2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
These Animals Don’t Need Oxygen?!(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
みなさんもすでにお気づきでしょうが、動物は酸素を必要とします。なぜなら、通常動物は「ミトコンドリア」と呼ばれる細胞構造からエネルギーを得るのですが、そのプロセスには酸素が必要だからです。
ですから、もし誰かが地球の酸素を全て盗んでしまったら、生物はすぐ滅びてしまうでしょう。しかし少なくともいくつかの動物は、実は酸素がなくても平気なのです。2010年、科学者たちは論文の中で、酸素を全く必要としない三種の生物を発見したと発表しました。
ここではっきりさせておかなければならない点として、すべての生命が、生きるために酸素を必要としているわけではありません。多くの単細胞微生物は「嫌気性」、つまり空気がなくても生存できるのです。
酸素の代わりに、これらの微生物は硫酸鉛や硝酸塩などの他の分子を取り入れているのです。
しかし何年もの間、科学者たちはそのようなシステムは動物には当てはまらないと考えてきていました。なぜなら動物は構造が複雑で、多細胞の体はたくさんのエネルギーを必要とするからです。
ですから彼らは、動物はミトコンドリアにより、もっと効率の良いエネルギー生産を必要とするのだと考えてきていたのです。しかしそこで、2010年の論文が発表されたのです。
この発見がされたのはアタラント海盆という、地中海の海面から3,000メートルの深さにある場所です。
アタラントは深い場所にある高塩分無酸素海盆、つまりとてもしょっぱく、酸素が欠如している場所です。通常そのような場所で動物が発見されることはありません。実際、1998年から2008年の間、3度にわたり研究チームがそこを訪れた際、動物を発見することはありませんでした。
海盆ではたくさんの単細胞微生物を発見しましたが、彼らが発見したそれらの微生物のほとんどはすでに死んでいました。なぜなら「死の雨」と呼ばれる酸化した雨が降ったからです。
しかし、死んでいたのは「ほとんど」であって、すべてが死んでいたわけではありません。研究チームは「ロリシフェラ」と呼ばれる、堆積物に住む小さな生物が異様にたくさんいるのを発見したのです。しかもそれらは活発に生活していたのです。
ロリシフェラはもともと奇妙な生物です。彼らの頭は背骨で覆われていて、体は通常「ロリカ」と呼ばれる壺のような殻に入っています。
しかもロリシフェラを酸素のない海盆で発見するということは、さらに奇妙なことです。この研究者たちは、そのような状況下でもロリシフェラが養分を摂取して、あるものは脱皮したばかりであることも発見したのです。
さらに、あるものは体内で子孫を発育していました。
これらの生物は、酸素のない堆積物に埋もれて生存しているというだけでなく、繁栄していたのです。
彼らの生活の鍵はそのサイズにもあるのかもしれません。彼らの体の大きさは1ミリにも満たないので、多くのエネルギーを必要としません。それでもこのようになるまでには、いくつかのユニークな適用化が必要となったようです。
特に驚くべきなのは、ロリシフェラにはミトコンドリアがないということです。代わりにハイドロジェノソームによく似た細胞構造をしています。
それはいくつかの微生物がエネリギー生産のために使う細胞小器官のことで、酸素の代わりに水素イオンが使われますその構造の他に、研究者たちはロリシフェラの細胞の中に、微生物がいるような形を発見しました。
このことはとても興味深い事実です。なぜならいくつかの嫌気性の単細胞微生物は共生細菌を有していて、それがハイドロジェノソームと並んで共存しているということだからです。
いずれにせよ、これらロリシフェラは嫌気性微生物と同じような生き方をするために、似たような細胞構造を発達させたと思われます。しかし、どのように発達させることができたのかはわかっていません。
考えられる一つの方法としては、彼らの先祖が嫌気性微生物に近い構造をしてたので、そこから適応したのかもしれないということです。
またはその先祖が、自身の微生物の仲間から遺伝子を交換し、生存するために同じような細胞のトリックを使えるようにしたのかもしれません。もちろん、これは極端な話で、研究者たちの中にはそれを疑っている人たちもいます。
例えば2015年に発表された論文では、同じ海盆を研究した際、生きたロリシフェラがいた証拠は発見されませんでした。元の論文を発表した研究者たちは、自分たちの結論に自信を持っていますが、すべての人を納得させるにはもっと情報が必要かもしれません。
それでももし、これが本当であるなら、私たちの複雑な生物に関する理解を変えてしまうかもしれません。今日の動物の生活の多様性に影響をあたえることになるでしょう。例えば科学者たちは、地球に酸素が欠乏していた初期の頃、生命がどのように始まったのか興味を持っていますし、この太陽系のどこかに生命があるかもしれないと考えています。
極論として、生命は適用力があり、無限の多様性を持っているので、私たちがさらなる発見をするとしても驚くことではありません。
関連タグ:
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05