
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
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水野梓氏(以下、水野):いろいろ聞きたいことがあるんですけど、実はお時間が過ぎてしまいまして。私から最後の質問をしてもよろしいですか?
松田雄馬氏(以下、松田):もちろんです。
水野:「主体性」という言葉が、けっこうキーワードのように出てきたんですが。
松田:確かに。
水野:私も「ゴンドラ猫の話」を聞いていて、自ら動いて世界との距離感をつくって、自分で動いていくことがすごく大事なんだなぁと思ったんですけど。巷で言われている「主体性」と松田さんがおっしゃっている「主体性」が、ちょっと違うかもというコメントを(視聴者がチャットに)されていて。私もなんとなく、よく言われる「主体性」とちょっと違うなと感じたんですけど。松田さんの中で、違いがあったりするんですか?
松田:よく言われる「主体性」と僕の「主体性」がどう違うか。一旦、代表的な意見かわからないですけど、水野さんのイメージで言う、世の中的な「主体性」と今日話してた「主体性」の違いって……。
水野:例えば「主体性を持って将来の道を決める」とか「主体性を持って自分の興味のあるものを決めて、学習カリキュラムを決めて」みたいなことが、教育で言われる「主体性」かなって思ってたんですけど。松田さんの言う主体性って、もっと根源的な「自ら動く」感じなのかなと思って聞いてました。
松田:本当は変わらないはずなんだけど、要は……このピラミッドのどこで話してるかだと思うんですよ。世の中的な「主体性を持って将来を決める」みたいな話って、(ピラミッドの)先っちょのほうで話してるのかなって。すごく記号的な話ですよね。
一方で今日のお話の「主体性」は、存在そのものの話だったりするんですよ。要は「自分で動こうとしないと、そもそも自分と世界とのつながりができない」っていう「主体性」の一番下の部分なんですね。
当然ながら、そこ(主体性の一番下)が担保されて、すごく安心・安全だねと。「自分で生きていけるよね」「自分はこの世界で受け入れられてるよね」「自分の見てるこの世界は、自分が経験しようとして経験した世界だよね」……というところから、徐々に上がってくることで「そりゃ将来も自分の力で考えるよね」という感じだと思うんですよ。
自分の存在そのものが脅かされる状況で「未来のことを考えろ」と言ったところで、考えられないワケですよね。「今見てるこの世界は間違いなく自分が経験した世界だから、それが明日変わったところで同じように自分で経験すればいいんだ」ってわかった上での「未来のことを考えよう」なのかどうかが、すごく大事だと思いますね。
水野:なるほど。根源的な、下の部分の主体性が、動くということなんですね。
松田:そうですね。
水野:なるほど、わかりました。ありがとうございます。
水野:みなさん本当に、いろんなコメントやご質問、ありがとうございます。
松田:今日のコメントの数すごいですね(笑)。
水野:すごいです(笑)。一部、副音声解説もあったんですけど(笑)。
松田:マジですか、見たかった(笑)。
水野:本当にこの短時間で収めていただくのがもったいないすごく濃密なお話だったので、詳しく知りたい方はぜひこちら(『人工知能に未来を託せますか?』)をお読みいただいて。
松田:ぜひこちらを(笑)。
水野:私なんかすごくたくさん付箋を付けてしまって「付箋の意味あるのか?」という感じになってるんですけど(笑)。
松田:(笑)。いや、ありがたいです。
水野:松田さんのお話を聞いていて大事だなと思ったのが「共生しよう」とか「AIとうまく付き合おう」って言うけど、でも(AIを)知らないとダメだし。逆に、途中で「AIの尻拭いをしてる人間」みたいな話もありましたけど、人間のできないことをやってもらってる面もあるワケなので。
私は大学時代は「テクノロジー怖い」っていう立場だったので。「いつかきっと復讐されるんだ」みたいな気持ちでいたんですけど(笑)。今日聞いていて、そんなに喧嘩せずにというか、お互い補い合って……でも結局は主体性を持ってるのが人間なので、人間が未来をデザインして決めていくことになるんですけど、そこにうまくAIの力を借りていければいいのかな、と思って聞いていました。
松田:はい。
水野:最後、松田さんからみなさんにひと言、お願いしてもよろしいですか?
松田:えっ! 何だろう。
水野:華麗に松田さんにまとめていただいて(笑)。
松田:まとめられてねぇー……(笑)。実は明日、TOKYOFMというラジオ局へ収録に行くんですけど。
水野:えっ、いつ放送なんですか?
松田:TOKYOFMさんのWebサイトで特集を組んでくれることになって。『松田雄馬のFUTURE TALK』というコーナー。
水野:めっちゃフューチャーされてるじゃないですか。
松田:めっちゃフューチャーされちゃうんですよ。そこで言われたのが、10年後・20年後の未来、今の子どもたちは大人になってるワケじゃないですか。その中で例えば不登校とか、いろんな問題を抱えている子が多いと。そういう子たちに良いメッセージを届けてくれということを、ディレクターさんとお話をしていて。
それですごく「そうか」と思って。「世の中に受け入れられてない感」を感じてしまう人って、大人もそうですけど、今のこの社会にすごくいるじゃないですか。なんかもったいないなと思うというか。
「主体性」の話なんてまさにそうですけど「主体性を持って将来を決めるんだよ」なんて、その言葉を言って通じる人は、最初から(将来を)決めているワケです。そうじゃないということは、ピラミッドの下のほうが脅かされてるワケですよ。だからそんなことを言う暇があったら、安心・安全に生きられる環境をつくってあげるほうが大事なんだろうって思うんですね。
だから明日は「自分らしく生きられるような時代になったらいいね」なんていうのを話していきたいなと思ってるんです。
松田:ぜひこれ(『人工知能に未来を託せますか?』)、買っていただかなくてもいいんですけど……って言おうとしたんですけど(笑)、今日来ていただいた方はぜひ、ちょっと難しい話もあるんですけど、ぜひ読んでいただきたい。
「クリエイティブでなければ生き残れない!?」と帯にも書いてるんですけど、「主体性を持って生きろ」とか言われてるじゃないですか。
水野:脅し文句的な感じですよね。
松田:ほんましょうもないこと言うなよ、って感じですけど(笑)。そんなこと言わなくても「そもそも生きていること自体がクリエイティブなんだぞ」っていうのが当たり前な世の中になったらいいなと思います。
水野:本当ですね。みんなにこの言葉が届いてほしいなと思いますね。
松田:ええ。本当に今日、「からだのシューレ」ならではの濃密な時間をみなさんと過ごせなと思うので。ぜひみなさんにも発信者になってほしいなと思います。
水野:「こんな言葉に惑わされないで」とか「もっと仲良くできるらしいよ」とか「生きてるだけで創造的だよ」と、みんなでチアーアップする感じで進めていけたらいいですね。
松田:ぜひぜひ。
水野:「松田さん、いつも笑顔でお話しされるのいいですよね」っていう副音声が入っております。
松田:副音声が(笑)、ありがとうございます。
水野:(笑)。私も思います。
松田:ありがとうございます(笑)。
水野:すいません、時間を少しオーバーしてしまいましたが、今日も「からだのシューレ」にご参加いただきありがとうございます。またイベントを開催していきますので、またみなさんにお目にかかれたらうれしいです。
松田:どうもありがとうございます。
水野:松田さん、どうもありがとうございました。
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