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Masks Handwashing Sanitizer — How to Protect Yourself from Coronaviruses(全1記事)

コロナウイルスから身を守る方法は? マスク・手洗い・せっけんの効果

歴史上で何度も病原菌と戦ってきた人類は、ウイルスに対抗するさまざまな方法を見出してきました。新型コロナウイルスが猛威を振るう中でも、一人ひとりが感染を広めないためにできることがあります。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、せっけんやDIYマスクなど身近なものを使った感染防止対策についてご紹介します。 ※本記事は、サイエンスに関する話題をわかりやすく解説するアメリカのYouTubeチャンネル「SciShow」で2020年4月2日に配信された内容を書き起こしたものです。本記事の内容に関する情報源(参考文献)は、YouTube動画説明欄に一覧で掲載されています。

感染症を防ぐには、本当に効果的な方法を理解すべき

ハンク・グリーン氏:新型コロナウイルスのアウトブレークにより、多くの人が細菌恐怖症になってしまったようですが、それは無理もないことだと言えるでしょう。しかし、大多数の人がやっている感染対策は、実は役に立たないものが多いのです。さらには、本当に必要な人のところに、備品が行き届かなくなる恐れも出てしまいます。

本当に効果のある方法をきちんと理解し、感染症の拡散を防ぐ仕組みを知れば、もっとも必要とする人々から備品を奪うことなく、自分自身を感染症から守ることができます。そのためには、まずこの動画を視聴して、たくさんの人にシェアしてくださいね。

さて、多くの人がマスクをつけている姿が目立ちます。さらには、買い占めをしている人まで出ています。実はマスクは、つけている人をウイルスからは守れないのです。本来のマスクの役割は、感染症にかかった人が他人にうつさないためのものですので、これは当然といえましょう。

マスクは、無症状の人が周りに感染を広げるのを防ぐ

マスクは、掛けた人の口と鼻を覆って、呼気のほとんどをフィルターします。一方で、吸気はまったく別の話です。マスクと顔の間には隙間がたくさんあるため、細かい粒子を防ぐ効果は期待できません。極めて性能の高いN95医療マスクでさえ、同様に、効果にはムラがあると聞いたことがあるでしょう。年に1回厳しいトレーニングを受け、適切な使用法を学んでいるような人たちでさえそうなのです。

SciShowでは、マスクはインフルエンザを防ぐことはできないというお話を、2年ほど前に丸々ひとエピソードを使って配信しています。詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

さて、みんながマスクを付ければ、感染を減らすことができるという医療専門家の話を聞いたことがあることでしょう。これは、感染してはいるが無症状の人が、周りに感染を広げるのを防ぐことができるからです。

感染防止はDIYマスクでも十分に効果的

しかし困ったことに、多くの場所でマスクが不足しています。医療従事者その他の、本当に必要としている人々のマスクの備蓄は、すでに少なくなっているのです。

しかしうれしいことに、他者を感染から守るという目的においては、何も医療用マスクは必要ありません。Tシャツなど、日用品を利用して作ったマスクでも、充分にウイルスを周囲に広げることを防げるという研究結果が複数出ています。

もしみなさんに、明らかな症状が出ていないのであれば、ぜひDIYのマスクを使ってみてください。少なくとも、医療のニーズを満たすほどマスクの生産が追いつくまでは、そうしてください。

せっけんがウイルスの感染力を奪う

自分の身を守る手段は他にもたくさんあります。例えば、自宅に留まることや、手洗いをしっかり行うことなどが挙げられます。すべての専門家がこれを奨励しています。せっけんを使用し、20秒以上洗浄して、爪の間もしっかり洗いましょう。みなさんもこれは聞いたことがありますよね。僕はこれをさらに追及し、爪をうんと短く切りましたよ。

水場すべてに「『ハッピーバースデイ』の歌2回分、手洗いをしましょう」という貼り紙が貼ってある場所もありますが、手洗いの効果を徹底させる早道は、実は手洗いの有効性をより深く理解することかもしれません。

