2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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宮田:というところで、時間が迫ってきたそうなので、いただいている質問に答えていければと思います。まず事前にいただいた質問から何個か取り上げてみたいと思います。
これは前回「ゲームクリエイターヒストリア」に出ていただいた神崎建三さんからの質問です。もしかしたら見ていただいているかもしれないですが「何歳までゲーム業界で働こうと考えていますか?」という質問です(笑)。
桐田:(笑)。ほぼほぼ棺桶に片足を突っ込んでいるようなこともありましたし「何歳まで」と別に決めてはないですけど、仕事をするのが楽しいと思えるうちは続けたいなと。だから「何歳」って区切りは、今のところ決めてないですね。
宮田:なるほどですね。逆に今も楽しいということですよね。
桐田:以前のプロデューサーをやってた時の楽しさに比べれば、半減なんですけど(笑)。でも楽しさのほうがまだ勝ってるかなと思うので。
宮田:そればすごくうらやましいです。60歳を越えたタイミングでも「楽しいです」と言えるようなクリエイター人生というのは。
桐田:(笑)。
宮田:みなさんも、きっとそうしていきたいと思っているはずですけども。桐田さんは素晴らしいですね。
宮田:あとですね、登壇いただいたみなさんに聞いている話ではあるんですけれども。もしタイムマシンで自分の歴史をある地点からやり直せるとしたら、やり戻したいポイントってありますか? 「やり直したいポイントは特にないです」みたいことでもいいんですけど。
桐田:仕事の中で考えると、やっぱりプロデューサーからステップアップしたタイミングがあるんですけど、その時にプロデューサーを貫けばよかったなと思いますかね。
宮田:それは、プロデューサーの時が一番楽しかったというか。
桐田:要は自分の作りたいものがあるからこそプロデューサーでいられると思うし、そういう作りたい人と一緒に仕事をすること自体が楽しいと思ってたので。「ポジションが変わると、もっとおもしろいことがあるかな?」と思ったら、意外におもしろくなかったんですよね。
宮田:なるほど(笑)。
桐田:というぐらいかな。めっちゃ後悔してるとかじゃないですけどね。
宮田:もしやり直せたら、プロデューサーの道もおもしろそうだなってことですよね。やっぱりプロデューサーのおもしろさって質が違いますもんね。
桐田:違いますね。
宮田:逆にセールスからプロデュース、制作のほうに移っていったところに関しては、おもしろい面も大きかったですか?
桐田:はい、大きかったですね。
宮田:なるほどですね。今までお話を聞かせていただきましたが、さきほど「60歳でもまだ楽しい」って発言もありました。自分の人生を振り返った時に「なんでこんなふうになっちゃったんだろう」みたいな、ネガティブな人生になるとすごくもったいないと思っていて。
最後に桐田さんが伝えられる「後悔しないクリエイター人生を歩む秘訣」って頂くことはできますでしょうか? 難しい思うんですけど。
桐田:そうですね。僕はクリエイターではなくてプロデューサーだと思うんです。
なので参考になるかはわからないですが、ここ最近読んだ本で、西和彦さんの著書で『反省記』っていう書籍があって。
西さんといえばMicrosoftの初代副社長だったり、史上最年少でアスキーを上場させたりと、輝かしい経歴をお持ちです。ですが、Microsoftとアスキーから追い出された経緯があると。
でもその時に、本の中にあったコメントで「これはそうだな」と思った箇所があって。「過去の人生にIFはない」っていう。そうだよなぁと思って。
「過去を反省して、真実を知って、未来に活かす」っていうコメントがあったんですが、なるほどと思って。1日をそういう感覚で過ごしていくと、明日が変わってくる可能性もある。そういう物事の捉え方をするのはアリだなと。60歳になって「そうだ」って気付くのもおかしいんですけど(笑)。
宮田:いやいや(笑)。
桐田:そういうことを改めて感じたので、みなさんにもぜひ考えてもらってもいいのかなと思ってお伝えしました。
宮田:確かにおもしろいですね。それこそ日々データや過去が貯まっていく中で、その歴史が未来を作られていくと。その考えで言えば、確かに60歳になっても先を楽しめるといいますか。
桐田:そうですよね(笑)。それと好きな言葉というか。よく自分の中で反芻する言葉があるんですけど、「和をもって貴しと成す」って言葉ですね。安易に調和を取ることではなくて、お互いが納得いくまで議論するという意味が込められていると思うので。そういう協調やしっかり話をするということが好きですね。
クリエイターの立場だと「自分の作りたいものはこれだ!」って突っ走っちゃう恐れもあるので。でもそういうのじゃなくて、自分のやりたいことを実現するためには、そういうステップを必ず踏みましょうね、ってところも心がけていただけると良いと思います。たぶん周りの人も納得してくれるだろうし、サポーターも増えると思うので。
宮田:なるほどですね。ものづくりの現場とかだと、どうしてもそれぞれのこだわりや「こっちのほうが絶対いい」って思いがぶつかることもある思っていて。ぶつからないことを選ぶのではなく、ぶつかり方の意識を持てといいますか。
お互いにどこまでいってもチームであり、どうやって仕上げていくか? というところで「和を以て貴しと成す」じゃないですけど。そこらへんは頭に入れておくと、絶対なにかにつながるといいますか。それこそ桐田さんの歴史の中でも、全部過去のつながりがあって今があるワケですもんね。
桐田:はい。良い人と巡り会えたなと。まだ人生終わってないんですけども(笑)。
宮田:(笑)。
桐田:本当に、ゲーム業界の中で良い方々と巡り会えたのは、僕の中ではある意味、財産だと思うんです。
宮田:そういった考え方をするのはすごく大事ですよね。どんなに良い人に巡り合えたとしても、自分がそういうふうに思えてないと、そういった関係性にはならないと思うので。
長い間ずっとやられてきた中で、人間関係を大切にすることが重要とまとめていただけことは、すごく参考になりました。みなさんもぜひ今の言葉を胸に抱いて、クリエイター人生を歩んでいただければと思います。という今回のまとめですね(笑)。
桐田:はい(笑)。
宮田:では今回のまとめを簡単にさせていただきます。
桐田さんのお話を聞いてみると、クリエイターヒストリーは、単発で終わるものではなく、積み重ねてストーリーが作られていく。これが大事なところかなとは思っています。
同様にクリエイターとしてすごく活躍されてた方も、みなさんやはり積み重ねられていると印象を持っています。桐田さんのお話も、たくさんの積み重ねがあって、良い時も良くない時も、そういったものを常に乗り越えて今に至ってるんだなと感じています。
それこそ先ほど出てきた「過去を積み重ねて未来に活かしていく」みたいなことを意識していくのが、良いクリエイター人生を目指していく中では大事なことなのかな、ということで「クリエイターヒストリア」のまとめとさせていただければと思っております。
クリエイター人生は自分で主体的にストーリーを作っていくものです。ただ「主体的に」と言いつつ、人との関係知や環境がある中での人生だと思います。桐田さんのように、みなさんも自分のキャリアやストーリーを日々意識して、今の仕事に向き合っていただければよいのかなと思います。今回のお話を1つ参考にしていただければと思います。
それでは第三回クリエイターヒストリアは以上になります。桐田さん、ありがとうございました。
桐田:どうもありがとうございました。
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