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イベントサロンオンラインVol.2「”持続可能な音楽”」(全5記事)

オンラインフェスで47万人を動員 アフロマンス氏らが語った、ウィズコロナ時代の「持続可能な音楽」とは?

新型コロナウイルスの蔓延を受け、たくさんの人が集まる「イベント」が次々に中止となっている、昨今。特に、CD販売+ライブ&物販でマネタイズする音楽業界への影響は甚大です。そこで「集まれない時代の”持続可能な音楽” とは。配信や投げ銭などLIVEの次を考える。」と題して、これまで数多くのイベント企画を手掛けてきたアフロマンス氏と音楽メディアSpincoaster代表の野島光平氏が「アフターコロナ・ウィズコロナ時代の音楽」について語る、本企画。こちらのパートでは、両名がこれまでの行いについて紹介します。

「配信プラス投げ銭」という、新しい音楽のかたち

白勢竜彦氏(以下、白勢):PeatixイベントサロンオンラインVol.2『持続可能な音楽』ということで19時からスタートさせていただきます。

藤田祐司氏(以下、藤田):よろしくお願いします。

白勢:よろしくお願いいたします。今日はPeatixイベントサロンということですが、これは「イベント主催者のためのイベント」で、2013年からPeatixがやっているものです。

藤田:今日はどんなお題で?

白勢:今日は『持続可能な音楽』ということでですね。コロナショックにおいていろんなことがどんどん配信に、オンラインに移ってきてますけど。音楽もご多分に漏れず、どんどんどんどんオンラインに移ってきています。

そんな中で「配信プラス投げ銭」というかたちでどんどんとやっていっているので。音楽はCDでマネタイズして、そのあとライブプラス物販でマネタイズして。その次ということで、配信プラス投げ銭みたいなのがあるんじゃないかなぁということで。今日はそれをすでに実践されている、いろいろやられているお2人をお呼びして、お話聞いていければなと思っております。

藤田:楽しみですね。

白勢:さっそく1人目のゲストの、Spincoasterの野島さんをお呼びします。よろしくお願いします!

野島光平氏(以下、野島):こんばんは~。Spincoasterの野島です。

藤田:よろしくお願いします。

白勢:Spincoasterさんも「DIYライブ配信メソッド」というブログを書いていただいたり、自分たちでもいろいろ配信をしていただいたりということで。今日はいろんなデータとともにお話いただけるということで、大変楽しみです。よろしくお願いします。

野島:よろしくお願いします。

白勢:もう一方はアフロマンスさんですね。よろしくお願いします。

アフロマンス氏(以下、アフロマンス):よろしくお願いします。

藤田:よろしくお願いしま~す。パチパチパチ~。

白勢:アフロマンスさんはご存知のとおり、泡パとかいろんなイベントをやられてますが、最近だとBLOCK.FESTIVALですね。m-floの☆Taku Takahashiさんが音頭を取ってLINE LIVEでやっていたものですが。それにも関わっていたということで、今日はその「配信プラス投げ銭」のところでまたお話が聞けるんじゃないかと。これやってたのって、先週の土曜日ですよね?

藤田:ものすごく盛り上がりましたもんね。50万人近くが見た?

アフロマンス:述べ47万人くらいが視聴して。

藤田:けっこうシンボリックなフェスだったので、詳しくお話をお伺いできれば。よろしくお願いします。

アフロマンス:はい。

アイデアと実現力で新しい体験をつくる、アフロマンス氏

白勢:ありがとうございます。ということでさっそくではありますけれども、それぞれ登壇者の方に少しずつ自己紹介をしていただいてから、トークライブというかたちでできればと思いますので。まずはアフロマンスさん、自己紹介をスライドとともにお願いできればなと思います。

アフロマンス:初めての方もいると思うので、簡単に自己紹介します。肩書きがパーティークリエイターという、ちょっと怪しい肩書きなんですけれども。「アイデアと実現力で新しい体験をつくる」という活動をしています。アフロマンスはこの芸名みたいな感じですね。

これまでの事例だと、(スライドを指して)この絵に出ている、泡にまみれる泡パーティーや、街中を巨大なウォータースライダーで滑るSlide the City、ハウスミュージックに合わせながらマグロを捌くマグロハウスですとか。平日の朝6時半からDJで盛り上がる早朝フェスは、ノンアル・ノンスモーキングで、このままみんな出社するというイベントなど。そういうちょっと変わったイベントの企画をやっています。

