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We Can Cure Ebola! (Mostly—Which Is Better Than Rarely) | SciShow News(全1記事)

人類と「エボラ出血熱」の戦いに終止符 致死率を劇的に下げる、2つの新薬

治療を受けても約半数が亡くなることから、致死率が高い病気として知られている「エボラ出血熱(エボラウィルス病)」。しかし、それも過去の話となるかもしれません。研究者たちはついにおよそ8~9割の患者を生還させる薬を開発することに成功したのです。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、エボラ出血熱の患者たちの光明と、今なお貧しい国の人々を苦しめる結核治療の課題について解説します。

治療を受けても約半数が亡くなるエボラ出血熱

ハンク・グリーン氏:史上2番目に最悪とされるエボラ出血熱の大流行により、これまでのところ1,800人が亡くなっています。しかし、最前線の医師たちの手には、新たな武器があります。正確には武器は2つです。コンゴ共和国で行われた治験により、エボラ出血熱の新しい治療法が2種類開発されたのです。

エボラ出血熱の患者のうち、4分の1の人が治療を受けることができずに亡くなっています。これはかなりの人数ですね。しかしもっと恐ろしいことに、治療を受けてもなお、亡くなる人がいるのです。エボラ出血熱の標準的な治療法は、ZMappという治療薬の投与です。しかしZMappを投与しても、平均死亡率が49パーセント程度に下がるに過ぎません。

そこで2018年11月に、何種類かの新薬の治験が始まりました。1つは「Remdesivir(レムデシビル)」という抗ウイルス薬です。

この薬は、ウィルスが増殖する際に使うたんぱく質を抑制します。他の2つは、抗体でウィルスを攻撃するものです。免疫システムにより作り出されたたんぱく質が、病変する前の病原体に取りつき、破壊します。

抗体による治療は、うまく病原体に取りつけることができれば、たいへん有効なのです。エボラ出血熱の治療で難しい点は、病原体が形を変えて免疫システムから逃れてしまうため、恒常的に有効な働きをする抗体を得ることが難しいことです。

エボラ出血熱の致死率を劇的に下げる、2種の新薬

そこで、ある製薬会社が、動物モデルにより3つの抗体を開発し、それらを組み合わせて「REGN-EB3」、略称「EB3」という新薬を開発しました。

別の研究者たちは、生きた人間から治療法を探りました。研究者たちは、90年代のエボラ大流行から生還した人々の抗体をクローン化することに成功し、「mAb114」と名付けました。

治験では、ZMappとこれら3種の新薬とを、過去9か月ほどで発生した患者700人近くに投与し、比較検討しました。残念なことに、抗ウイルス薬はあまり効果がありませんでした。

しかし、抗体の方は、劇的な効果を上げました。一種類の抗体を1回投与した場合、致死率は34パーセントに下がりました。

さらに、「EB3」を混合した薬を1回投与すると、致死率はなんと29パーセントにまで下がったのです。

さらに大きな勝利が得られました。この薬を発病3日以内の患者に投与したところ、89パーセントから94パーセントが生還したのです。

その絶大な効果に、研究者たちは、今後すべての患者が治療を受けられるようにと、治験を中止したほどでした。今後は医師たちは「EB3」と「mAb114」だけを用いて比較検討する治験を行う予定とのことで、この2種の新薬は、被験者以外にも投与が可能になります。

世界では今なお結核が脅威である理由

さて、致死率が高くとも、治すことができるようになってきた病は、エボラ出血熱だけではありません。つい先週も、アメリカ食品医薬品局、略称FDAが、多剤耐性結核菌の新薬を承認しました。これは新薬を、もっとも必要とされる場へ届ける最初のステップです。結核は、バクテリアによる肺の感染症です。ワクチンや抗生剤による治療が確立されてから、長い年月が経っていますが、世界ではいまだに1,000万人もの人々が結核にかかっています。

ある系統の菌は、通常の治療に耐性を持ってしまったことにより、致死率が飛躍的に上昇してしまいました。多剤耐性結核に罹患すると、多くの人は、診断を受けることすら間に合わずに死んでしまいます。首尾よく治療を受けられたとしても、生存率はわずか34パーセントです。

さらに治療には、2年間にわたり、1日40錠もの錠剤を服用する必要があり、甚大な副作用を伴います。もっとシンプルで、効能の高いオプションが求められます。

しかし、新たな抗生剤の開発には、莫大な資金がかかります。そのような投資を引き受けようという企業は、なかなかありません。結核にかかるのは、大部分が貧しい人々であり、高価な薬を買うことができないためです。

しかしありがたいことに、NPO団体であるTB Allianceが、名乗りを上げてくれました。TB Allianceの資金援助により、新しい抗生剤はFDAの認可を受けることができ、「プレトマニド」という新薬が誕生したのです。プレトマニドの治験は2015年に開始され、他の抗生剤2種と併用することにより、半年以内に90パーセントもの患者が回復しました。しかも服用する薬は、1日に5錠で済むのです。

この圧倒的な成功により、「3種類の薬品による治療法」は、FDAの承認が確定したのです。FDAが認可した医薬品は、たいていは国際的な機関にも続いて承認されます。

とはいえ、前途は多難です。結核が蔓延しているのは、世界でも貧しい地域です。新抗生剤は、所得の低い人でも手が出る価格帯に設定する必要があります。志の高いNPOであっても、資金は無尽蔵ではありません。製薬会社から、リーズナブルな価格での提供の合意を得なければならないのです。その交渉は、今まさに進捗中であり、今の私たちには祈ることしかできません。

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