2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
These Slugs See with Their Brains(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ステファン・チン氏:正常な視力を持つ人であれば、視覚を伝える唯一の器官は2つの目かもしれません。
その場合、目以外の身体の別の部位で「見る」ことを想像するのは難しいでしょう。しかし、目以外の器官で「見る」ことができる生物は、実はそう珍しくはありません。一例として、ナメクジが挙げられます。
もちろんナメクジにも目がありますが、なんとナメクジは視力を失っても脳の光受容器を用いて「見る」ことができるのです。この仕組みがわかれば、視覚がどのような進化を遂げてきたかを解明できるかもしれません。
厳密に言えば、人間も物を見る際には脳を使うため、ナメクジが脳で「見る」ことができるのはそう目新しい話ではないかもしれません。人間の脳は、目から送られた視覚情報を映像化します。
人間は、脳だけでは「見る」ことはできませんが、なんとナメクジの脳は「見る」ことができます。
ナメクジの脳に光に反応するニューロンがあることは、以前から知られていました。しかし、その機能や役割についてはよくわかっていませんでした。そこで2019年、研究者たちはこれを詳しく調べることにしました。
ナメクジは、2本の触角の先端にある高性能な目を使って周囲を知覚します。
さらに乾燥を嫌うため、光を避けて夜間や曇った日に活動し、波長の短い青色の光に敏感に反応します。青い光には、周囲が暗い場合であっても見える性質があります。
科学者たちはナメクジの目を切除し、目が無い場合にはどのように光に反応するかを調べました。するとナメクジは、視覚を奪われた場合でも、短い波長の光を避けることがわかりました。
ところでナメクジは、頭に光が照射された場合のみ反応を示し、尾に照射された場合は反応しませんでした。そのおかげで、反応が起こる部位を絞り込むことができたのです。
最終的にわかったことは、ナメクジは以前から知られているオプシンというたんぱく質を使って光に反応しているということです。
オプシンは、光を吸収することで活性化されます。そして、オプシンを持つのはナメクジだけではありません。クラゲから人間に至るまで、動物界のほとんどの生き物の目で使われ、視覚において大切な働きを果たしています。
しかし、ナメクジの脳にあるオプシンは、光がどこから射して来るかまでは感知することができません。そのため実験に使われたナメクジは、暗い場所を見つけて移動を開始するまで、しばらくもたもたと動きまわっていました。
このような欠点はありますが、ナメクジが暗い場所に移動するのにオプシンがとても役に立つことは間違いありません。
さて、光に反応する脳を持つのはナメクジだけではありません。ホタル、オタマジャクシ、魚の稚魚など、他にも多くの生物が同様の特性を持っています。
実はこのような光への反応は、遠く離れた系列種の脊椎動物の間に広くみられる形質です。そのため、目よりも古くから存在する、共通の進化的特徴であると考えられています。
視覚を奪われたナメクジを研究することで、視覚の進化の謎に光が射すと言うのですから、なんとも不思議な話ですね。
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