2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
How Living on Mars Would Make Life Better on Earth(全1記事)
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昨今の目覚ましい宇宙開発からすると、火星に人類を送り込み、定住させる日は近いと思われます。実現されるなら、それはすばらしいことになるでしょう。人々に大きな感動を与え、人類の太陽系の知識は飛躍的に広がることでしょう。
火星定住で得られるメリットは、それだけではありません。宇宙飛行士たちが、火星で暮らし、睡眠や食事を摂り、呼吸をするには、人類の技術の粋を集める必要があるのです。そのような技術は、そのおまけとして、地球上で起こる問題の解決を探る一助になってくれるかもしれません。
これからお話しするのは、地球での生活を向上させてくれる、火星で生きるための3つの方法です。
まず、未来の探検家たちに必要となるのは、酸素もしくはO2です。火星の大気はそのほとんどが二酸化炭素であり、人間が呼吸できるものではありません。
宇宙飛行士たちは、なんらかの形で居住適性化を図る必要があります。すばらしいことに、そのような技術は、地球の気候変動への対策にも繋がる可能性があるのです。
火星で呼吸を可能にするには、「地球から酸素を入れた巨大な容器を運搬すればよい」とは、ほとんどのエンジニアは考えていません。
何らかの手段で、火星の大気圏内のCO2をO2に変換しようとしています。意外なことに、これがなかなか困難なのです。
CO2は、非常に安定性の高い分子であり、酸素分子を取り出すには、なんらかのエネルギーを加える必要があります。ところで、その「なんらかの方法」は、実は既に発見されているのです。
方法その1は、電気を通してCO2を一酸化炭素と酸素に分離することです。この方法は、NASAの2020年火星ミッションの一部であるMOXIEという実験として、既にテスト運用が計画されています。
ところで、2019年刊行の「Nature Communicaitons」誌上で発表されたもう一つのメソッドは、より過激な化学的手法を用いています。この研究では、論文の著者は、CO2の分子を高速で金箔に打ち付けました
CO2の分子は、常態であればまっすぐに並び、両端に酸素がついています。
この手法では、二酸化炭素は原型を留めないほど折り曲げられます。
すると、2つの酸素が近づき、反応を起こして、O2と単体の炭素原子(C)を形成しやすくなるのです。しかし、酸素の生産量は極めて乏しく、正常なO2を形成できたCO2は、わずか1パーセントに過ぎませんでした。
でも、あきらめるのは早いですよ。この計画は始まったばかりです。このような研究は、未来の火星の住民にとって画期的です。それだけでなく、地球のCO2は資源ではなく厄介者です。
地球の大気圏に含まれる二酸化炭素は日々増加し、地球は温暖化しており、もはや無視できない状態です。余剰な二酸化炭素を大気圏から取り除くことは、科学者たちにとって、長期的に取り組むべき重要事案です。
そのため、火星で計画されているこのような化学反応は、地球の問題解決の助けになる可能性があります。MOXIEや、金箔を使った化学反応は、O2を作るだけではありません。二酸化炭素を破壊してくれるのです。
実際に、2019年発表の論文の著者たちは、この技術を地球に応用して大気圏の余剰な二酸化炭素を削減できるとしています。
火星に居住する宇宙飛行士たちが必要とする、もう一つのものは、豊かで清浄な土壌です。
これは、食料生産と、日々の生活を安全に送ることに必要です。科学者たちは、火星の土壌には過塩素酸塩という人類に有害な化学物質が多く含まれていると考えており、これが最大の課題です。
過塩素酸塩は、代謝を調整する役割を主に果たす、人間の甲状腺に悪影響を及ぼします。