藤田:おもしろいっすよね~。

アフロマンス:あと音楽系でいくと、ソニーさんとコラボレーションした低音卓球。(スライドを指して)左下にある絵ですけれども。EXTRA BASS(エクストラベース)という、低音が効いているスピーカーが発売されたときにコラボレーションさせていただいて。

これ、人のサイズから見て巨大さがわかると思うんですけど。スピーカーの中に入って、低音の音楽を感じながら卓球をするというものです。僕的にはロジカルにたどり着いた場所なんですけど、ちょっと遠くに行きすぎてみんなにプロセスを理解してもらえないみたいな。

白勢:あはは(笑)。

ステイホームしながらでも、楽しいことは発信できる

アフロマンス:あとは右下のサクラチルバーと言って、120万枚の花びらに埋もれるチルアウトバー。本物(の桜の木)なんですけど。これも音楽はけっこうこだわっていて、去年・一昨年とオリガミ・プロダクションさんとコラボレーションして、MIXをつくって店内BGMにしたりとか。そういうことをしていました。

そして、今コロナですよねという話で。僕、簡単に言えば「体験型イベントのクリエイター」って感じなんですけど。まあ、全部吹っ飛びましたね。直近のイベントはなくなったんですけど、この今の世の中を見ていて、暗いニュースが多かったり、自粛はしなきゃいけないけど、気持ちまで自粛する必要はないよね、と思って。

今は「ステイホームしながらでも、楽しいことは発信できるよ」という意味を込めて、3月16日くらいにこの「#楽しいが必要だ」というメッセージをSNS上で発信しました。そしたら、これ僕じゃないんですけど、英語で翻訳されたり。中国語で翻訳されたり。スペイン語で翻訳されたり。

どんどん広がっていって、ライブハウスで貼っていただいたりとか。イベントの企画ではないんですけど、決意表明みたいな。今こういうマインド必要だよねという想いもあって、諦めずに活動していこうとしています。

具体的には、先ほどのサクラチルバー。桜なので当然春にやるイベントなんですけど。今年はやれないとなったときに、ただの開催中止とかはやだなと思って。「サクラチルバーは散らない」というメッセージを出して、何かしらやるぞと。

そして、今年はリアルなお花見もできない人が続出するとも思って、2、3週間後くらいかな? サクラチルデリバリーと形を変えて発表しました。「自宅に日本酒と桜の花を届けます」という企画です。結果、いろいろな方に喜んでいただきました。

白勢:これすごかったですよね。いきなり変わって。届けるということで。

アフロマンス:この流れというかね。これ(「#楽しいが必要だ」というメッセージが)3月16日で、これ(サクラチルデリバリーの発表が)3月19日じゃないですか。もうバタバタというか。サクラチルデリバリーを思いついたのも、たしか発表の3日、4日前とか。

藤田:お~、そうなんですね。

アフロマンス:こういう活動をしたりとか。その流れもあって、気持ちは「#楽しいが必要だ」の精神のもとに、4月に始めた活動が先ほど説明があったBLOCK.FESTIVAL。

これは「STAY HOME, STAY CONNECTED」というメッセージで。4月に入ったらもう完全に世の中はステイホームって状態になっているときに「それでも音楽でつながっていけるよ」というメッセージも込めて、いろんなアーティストの方に協力いただいて。

そもそもこの発起人が、右に載っているm-floの☆Taku Takahashiさん。たしかTwitterで(☆Taku Takahashiさんが)「オンラインフェスをやりたい」みたいにつぶやいていて。そこに「僕もやろうと思ってるんですよ」という話から、直接やりとりをするようになり。1〜2週間で作ったみたいな感じです。

白勢:これも突貫ですね。めちゃくちゃ。

アフロマンス:これも突貫です。だから3月にはこの企画は影も形もないという。

藤田:このあともお話に出るかもしれないですけど、この時代のオンラインでの仕掛けの特徴として「かなり短期で準備して放つ」というのは、1つの傾向としてあるなという気はします。

アフロマンス:そうですね。ここから先、また世の中は変わってくるとは思うんですけど。僕はこれまでリアルイベントを散々やってきたので、オンラインイベントとは時間の感覚がけっこう違いますね。

藤田:うんうん。

アフロマンス:リアルイベントって告知とか、その場所に行かなきゃいけないとか、けっこういろいろハードルがあるじゃないですか。予定を物理的に空けなきゃいけないとか。でも極端な話、オンラインイベントって「今日タイムラインに流れてきて、そのまま見る」みたいなことがけっこうあるというか。

