2024.10.01
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What If Earth Picked Up a Second Moon?(全1記事)
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Hank Green氏:私たちは、月から多大な恩恵を被っています。
もし月が無ければ、潮の満ち引きはありません。季節が定期的に巡って来ることはなく、一日はもっと短いはずです。
そして、驚くべきことに、私たちが「月」と呼んでいる天体は、地球がこれまで持っていたことのある唯一の衛星ではないのです。
時折、地球の重力に、小さな岩石が捕まることがあります。そのような岩石は、地球の周りを何周か回った後、太陽に向かって飛び立ちます。このような天体はあまりにも小さく、通常であれば検知されることはありません。
ところで、地球が捕まえたのがもっと大きな物であれば、どんなことが起こるでしょうか。例えば、その質量が、現在の月に近い場合は、どうなるのでしょう。なんだか楽しそうな話ですが、その結末を知れば、決して起こらないことを願うことでしょう。
とはいえ、すべての結末が悲劇で終わるわけではありません。例えば、もし仮に、2つ目の月の軌道が地球に近ければ、より明るい月光を得ることができるでしょう。夜行性の動物に影響があり、たとえば捕食者の狩りが容易になるかもしれませんが、そのことで食物網が破壊されることは無いでしょう。
ところで、心配するべきなのは月光量ではありません。より憂慮するべきなのは潮汐です。
もし月がもう一つ増えれば、ひと月の間に満ち潮と引き潮が両方とも起こります。多大な数の沿岸住民が移住を余儀なくされて、地球の人口は変動するでしょう。
もし、2つの月が地球から異なる距離上の軌道で公転する場合は、その速度もそれぞれが異なるはずであり、潮汐のシステムが大幅に狂うことになります。現在の干潮と満潮の間には、適度な間隔がありますが、それが狭まることにより、沿岸部の浸食が進行します。水棲生物の生態が脅かされるだけでなく、頻繁に波をかぶることになる人間のインフラも、損壊されることでしょう。
新たに加わる引力が働くのは、地球の水に対してだけではありません。地表や地下の物質に対しても同様です。そのため地球の火山活動は活性化し、地震や津波などの自然災害が増加します。人類をはじめとする生命にとって、歓迎できる事態とは言えません。
長期のスケールでは、一日の長さにも影響があります。現在の月は、地球の自転よりもゆっくりと地球の周りを公転しているため、地球の自転にブレーキをかけています。月の引力が地球に掛かり、引っぱる働きをしているのです。
2つ目の衛星が、月に近い大きさであった場合、このプロセスに干渉します。正確な影響を割り出すには軌道が関係してきますが、ここは簡略化して、現在の月と同じ軌道方向であると仮定しましょう。
2つ目の衛星は地球の自転にブレーキをかけ、1日は長くなります。
一見良いことに見えますし、僕も得した数分を有効活用するでしょう。しかし、2つ目の衛星の軌道は、軌道力学により徐々に外側に逸れ、最終的には月に衝突します。デブリは地球上に雨あられと降り注ぎ、さながら黙示録の様相を呈することでしょう。月光の光量を心配するどころではないことが、これでわかったでしょう。
地球が月をもう1つ得る確率は非常に低いものではありますが、学ぶべきことはあります。これらのシナリオは、地球のコンディションが、いかに微妙なものであるかを再確認させてくれます。例えば、月の軌道や質量が、仮に今と異なるものであれば、現状はまったく変わってくるはずです。
私たちは、現状を当然のものとして受け入れていますが、実は月には、もう少し感謝の念を抱くべきなのかもしれませんね。ちょっと見上げて「ありがとう、友よ。とても役に立ってくれているね。友でいてくれて感謝するよ」などの一言くらいはかけてあげるべきなのかもしれません。とはいえ、もう1人、友達を作ることは、くれぐれも勘弁願います。地球と月の「2人」だけで充分で、あとは夢物語に留めてほしいものです。
2つ目の月がいかに地球に影響を与えるかについては、重力などの物理法則を理解する必要があります。
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