短期であれば、宇宙飛行士たちが火星の土壌に直接接触しないようにして、彼らが屋外の探索から帰還した際に、居住空間に土壌を持ち込むことを避ける必要があります。長期であれば、火星の土壌で育てられた農作物は、過塩素酸塩を取り込み、人体に害を及ぼす恐れがあり(その対策が必要になり)ます。
過塩素酸塩が問題となるのは、火星だけではありません。地球では、水質汚染で問題となっています。
つまり、「赤い惑星」の土壌を除染する手段は、宇宙飛行士だけでなく、すべての人類にとっても重要事項となりうるのです。現時点では、化学的に地下水の過塩素酸塩を低減する手段はいくつか存在しますが、過塩素酸塩の汚染を除去する化学反応は、なかなか見つかりません。そのため火星用に考案される解決策が、大いに役立つ可能性があります。
今のところ、いくつかの研究者グループが、バクテリアによる火星の土壌の除染を提案しています。これらの微生物は、過塩素酸塩を、より無害な緑泥石に分解する酵素を生成します。さらに、この分解行程では酸素が生成されます。これは、うれしいボーナスですね。
2013年の論説では、宇宙飛行士がミッション中の非常事態に使う、ポータブル酸素発生システムに、この酵素を組み入れることを提案しています。火星の土をちょっと取って、水と酵素を混ぜ合わせれば、宇宙服内に新鮮な酸素が送り込まれるのです。つまり、得られるのは、清浄な土壌と、地球の地下水の簡単な除染手段だけでなく、非常事態における酸素供給メカニズムです。
最後に、人類が一定期間火星に居住するのであれば、住居を建設する必要がありますね。宇宙船内のスペースは、いつかは足りなくなることは目に見えています。火星上では、コンクリートや鉄骨などの昔ながらの建築素材は使えないでしょう。
火星では大量には手には入りませんし、ロケットで搬入するには、重量でコストが掛かりすぎます。そのため、技術者たちは別の解決策を模索しています。
ところで、このようなアイデアは、地球上では建物を長持ちさせる建築手段となり、私たちの美しい緑の地球への悪影響を軽減させるかもしれません。
近年NASAは、3Dプリンタで火星の住居をまるごと建造する手段の考案を、エンジニアたちに呼び掛けました。2019年5月、AIスペースファクトリーという企業が、見事優勝に輝き、NASAから50万ドルの懸賞金を得ました。
AIスペースファクトリーの設計では、ローバーに搭載した、遠隔操作の3Dプリンターのアームが使われます。このアームは、火星で手に入ったり、火星上で作ることのできる素材を基に、建物全体を全自動で作ります。
具体的には、その設計には玄武岩が使われます。この玄武岩は、火星で育てることのできる植物から生成される、プラスチックの一種であるポリ乳酸を、火星の岩石に混入させて作られます。
NASAのコンペでは、この住居の3分の1スケールモデルが、耐性、水漏れなどの数多くのテストを耐え抜きました。
このテクノロジーを考案した企業は、この技術を一般的な住宅にも使用することを予定しています。玄武岩やポリ乳酸は、どちらも地球上で入手が可能ですよね。玄武岩は岩石の一種ですし、ポリ乳酸は堆肥化が可能なプラスチックの一種です。AIスペースファクトリー社によりますと、この技術によって、完全なリサイクルが可能な住居が築造できるようになります。すでに、実際に住居を創るためのクラウドファウンディングが募られています。
このような技術は、地球上ではさほど必要がないように思われますが、現実問題として、コンクリートや鉄の生成では膨大な廃棄物が出ますし、コンクリートも鉄も実はあまりリユースできません。
完全にリサイクルできる素材で建造物や住宅を建築できれば、地球にとって遥かに有益に違いありません。
つまるところは、火星に居住し作業をするには、粋を集めたさまざまな戦略が必要になってくるのですが、同時に母なる地球でも、気候変動対策から維持可能な住居の建造に至るまで、これらの戦略は大いに役立つのです。次世代のエンジニアたちにとっても、改革を進め建造技術を刷新するには、早すぎるということはないでしょう。
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