
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
Can Animals Predict Earthquakes(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:2011年、マグニチュード7の地震がペルーを襲う3週間前、哺乳類や鳥類が、アンデスの国立公園から先を争うように逃げ出したという話が伝えられました。「動物たちが虫の知らせで地震を察知する」などという似たような話は、みなさんも聞いたことがあるでしょう。残念なことに、2018年に行われたレビューでは、こうした報告の700件以上は単なる奇談か、たった1件の観察例に過ぎず、科学的な裏付けの取れない物でした。
近年、別の研究者グループが、このような主張についての真相究明に乗り出しました。そして、地震の前には動物行動に本当に変化が現れるのか、その理由には説明がつくのかを調べてきました。
何百人もの人々が地震前の動物の異常行動を報告している以上、なんらかの原因があるのではないかと考えてしまいますね。しかし人間には、物事にパターンを見出そうとする性質があり、ある事象について、なんらかの意味があったと事後に考えてしまう、「後知恵バイアス」という心理現象を起こす傾向があります。人間の記憶は、実はあまり信用できないのです。
そこで、地震後に過去を振り返って動物の行動を思い出すのではなく、長期間にわたって動物の行動を追跡する方が良いとされました。これにより、地震が起こった時にその前後の動物行動のデータを比較することができます。科学者らは、いくつかのケースにおいて、これを実践することができました。
一例として、2014年に日本の農場において、研究者らが、数十頭の乳牛が1日に出す牛乳量を追跡調査しました。測定基準としては変わっているようですが、乳牛は1日に必ず一度は搾乳されるため、行動観察としては容易です。その結果、地震の3週間前に、乳牛たちの平均産出乳量が減少したことがわかりました。論文の著者らは、原因ははっきりとはわからないとしていますが、地震前に家畜の行動変化を観測した研究は他にもありました。
この2年後、イタリアにおいて、研究者たちがそれぞれ別の研究において、農場の乳牛や羊、犬に、加速度計のFitbitを装着し、2016年から2017年の間の数か月間の行動を追跡しました。
するとデータは、地震の5時間前にこれらの動物の行動が大幅に変化したことを示したのです。それだけでなく、震源地に近ければ近いほど、行動変化は早期に現れました。恐らくは、動物たちが察知するなんらかのシグナルが、より強力だったためと思われます。
この研究結果は、2つの点で興味深いと言えます。まず1つに、さまざまな場所で飼われている家畜をうまく利用した、緊急地震速報システムを実用化できる可能性です。
2つ目は、1種の動物の追跡のみでは十分ではないことがわかった点です。良質の予測を得るには、複数の動物が互いへ干渉する様子を捕らえたデータが要されるのです。ところで、実はこのようなデータは、じきに得られることになっています。
2020年の始め、ドイツとロシアの研究者らは、地球上にいる何千匹もの鳥や哺乳類、昆虫の行動を追跡する、「ICARUS(イカルス)」というプロジェクトをローンチしました。「イカルス」では、1種類のみや小さなグループの動物を観測するのでなく、コンピュータのアルゴリズムを用いて、動物行動のビッグデータのパターンを分析します。
これは、何千匹もの動物に小さな発信器のタグを付け、位置情報や活動、現地の気象情報を、国際宇宙ステーションのアンテナに定期的に発信させようというもので、一大プロジェクトです。
現在はテスト段階ですが、目標は、2020年の終わりにはデータ回収が可能になり、地震をはじめとする火山噴火などの自然現象の予測にどのように役立てられるかを検証できることです。
このような発見は非常にわくわくするものです。AIや衛星技術などの近年の進歩のおかげで、こういった研究はより容易になっています。とはいえ、動物たちの一部が地震を事前に察知できるらしい証拠がありながらも、その仕組みはまだわかっていません。動物たちが、地震前の地殻の動きによる地面の振動を感知できるのではないかという仮説を唱える科学者らもいますが、はっきりとした証拠は得られていません。
とはいえ、動物たちが、地殻の変動によるさまざまな自然現象を感知している可能性はあります。例えば、地殻が圧縮されたり移動したりする際に、鉱物の化学成分が分解され、電荷を持った原子が大気に放出されることにより、大気が電磁気を帯びることがあります。もしかして一部の動物は、大気のこのような変化を察知できるのかもしれません。
電荷を持った原子が水に溶けると、水の酸性度が上がります。例えば両生類は、皮膚に透過性があるため、水の化学成分の変化にはきわめて鋭敏であることがわかっています。2009年、イタリアのラクイラを襲った地震の5日前に、ヒキガエルの一群が繁殖地の池から大脱走したことの説明は、これでつきます。しかし、この現象を観測した科学者たちは、池の酸性度までは測定しなかったため、確証は得られていません。とは言え、もっともらしくはありますね。
地震前後の動物行動を研究し、動物が予兆をどのように感知しているかがわかってくれば、地震による被害を少しでも抑えることができるようになるかもしれません。農場の家畜のネットワークを構築したり、なんらかの動物の能力を模したセンサーを作ってみれば、ひょっとしたら人間も、動物の地震予測を学べるかもしれませんね。
【参考;「宇宙から地上の動物を追跡!国際宇宙ステーションに専用アンテナが設置される」】https://techable.jp/archives/81983
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