2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
What's the Fastest Speed a Person Could Run(全1記事)
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オリビア・ゴードン氏:世界規模の陸上競技では、ランナーの記録はどんどん縮まっています。世界最速の人類として知られるウサイン・ボルトは、時速45キロ近い記録を所持しています。
こういった記録を見ていると、こんな疑問が沸いてはきませんか。人類は果たして、どれほど速く走ることができるのでしょうか。限界は存在するのでしょうか。それとも、いずれはこういった記録は、過去の遺物と化すだけなのでしょうか。
断言はできませんが、人間の走る速度に限界がある証拠は存在します。それは、思いもよらない理由によるものです。
走る動作には、脚のスイングの速さから、ランニングシューズのタイプに至るまで、多くの変数が存在しますが、プロのレベルでは、もっとも重要とされることが1つ存在します。
足が地面についている状態を、立脚相といいます。
一流のスプリンターは、トラックを極めて強い力で蹴り出します。そう聞くと、脚力さえ強ければ、一歩一歩が力強く、より早く走れると考えがちでしょう。シンプルですよね。
ところが、物事はそう簡単ではないのです。速く走る人ほど、地面に足をつける時間は短くなります。最高速度で走るオリンピック出場レベルのスプリンターは、靴底が地面に接触するのは10分の1秒以下です。つまり、速く走るには、限りなくゼロに近いタイミングで蹴り出す必要があるのです。ここで、問題が発生します。
収縮せよ、という信号を受け取った筋肉は、すぐには力を発揮しません。まずは伸びます。つまり筋肉は、動作を行う前にまず、まっすぐに伸びる必要があるのです。その次の段階で、力を発揮するのです。
問題は、この一連の動作が行われるには、時間が短すぎることです。他者より俊敏に動く筋肉の持ち主であっても、筋肉が最大の力を発揮するには、実は総体的に10分の1秒よりもはるかに多くの時間が必要です。つまり、レースではアスリートは最大限の力を発揮することはできません。足が地面に接触する時間が充分ではないのです。
地面に脚を叩きつけて、筋肉伸張の時間を短縮するなどのテクニックで、これを克服することはできるでしょう。
とはいえ、ある時点で、それ以上の向上が見られなくなるでしょう。地面を蹴るわずかな時間で、より多くの力を引き出せる限界が来ます。つまり、この時点がスピードの限界であり、これ以上速く走ることは不可能であるといえます。
科学者たちは、このような限界が存在するのは、人類がスプリンターとして進化してこなかったことが原因だと考えています。
人類の脚は、立つ、歩行する、走るなど、多彩な用途に適応するべく進化してきました。
つまり、人類の脚は、速さと同時に、強靭さも求められてきたのです。この強靭さを得るには、多少のスピードを犠牲にする必要がありました。
現時点では、人類最速のスピードがどのくらいかを断定することはできません。通常よりも反応の速い脚の筋肉を持つ人は存在するのです。しかし、これを掘り下げた2010年の研究では、反応の速い筋力などの遺伝的なアドバンテージ込みでも、最高速度の限界は時速50キロメートルではないかという仮説が唱えられました。
いつの日かそれ以上の速度を求めるには、遺伝子操作をするか、地面に接する時間をより長くする走法を編み出すしかないでしょう。
ところで、チーターやグレイハウンドなど、本質的には人類と同等の筋力の限界を持つ動物が、俊速で走ることができるのは、実はこのような理由からなのです。これらの動物が走る時には、地面との接触時間は長く、蹴り出す力と発揮される力が大きくなるのです。
残念なことに、人類がチーターのように駆けることは、人類特有の走り方で進化を遂げたため、まずないことでしょう。
とはいえ、2010年の研究が正しければ、人類はいまだ最速の頂点には達してはいません。つまり、ウサイン・ボルトの記録を破る人材の登場の余地はまだあります。私は陸上はやりませんが、陸上レースを観戦することは大好きですよ。100メートル走は、複雑な動作が、わずか数秒に凝縮されたイベントなのです。
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