計画で月面歩行した宇宙飛行士たちは、ごく自然にスキップに移行しました。低重力下では、スキップの方が楽だったのです。
NASAの仮説によりますと、宇宙飛行士たちは、より安定性が高いため、スキップ移動をしたのではないかとされています。地球上で低重力を再現する実験では、被験者たちを回転装置にハーネスで吊って動きを解析したところ、やはり、スキップの方が走行するよりも楽に動けることがわかりました。
月面歩行を経験した宇宙飛行士の人数は限られており、この実験は規模が小さくならざるをえませんでしたが、コンピュータモデルでもまた、月面のスキップ移動は効率的であるという結論が出されました。月面では、地球上での歩行と同等のエネルギーだけでスキップが可能であり、安定性も高かったのです。
エネルギーをたくさん消費するスキップは、エクササイズをしたい人には向いていますが、宇宙飛行士でない私たち一般人にとっては決して効率的とは言えません。また、二足歩行よりも四つ足で移動する生き物に向いているようです。
もしみなさんが“内なる子ども”、つまりインナーチャイルドを開放したかったり、“内なるキツネザル”や“内なる四つ足動物”を開放したい場合は、ぜひやってみてください。スキップするのには歳を取りすぎたなどと言うことはありませんよ。
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