2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
SPF Doesn't Mean What You Think It Means(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
マイケル・アランダ氏:日焼け止めを買いに行くとき、おそらくSPF値を気にするでしょう。SPFとは、「Sun Protection Factor」の頭文字。その名の通り、どのくらい太陽光から守ってくれるのかを示すものです。ただ、完全にそうとも言い切れないのです。
SPF値は完璧で理にかなった科学的根拠のように聞こえますが、名付け方にも検査の仕方にも欠陥がたくさんあるのです。できる限り太陽光から身を守りたいのであれば、単なる数値だけではなくもっと深く理解する必要があります。
まず、免責条項として、注目すべき点は国によって日焼け止めの基準が違うということです。この件はより総括になるでしょうが、みなさんがどこに住んでいるのかによって変わる、ということは覚えていてください。
SPFは放射線が肌に届くのをどのくらいブロックできるのかを計測するものです。例えばSPF30であれば、日焼け止めをつけていない時に比べて、30倍保護してくれるという意味です。計算すると大体97%ほどが守られるということになります。
そしてこのことはSPF30より高い値であっても、大して効果的ではないことを説明しているのです。SPF50は50倍か98%の放射線をブロックするという意味です。しかし、その数値がいくつであっても、SPF値はある特定の放射線からどの程度守られるのかというのを示しているにすぎません。
日焼け止めの容器に書かれている数値は、サンバーンを引き起こし、皮膚がんの原因になる放射線の種類のひとつであるUVBに対してどのくらい保護されるのかを示しているだけです。しわや急速な肌の老化、そして皮膚がんの原因となる、UVAに対する数値が記載される義務はありません。
ですから、SPF1000を使ったところで、UVAから守られているとは言えないのです。どちらの紫外線も避けたいのであれば、広範囲の日焼け止めを探す必要があります。
そのほかにSPFに関して知るべきことは、その試験方法に欠点があるということです。UVBをどの程度にブロックするのかを理解するために、科学者たちがペトリ皿の上で肌に似た物質を使って実験をしているということを知らなければなりません。
この物質の上で何かライトを照らしてみると、どのくらい放射線が通るのかを見ることができます。しかし、それは科学者たちによる広範囲日焼け止めのテスト範囲であって、SPFをテストしているのではありません。
まず、被験者の焼けやすさをテストするため、背中に縁取りをしてある部分にUVランプを当てます。それから別の場所に日焼け止めの塊を塗布し乾かします。
そして、再びUVライトをつけ、被験者の背中が赤くなってくるまでどのくらいかかるのかを調査します。もし何もつけていない状態で4分で焼けてしまい、日焼け止めをつけていて60分で焼けたならば、SPF15となります。このプロセスが不完全で問題だらけに見えるのであれば……そうですね……そう見えますね。
まず1つ目に、肌が赤くなるまでにかかる時間は人によって異なります。研究で肌の白い人ばかりを使ったり、もしくは肌の色の暗めの人ばかりだったりしたら、結果は全く異なるでしょう。
こういったテストを使った日焼け止めはたくさん存在します。テスターにもかなりいろいろ種類があり、実験要綱では肌の1平方cm当たり2mgを下回らないことを要求しており、実際に使用する量よりもかなり多めに設定されています。
ある実験では、その量が2倍でした。これは完全に実際に使うときのことを考えられたテストではありません。肌の色も人々が実際にどのくらいの日焼け止めを使うのかも考慮していません。ですから日焼け止めを買う際には、こういったことを覚えておく必要があります。例えば、普段しているよりもより頻繁に日焼け止めを肌につける必要があるということです。
研究者たちは少なくとも問題があることに気づいているので、一定の結果が出されるように試験要綱を変えようとしているのはよいニュースですね。ロボットを使い、様々な状況下で日焼け止めを塗り、人間の皮膚ではなく、皿の上の化学物質を使うという標準化されたインビトロ試験方法にシフトしていこうとしています。
このことにより、科学者たちはさらに多くのデータを得ることができ、正確性も改善されるでしょう。そして最後に、SPFは日焼け止めを買うときに手助けとなる指標になります。買うかどうか決定するのに、その数値がどこからきたものなのかを知ればよいのです。
望みがなくなったわけではありません。欠陥のあるシステムではありますが、SPF値が低かったとしても、日焼け止めを日常的に使っていれば皮膚がんのリスクを減らせることは研究で明らかになっています。
日焼け止めをつけたくないと思ったことがある方には悲しいニュースです。ほぼ全ての両生類や爬虫類、鳥、魚は自分たちで独自の日焼け止めを作ることができますが、哺乳類は違います。
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略