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40歳の起業家と、戦国時代の「戦」の話をしよう。(全8記事)

起業家・須藤憲司氏×歴史好き芸人・房野史典氏 「戦国の戦」と「現代のビジネス」は、ここが似ている!

著書『ハック思考』がヒットした起業家・須藤憲司氏と、新刊『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』が出たばかりの歴史好きお笑い芸人&作家・房野史典氏は、同い年の40歳。房野氏が新刊の中で「終わりの見えない戦国の世」と「先の見えない現代」を重ねて人間の面白さ、歴史の面白さを描きだす一方で、須藤氏は『ハック思考』の中で「歴史上の偉人たちのマンガが繰り返し僕に教えてくれたことこそが、世界をハックする方法です」と語っています。そんな中、須藤氏の「戦国武将を起業家と見立てて、話してみたいですね、房野さん」という一言から、今回の対談「40歳の起業家と、戦国時代の『戦』の話をしよう。」の開催が決まりました。本パートでは「『準備が9割』で、戦う前にほぼ決まる」「戦の兵站≒スタートアップの資金調達」などについて、話しています。

次のパートはこちら

「40歳の起業家と、戦国時代の『戦』の話をしよう。」

房野史典氏(以下、房野):よろしくお願いします。

須藤憲司氏(以下、須藤):よろしくお願いします。

(会場拍手)

房野:須藤さん、このイベントにはタイトルがありまして。「40歳の起業家と、戦国時代の『戦』の話をしよう。」という。

須藤:どっかで聞いたことあるタイトルですよね。

房野:そうなんですよ。

(会場笑)

僕がこういう本を出しまして。『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』という。

13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。

これを出したんですけれど……あ、自己紹介しないといけないですね。

須藤:そうですね。

房野:(お笑いコンビ)ブロードキャスト!!の房野と申します。よろしくお願いします。

(会場拍手)

須藤:はい、どうも。『ハック思考』という本を出しております、起業家の須藤憲司と申します。

ハック思考〜最短最速で世界が変わる方法論〜 (NewsPicks Book)

房野:よ!

(会場拍手)

俺の周りにシリコンバレーで起業したやつ、いなかった

房野:イベントタイトルにあるように、須藤さんが40歳で。

須藤:房野さんも同い年ですよね。

房野:そう。同い年なんですよ。40歳の起業家ということで、タイトルに使わせていただきましたけど。すごいですね。「タメなんだ」と思って。

須藤:タメです。何がすごいですか?

房野:いや、ちょっと。

須藤:誰しも、いつかは40歳になりますよ。

房野:そう。そうなんですけど……。

須藤:同い年ということね。

房野:同い年。最初に須藤さんのことを認識したのが、西野(亮廣)さんとかと一緒にやられている動画を見た時で。「あ、こんな人がいるの? おもしろいな」と思ってて。そこからだいぶ時が経って。

須藤:そうですね。

房野:その時に調べたら「え、同い年?」となって。

須藤:うん。同い年。

房野:俺の周りにシリコンバレーで起業したやつ、いなかったんですよ。

(会場笑)

須藤:そうですよね。

房野:本当に「え!」となって「うわっ」となるんですよ。同い年って。

須藤:はい、はい。

房野:こんなにすごい人、同い年かって。

須藤:とんでもないです。

房野:ちょっと凹むというか。

須藤:なに言ってんですか。こんなおもしろい話ができる“作家さん”います?

房野:逆なの!

(会場笑)

房野:「お笑い芸人で、作家もやっている」と、毎回言ってる!(笑)。

須藤:そうか〜(笑)。

房野:「そうか〜(笑)」じゃないんだよ。

須藤:うっかりしていました。

房野:うっかり屋さんだなぁ。

(会場笑)

房野:芸人やって、これ(本)も書いた、という話なんです。

須藤:そういうことですね(笑)。

房野:40歳タメ同士で、須藤さんも歴史がお好きということで。

須藤:大好き。

房野:いろいろ対談やってみようと感じです。

須藤:よろしくお願いします。

「戦」と「ビジネス」の共通点

房野:今日、お客さんが数名来ていただいて。

須藤:ありがとうございます。

房野:ありがたいです。こうやって須藤さんに来ていただいて。

須藤:いえいえ、もうぜんぜん。房野さんのためだったら来ますよ。

房野:めちゃくちゃ格好いいこと言ってくれる。ありがたい。

須藤:さっき神戸から帰ってきました。

房野:ええ!? すごく申し訳なくなってきた。

(会場笑)

須藤:だって、戦の話がしたかったんです。

房野:(笑)。

(会場笑)

房野:めちゃめちゃ好きじゃん。

須藤:好き。もう、すごい好き。

房野:さっきも楽屋でしゃべってたんだけど、戦って、やはりベンチャーとかそういうスタートアップの起業に似てるんですね。

須藤:ビジネスに似ています。

房野:ビジネスに似てる。

須藤:めちゃくちゃ似てる。

「準備が9割」で、戦う前にほぼ決まる

房野:どんなところが似ていますか? 戦って。

須藤:まず「準備9割」。

房野:準備9割。

須藤:準備9割。

房野:はあ。

須藤:だって、戦う前にほぼ決まっていません?

