2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
Water Is WAY Weirder Than We Thought(全1記事)
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オリビア・ゴードン氏:水は宇宙において最も豊かにあるものです。地球においては地表の70パーセント、人体においては60パーセントを占めます。
そしてみなさんは今日も、すでに大量の水に触れているはずですよね。
しかしどれほど身近な存在であろうと、他との物質と一線を画する特異なその性質により、水は科学者たちを煙に巻き続けています。水は、実は非常に奇妙な物質なのです。
まずは、液体状態の水についてのお話です。水は、飲んだり手を洗ったりする、ごく身近なものですよね。ところが、液体状態の水は複雑怪奇なものなのです。
というのも、水には同時に異なる二つの液体の相があるというのです。これは、摂氏-45℃で通常の2400倍もの気圧下という、極度の低温・高圧下で起こる現象で、日常ではまず目にすることはできません。このような条件下では、ドレッシングのオイルと酢のように、水は自然に2つの「相」に分かれて共存し、密度の異なる層に分離するのです。
低密度の部分は、通常の四面体構造の水の分子でできており、この場合、中央の分子は他の4つの分子に結合しています。一方で、液体の高密度の部分は、分子が一つ多く存在し、他の分子に結合しようとしています。
現時点では科学者たちがこの現象を観測できたのはコンピュータモデル上だけです。高温高圧の条件は、再現するには時間もコストもかかりすぎるためです。しかし、このアイデアを実験で実際に再現できたなら、水の他の不思議な特性も解明できるかもしれません。
例えば、氷に密度の高い部分と低い部分がある特性です。氷が水に浮かぶのは、この特性のためです。こうした異なる密度は、先に挙げた2つの相の名残りが凍ったものである可能性があります。
もしこれが正しければ、異なる密度を利用して、極低温や普段の常温における水の変化を予測するモデルを作ることができるかもしれません。水は私たちにとって不可欠なものであり、このようなモデルができたなら、あらゆる研究において活用できるでしょう。これには期待大です。
次は、液体の相から別の相に移るお話です。水には、もう一つ不思議な特性があります。水は、ガラス転移現象を起こすタイミングが不明なのです。
言っている意味がわからないという方は無理もありません。ガラス転移現象は、不思議な現象なのです。この現象は、固体と液体の間の状態で起こり、水はガラスのように振る舞います。短い時間のスケールでは個体のように見えますが、実際はゆっくりと液体状態に融解しようとしているのです。
ガラス転移現象を起こす物質は水だけではありませんが、水のガラス転移現象は特異です。通常の物質は加熱されれば、その物質の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量である熱容量が徐々に増加します。熱容量は、ガラス転移点に到達するまで上昇を続け、その後、100パーセントもの急激な上昇を見せます。このポイントからが、ガラス転移現象とされるのです。
一方、水を加熱すると、熱容量はほとんど変化せず、ある時点から突如硬化して固体になります。この特性により、科学者たちはガラス転移点を特定できませんでした。現在では、摂氏-123℃から-53℃の間に起こると考えられています。
しかし、これ以上の詳細についての解明はきわめて難航しており、この領域は”no man’s land”「不明確な領域」と名付けられています。現時点ではこの現象にはわからないことが多々ありますが、少なくとも水の熱容量が通常とは異なることが、これでわかりますよね。水は、予想とは異なる温度の変化を見せるのです。
しかし科学者たちは、水のガラス転移現象の解明はさまざまな活用法につながるとして、研究を続けてきました。
実は、この形態の水は宇宙空間にもふんだんにあり、多くの場所で見られ、はるか遠く宇宙空間の星間微粒子としても存在します。つまり、水のガラス転移現象の秘密を明らかにすることは、星間微粒子の成り立ちを解明し、果ては私たちの太陽系の誕生をも紐解くことに繋がるかもしれないのです。
通常のH2Oの形態を離れると、水はより不思議な振る舞いをします。例えば、人体の体内での水の振る舞いを理解するには、量子力学の知識が必要となります。ある研究チームは、このことを、2019年の水と荷電ポリマーの混合液の研究論文において発表しました。
このような混合液は、人体の関節に見られるもので、驚くほど濃厚で粘性の高いものです。膝関節などで活躍しますが、非常に不思議な性質を持っています。
この粘性は、同じ符号同士の電荷が反発し合うのと同様に、ポリマー同士の斥力相互作用によるものと、長らく考えられてきました。研究チームは、論文でこの点を掘り下げました。
研究チームによりますと、ポリマーの電荷は、水の分子の相互作用にも影響を与えていることがわかったのです。このような相互作用は、水の水素結合ネットワークをより秩序だったものにします。そして分子は動きづらくなり、溶液の流動性は低下します。そのため、粘性が高まるのです。
これは画期的な発見でした。なぜなら、通常、化学的には中性として扱われる水が、そうではないとわかったからです。水は、注意深い観察を要する、変化を起こす分子なのです。
しかし、さらに不思議なのは、このチームのもう一つの発見です。この研究では、荷電ポリマーと重水の混合液が調べられました。重水とは、酸素と重水素から成る水で、通常の2倍の質量を持つ水素の形態を指します。この混合液は、通常の水の混合液とはまったく異なる振る舞いを見せました。分子の相互作用も粘性も、異なるものでした。非常に大きな変化を見せ、従来の化学モデルでは説明がつかないほどだったのです。
そのため研究チームは、この究明には量子力学の導入を検討する必要があると結論付けました。具体的に量子の世界がどう関わってくるかは、まだよくわかっていません。究極的には、研究チームはこうした変化は、それぞれのタイプの水において、溶液の粘性に関わってくる水素の結合に影響を与えると考えています。
つまり、水とは無視できない物質であり、見た目とは裏腹にはるかに複雑です。こうした働きの仕組みを知ることは、ポリマー溶液を応用したり、人体における水の振る舞いを知ることに役立ちます。
水は潤沢に存在し、宇宙空間でも大きな役割を果たし、私たちは水をあって当然のものとみなしています。ところがどうして、水は極めて不思議な物質なのです。水を究明することにより、科学におけるさまざまな分野が進歩するでしょう。
水をごくごくと飲んだり、雨雲を見上げたりする機会があれば、ちょっと考えてみてください。みなさんは実は、非常に不思議なものを見ているのですよ。
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