藤田:そうですね。

オンラインから生まれた、オフラインも巻き込んだイベント

アフロマンス:そういうオンラインイベントならではの背景もあって、この短期間でできたなと思っています。また、チャレンジとしてオンラインだけで完結するのではなくて、今回はフェスTを作ったんですね。

「オンラインとリアルな体験をつなぐ」というのを、僕はいろいろやってみたいなと思っていて。アイデアの1つとして「このオンラインのBLOCK.FESTIVALに参加して投げ銭をすると、自宅にフェスTが届く」と。しかも、投げ銭した人たちの名前がTシャツの背面にうわ~っと並ぶ「みんなで作ったフェス」というかたち。

藤田:すごいですね。

アフロマンス:というのを、どうにか形にして4月18日にやって。

藤田:なるほど、なるほど。

アフロマンス:ちょっとだけ補足すると、オンラインイベントに参加すればするほど「やっぱり、リアルに会いたい」という気持ちが高まるというか。アーティストのライブ見ても「行きてぇ~!」ってなるじゃないですか。

藤田:なりますね。

アフロマンス:そこに嘘ついちゃいけないな、とは思ってて。今は会えないんだけど、コロナのこの状況が終焉したらリアルフェスをやります、って目標をつくって発表したんですよ。

つまりBLOCK.FESTIVALは「オンラインから生まれた、オフラインも巻き込んだイベント」にしていくと。今はステイホームなので家から家に音楽をつなぐんだけれども、ここで得た収益をもとに、コロナ終焉後にはリアルフェスをやりますと。そのときはこのTシャツを着て参加してくださいと。そういうストーリーで考えたものです。

白勢:なるほど。

藤田:「とりあえずオンラインイベント、フェスをやっちゃおう。1発花火を打ち上げよう」じゃなくて、この状況が続くことも見越して、コロナが明けたことも見越してプロジェクトとして展開されているということですよね。

アフロマンス:そうです。大前提として「なにかやること」ってすごく大事なことというか。どうしても家にいて気持ちも陰鬱になっちゃって。そこで行動を起こすということは、すごく大切なこと。

その上で単発にならないように、これからまだまだ僕はこの状況が続くと思うので。継続的な音楽のコミュニケーションの仕方とか。さらにアフターコロナになったときに「これってどうなるんだろう?」ってところまで踏まえて、プロジェクトとしてやっていきたいなと思っています。

藤田:おもしろい。ありがとうございます。

ライブ配信企画も手掛ける音楽メディア、Spincoaster

白勢:ありがとうございます。続きまして、Spincoasterの野島さんにお願いしたいと思います。

野島:Spincoasterの野島と申します。Spincoasterはどういうものかと言いますと、基本はWebサイトを中心にした音楽を届けるメディアです。YouTubeチャンネルとか、リアルでイベントやったりとか、代々木にMusic Barを持っていたりとか。あとはSpotify公式の「Monday Spin」というプレイリストを、うちで編集してたりとか。いろんな媒体を使って、新しい音楽、良い音楽を届けていくみたいなことで展開している音楽メディアです。

最近は自分たちで、外注なしでライブ配信というものに取り組んできてまして。2月くらいからライブ配信をやっていこうみたいな流れがあって。例えばShin Sakiuraさんのアルバムのリリース記念スタジオライブ。これはツアーが中止になっちゃって、なにかできないかということで1週間くらい前に突貫で準備して。

あとはApple Musicでも1位を獲得したYENTOWNのラッパーのkZmさんのニューアルバムの先行視聴会をやりました。イチから全部アルバムを聴きながら、本人が曲についてコメントしたりとか。zoomで客演のアーティストが参加してkZmさんとやり取りするみたいなこととか。そういうのを生配信でやりました。あと自社のイベントとして「SPINCONNECT ONLINE」という、ライブ配信企画を何度か実施しました。

ということでこの1〜2ヶ月で5、6回ライブ配信をやってきて。そのノウハウを記事としてを書かせていただいたことで、今回、白勢さんにお呼びいただいたという感じですね。

藤田:今までって、ライブ配信みたいなものはぜんぜん手掛けてはなかったんですか?

野島:3〜4年前、SPIN.DISCOVERY というイベントの初期の頃に自分たちでWebカメラ使って、ツイキャスとかでやってたみたいなことはあるんですけども。本格的にやり出したのは、この3月からって感じですね。

藤田:そういうことなんですね。ありがとうございます。

野島:Spincoasterの紹介としては、こんな感じです。

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