房野:けっこうありますね。「準備大切」というのはもちろんありますね。

須藤:よくストーリーだと「一発逆転みたいなのがいい」というけど。案外、長い歴史の中でそんなのないですから。

房野:なるほど、なるほど。

須藤:ないじゃないですか。

房野:なかなかないです。

須藤:なかなかないから、話になっているだけ。

房野:おっしゃるとおり。桶狭間の戦いについて僕も本で書きましたけど、珍しいからこれ、歴史に残っているんですよね。

須藤:そうなんですよ。「それから何を学ぶんだ?」という話なんですよ。

房野:なるほど。はい。

須藤:むしろ、9割くらい準備をちゃんとして、ちゃんと普通に勝っている戦のほうが大事じゃないか。

房野:なるほど! 確かに、確かに。

須藤:冷静に考えると。

房野:やはり、どうしても突飛な勝ち方をしてたり、トリックスターが出てきてすごいことやったり、という方に目が行きがちだけど。それよりも、言っちゃあ悪いけど地味な戦いのほうにこそ、(戦いの真実が)潜んでいるということですね。

須藤:基本「小が大に勝つ」って、あまりないわけですよね。

房野:なかなかないですね。

須藤:ないですね。だから準備してちゃんと人を集めよう、みたいな。これ、ビジネスですからね。

戦の兵站≒スタートアップの資金調達

房野:なるほど、なるほど。さっきも言われていたけど、戦国の戦いにおいて、兵站(へいたん)というのがめちゃくちゃ大事なんですよ。兵站というのは物資を供給すること。簡単に言えば、兵たちが食べるお米とかが、戦場になきゃもう終わりじゃん。そこまでの準備が本当は大切であると。

そのための補給路を確保して届ける。これ、めちゃくちゃ大切じゃないですか。ビジネスは、そこが超重要ということですね。

須藤:だからスタートアップの人たちは、資金調達しているわけですね。

房野:はあ! なるほど! お金が要る理由というのは聞きますけれども。

須藤:お金ないといいビジネスできないですから。毎日呼吸してるだけでも、お金がかかってくるわけじゃないですか。私たちもご飯食べていますから。そのために起業とか資金調達をして、兵を集めて、よし、この戦場で戦う。……この戦場が、マーケットですよね。

房野:これがマーケット⁉

須藤:そうそう。まず、ここ(この分野)で戦おう、というのを決めて、しかも立地も大事じゃないですか。

房野:はい。

須藤:どこに陣を敷くか。ポジショニングでしょ?

房野:ああ、はい、はい、はい。

須藤:こうやって見ていくと同じ所が沢山あって、とても参考になるんです。だからすごい好きなんですよ。

資金調達と人材確保に欠かせない“錦の御旗”

房野:そういうことか。でも、資金調達って、僕はまだビジネスマンじゃないのでちょっとわからないんですけど、どういう手順でやっていくもんなんですか?

須藤:これは、しちゃいます? そんなちゃんとした話。

(会場笑)

房野:したほうがいいだろ! 望んでいるだろう、絶対。

須藤:そっか。

房野:ここからずっと、芸能人の不倫の話とかになっても盛り上がんねぇだろ。

須藤:ビジネスも戦も基本同じで。例えば、日本の戦いもそうだと思うんですけど、大義名分がめちゃくちゃ大事じゃないですか。

房野:めっちゃ大事です。この人に正義があるかどうかというのが、もう100パーセント要ります。

須藤:そうですよね。要は「自分たちはミッションを掲げて、どんなふうなことをやりますよ」という「大義」があると、結果としてお金も人も集まりやすくんですよ。

房野:なるほど。戦国時代というのは室町時代の途中から始まって、その時代には「将軍」という大きいボスがいるわけです。さらに上には、影は薄くはなっているけど「朝廷」という組織があるわけですね。

朝廷とか幕府、これが自分の味方に付いているというのが、めちゃくちゃ重要なわけですよ。ビジネスでいっても、そういうなんか……。

須藤:そうです。“錦の御旗”が大事なんです。

房野:要るんですね。

須藤:要る。それがないとただめっちゃ儲かります。「ウェイウェイ!」みたいな(チャラい)やつに、普通はお金出したり、応援したくないでしょ(笑)。

房野:なるほど。理念の内容が、ただただチャラけたやつだったら……。

須藤:あと、ミッションとかビジョンとかが、何で大事かというとですね、冷静に考えると人を集めようと思ったら、まともな人来てほしい。いい人に来てほしいですよね。

房野:いい人材に来てほしい。

須藤:「自分、わかるんでやります。チョリース!」みたいな人は……。

房野:チョリース。

(会場笑)

須藤:(大義がチャラかったら)来ないわけですよ。まともな人は。

房野:会社自体が「俺は儲けたいだけなんです」そんな感じでやっていたら、いい人材は来ない、と。

須藤:普通、来ない。

房野:なるほど。

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