ウイルスは、あらゆる場所に付着している可能性があります。感染した人が、そばでくしゃみや咳をしたり、触れたり、ひょっとしたら舐めたりしたかもしれません。変な人っていますからね。

そんな箇所に手を触れた後に、自分の目、鼻、口などを触ると、ウイルスに接触します。ウイルスは、皮膚から浸透こそしませんが、粘膜からは感染します。手洗いにより、こういったウイルスを洗い落とすことができます。せっけんは皮膚の表面を滑りやすくするため、病原菌を容易に洗い流すことができるのです。

ウイルスの種類によっては、せっけんが殺菌作用を持ち、より効果的になります。コロナウイルスを含む多くの微生物は、表面が脂肪質の層で覆われています。せっけんを使うことによりこの成分が破壊され、ウイルスが感染力を失うのです。

アルコール成分は内部からウイルスを破壊する

同様にもう1つの手段として、手指の消毒液の使用も身を守ることに役立ちます。60パーセント以上のアルコール成分を含む手指の消毒液は、十分な時間をおくことにより、ほぼすべてのコロナウイルスを死滅させることができます。

せっけんと同様に、アルコール成分はウイルスの皮膜を破壊します。この場合は、ウイルスの皮膜を直接破壊するのではなく、皮膜に作用して安定性を失わせ、浸透しやすくするのです。アルコール成分はウイルスの中に浸透し、そのたんぱく質をバラバラにして、内部からウイルスを破壊します。

専門家は手洗いに関して、手指消毒液を手の隅々まで行き渡らせた後に、少なくとも20秒は放置すれば、アルコールがすべてのウイルスを殺菌できるとしています。とはいえ、手指消毒液の在庫も枯渇しています。くれぐれも買い占めるようなことはせず、必要な分だけ購入して、他の人の手にも渡るようにしましょう。

コロナウイルスは物質の表面でも2~3日は生存

手指消毒液や手洗い同様に、物の表面には殺菌消毒剤の使用が有効です。これまでの調べでは、コロナウイルスが金属、ガラス、プラスチックなどの表面で長時間生存できることがわかっていました。最近の研究では、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス)はステンレススチールやプラスチックの表面で、2日間から3日間も生存することが判明しました。

この論文はまだ査読前ですので、科学者たちはまだ真剣には取り扱わないのが普通ですが、これまでの研究結果からすると、かなり信憑性は高いといえるでしょう。ウイルスが何日も生存できるとなると、普段から物の表面を消毒することは、とても大切なこととなってきます。

ウイルス対策に有効な物質

強力な殺菌力を持つとされている、漂白剤を使おうと考える人もいるかもしれませんね。確かに、決して悪い考えではありません。塩素漂白剤は、ウイルスの殺菌に高い効果を発揮します。実は、どうしてなのかは完全にわかってはいませんが、漂白剤に入っている塩素は反応性が高く、強い殺菌作用があることが知られています。

しかし、これは必ずしも最善策ではないと警告する専門家もいます。金属や衣類を痛めますし、屋外での効果はあまり期待できません。

さらに、臭気のある気体が発散され気道が刺激されるため、呼吸器系のウイルス対策にはあまり良い策とはいえません。また、漂白剤を使用する際には、必ず使用期限を確認してください。古くなった漂白剤は分解され、効力を失ってしまうからです。

とはいえ、他にも選択肢はあります。アルコール消毒布や過酸化水素、つまりオキシドールも有効です。これらは非常に反応性の高い、フリーラジカルと言われる荷電粒子を生成し、これもまたウイルスの皮膜を破壊してくれます。

マスクは役には立たないかもしれませんが、このように、コロナウイルスと戦う武器は他にもたくさんあります。こうしてそれぞれの働きを学ぶことにより、ぜひ有効活用してくださいね。そして身を守ってください。

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