2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
The Insect Nothing Messes With Meet the Velvet Ant(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:今からごく当たり前のことをお伝えしますが、誰だって食べられたくはありませんよね(笑)。そのため生き物の世界では、捕食者から身を守るためにさまざまな適応を遂げてきました。固い外殻、けばけばしい色彩、強い痛みを伴う針などがそれです。それでもほとんどの生き物は、誰かのごちそうになってしまいます。しかし、アリバチという生き物は例外です。
この小さな昆虫は、無数の防御法を持ち、なんとも食欲をそそらないパッケージに適応しています。さらにアリバチはあまりにも手強いため、エサにしようとする生き物はほとんどいません。
アリバチは、正確にはアリではなくハチです。オスは飛べますが、メスは羽を持っていません。そして、巨大な刺針を持っています。実際、アリバチの刺針は、体の大きさで比較すれば、ハチの中でも最長です。
その上、強い痛みを発生させる毒もあります。しかし、アリバチが捕食者への牽制に使うのは毒針だけではありません。きわめて頑丈な外骨格もあるのです。
例えば、アリバチを潰すには、通常の蜂と比べて約5倍の力が必要になります。しかも、アリバチは丸くてつるつるしており、かみ砕くのは至難の業です。これは、研究者たちがアリバチを潰す実験で最初に気付いたことであり、滑ってしまうことでうまく掴めないのです。
当然のことながら、アリバチの方も噛み砕かれるのはごめんです。そこで、さまざまな警告サインを出します。アリバチのベルベットに似た部位は鮮やかな色であり、これは視覚的に警告を発しています。さらに腹部の一部をこすることで、大音量で警告音を発します。また、アリバチは臭い警報フェロモンも発するのです。
こうした警告は、単独でも捕食者を牽制することができますが、これらの防御と警告のコンビネーションは最強です。さらに他の生き物に対し、アリバチにちょっかいを出してはいけないと学習させることもできるようです。
例えばある実験では、過去にアリバチと関わったトカゲは、一年以上に渡ってアリバチを避け続けました。また別の実験では、鳥は大好物であるはずのおいしいエサを、アリバチそっくりに塗装しただけで、まったく食べようとはしませんでした。
そして、捕食者がある特定のアリバチと遭遇しない限り、学習ができないということはありません。アリバチの種の多くは、互いにカラーリングを模倣しています。これは、科学用語で言うところの「ミューラー型擬態」というものです。つまり捕食者が、アリバチのいずれかの一種と遭遇さえすれば、他のアリバチとは関わろうとはしなくなるのです。
科学者たちは、アリバチと他複数の捕食者を対峙させ、捕食者がアリバチに食いつくかの実験をしました。実験には、クモ、トカゲ、アリ、鳥、モグラ、アレチネズミ、トガリネズミなどが用いられました。すると、ほとんどがアリバチにまったく近寄ろうとはしませんでした。実際に食いついた生き物はわずかであり、しかもほとんどがアリバチを吐き出してしまったのです。
知られている限り、ヒキガエルが唯一アリバチを恒常的に捕食する生き物です。しかし、アリバチを食うのはそう簡単ではありません。ヒキガエルはエサを丸のみしますが、アリバチはヒキガエルの腹の中で20分以上は生きのびているのです。そのため、ヒキガエルですら、最後にはアリバチを吐き出してしまうのです。
アリバチの防御への極端なまでの執心は、どうやらその生態に由来するようです。メスは捕食者から飛んで逃げることはできない上、産卵場所を探して地上で長時間行動します。アリバチは寄生生物なので、繁殖するには、他のハチやスズメバチの巣を探し、その中に卵を産み付ける必要があります。
幼虫は、生まれると無抵抗の他のハチの子をエサにします。しかもこういった巣は、刺針を持った他のハチにより、しっかりと守られていることが多いのです。
もしみなさんが、ご近所さんに対してアリバチのような無礼な振る舞いをしているのであれば、アリバチレベルにタフである方がよさそうですね(笑)。
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