2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
リンクをコピー
記事をブックマーク
桑江令氏:ではさっそく、第一部をスタートさせていただければと思っております。まず『デジタル・クライシス白書2021』のご報告をさせていただければと思います。
最初に『デジタル・クライシス白書2021』の概要についてでございます。近年、デジタル上で、危機や重大なトラブルといった“クライシス”が増加・深刻化してきていること。そして、今後さらなる拡大が想定され、高度化・複雑化・グローバル化することを鑑みまして、ソーシャルメディアを中心としたデジタル上の各種媒体と、クライシスの特性や傾向と論調を把握する目的で制作いたしました。
内容としては「炎上事案」や「デマ情報の統計データ」を掲載しております。後ほど詳しくお話させていただければと思います。このセッションを通じて、デジタル・クライシスに対する予防や準備を検討、または実行する上での一助となればと考えております。
では最初に「炎上発生件数」についてお伝えしていければと思っております。弊研究所では、昨年(2020年)1月に2019年度の白書も発行しておりますので、前年との比較も行えればと思っております。
まず前提となる「炎上の定義」ですが、SNS上で100件以上の言及があった。つまり、リツイートやリプライが一定数発生したネガティブな事象のことを炎上と定義しております。
こちらのグラフをご覧ください。2019年と2020年の「炎上発生件数の比較グラフ」になっております。黄色の部分は、コロナに関連する炎上事案をまとめております。
まず2019年と2020年の炎上件数を見ていきますと、2019年が1,228件だったのに対して、2020年が1,415件。昨年との対比だと15.2パーセントの増加になっておりました。これは1日平均にしますと、約3.9件の炎上が発生していることになります。
そして、そのうち新型コロナウイルス関連の炎上が158件。全体の11.2パーセントを占めておりました。これを見ても、コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、炎上件数を押し上げていることが言えると思います。ちなみに昨年、最もコロナ関連のネガティブなツイートが多かった日は、志村けんさんがお亡くなりになった3月29日と30日になっておりました。
そして、(初の緊急事態宣言や感染者が拡大した影響で)日本に社会的不安が増大した4月の炎上発生件数は245件でした。昨年と比べますと、約3.4倍も増加したことが見て取れます。つまり、社会的不安が炎上件数の増加に直結していると言えるのではないかと思っております。
では、なぜ大きな社会的不安があったにも関わらず、炎上発生件数が前年比15パーセント増にとどまったのかと申しますと、昨年の後半から、企業側が積極的なPRやプロモーションを控えていたことが挙げられます。そういった状況の中で、15パーセント増になってしまったことに留意しなければいけないかなと考えております。
では次の「炎上事案を放送・記事化するメディア」について見ていきたいと思っております。炎上事案が発生してSNSで拡散した後に、メディアがその情報を放送・記事化したか? について調査したところ、2020年は(炎上事案を記事化したメディアのうち)98.7パーセントをデジタルメディアが占める結果になりました。昨年が78.6パーセントでしたので、デジタルメディアの数値が大幅に増加をしていることが挙げられます。
また、炎上事案を放送・記事化したデジタルメディアの数は、2019年は合計13個でしたが、2020年は44個と約3倍に増えております。これは「炎上をテーマに記事化をするメディア自体が増加している傾向がある」と感じております。
続いては「炎上事案が発生してから放送や記事化されるまでの速度」に関する調査結果になります。グラフを見ていただくとわかるとおり、24時間未満で放送・記事化されたものが、ほぼ半分の48パーセントになりました。
2019年が21.4パーセントでしたので、倍以上のスピード感になっています。炎上が発生してから放送・記事化に至るまでの速度が格段に早まったことが、お分かりいただけるのではないかと思っております。
続いては「炎上事案と関連性が高いキーワード」の調査結果でございます。まず炎上事案のツイートに含まれる単語を分析した結果が、こちらになります。
2020年の1位は「#拡散希望」となっており、2位が「#炎上」3位が「#korekore19」というワードという結果でした。2019年の場合は、1位が「#炎上覚悟で嫌いなものを言う」、2位が「#炎上」、3位が「#拡散希望」でした。
これを見ていただくとわかるとおり「#拡散希望」というハッシュタグを付けて投稿する方は、世の中に拡散させたい気持ちで投稿しているわけですね。つまり、いちユーザーが「世間に投げかけたい」「拡散させたい」という思いを持って投稿していることが、実際の炎上につながっていると言えるように思います。
2020年の新型コロナウイルス関連から申しますと、9位に「#東京脱出」、19位に「#新型コロナウイルス肺炎」がランクインしております。また「#korekore19」という、YouTuberのコレコレ氏を指した言葉もありました。YouTuberを筆頭に、SNSや動画サイトを使った生配信が炎上のきっかけになるケースが増加していることも読み取れると思います。
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05