2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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奥山晶二郎氏(以下、奥山):お待たせしました。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。司会進行を務めさせていただきます、朝日新聞「withnews」編集長の奥山と申します。よろしくお願いします。
(会場拍手)
奥山:私が編集長を務める「withnews」という媒体について、少し紹介をさせていただきます。朝日新聞が運営するWebメディアで、(スライドを指して)これが今日の投稿です。
なぜ私どもが、このイベントを開催させていただくことになったかをお話しします。(山田氏には)2015年12月からエッセーを連載してもらっておりまして、現在も継続中です。新著である『一発屋芸人の不本意な日常』も当サイトで連載していただきました。
「withnews」自体のコンセプトは、新聞などの紙面とは違う形で、世の中のニュースを深堀り取材した記事を配信するというものです。男爵さんの独特なユーモアとピリッとした切り口が(コンセプトに)すごくぴったりだなと思って、ずっと(連載を)お願いしています。
男爵さんは引きこもりを経験し、芸人デビュー。そして「ルネッサンス」のギャグで大人気となった後、一発屋芸人という形での活動。そういった経験をなさっている中で、連載をずっとしていただいてるんですが、私どもの看板コンテンツにもなっています。
毎回コメント欄に特徴があります。ネットってけっこう殺伐とした側面もあるんですが、男爵さんのコラムに関しては、本当にもう共感の嵐が起こっています。文章が上手というのはもちろんのこと、みなさんの琴線に触れるポイントがたくさんあるような文章を、毎回出していただいています。
そんな連載の中から珠玉の名作を集めたのが、今回の本(『一発屋芸人の不本意な日常』)になります。例えば、ちょうどこの本が出るタイミングの1月に配信した『一発屋・髭男爵「死んだ」「消えた」後に見つけた「もの書き」の道』という記事がありまして、数字でいうと120万ビューぐらい読まれました。
Yahoo! のトップにも掲載されて、すごくコメントがついた記事になりました。これからも新作は出していただきたいと思っているんですが、今日は本に入っているエピソードも元にしながら、イベント名の通り、ちょっとひねくれたというか(笑)、男爵さんらしいテイストでお話を聞けたらと思います。
奥山:タイトルとしては、『世界一受けたくない人生相談』ということで設定させていただきました。来ていただいてる方はたぶんご存知だと思いますが、これはいろんな意味で男爵さんらしさが出る切り口かなと思っていて、こちらの新著にいろいろ書いてあるようなことを、あの手この手で引き出していきます。
会の流れとしては、編集部に寄せられた男爵さんへの切実な人生相談について、(山田氏の)鋭く、人情味溢れる切り返しを、みなさんに堪能していただきたいなと思っております。
それでは、そろそろ本日の主役であります、髭男爵・山田ルイ53世さんをお呼びしたいと思います。拍手でお迎えください。
(会場拍手)
山田ルイ53世氏(以下、山田):どうも! よろしくお願いします!
「男爵さんは、男爵さんは」という紹介が長いんですよ(笑)。裏でみんな「長い、長い」って文句言ってましたよ。
奥山:まあ座って、座って。
(会場笑)
山田:あ、すみません。なだめるんじゃないよ(笑)。俺この椅子座れます?
(会場笑)
なんか椅子が華奢な感じですね。どういう形の椅子なんですか。
奥山:たぶん(その座り方で)あってます。
山田:あ、座れた。よろしくお願いします。今日はわざわざお集まりいただきまして、ありがとうございます。
(会場拍手)
奥山:ということで、ここからは(スライドを指して)この画面にどんどん人生相談が。
山田:人生相談か(笑)。
奥山:はい、次々と出てきます。
山田:次々と? 100人組手みたいな感じでやるんですか?(笑)。ちょっとそれは厳しいですよ。やっぱり1個1個じっくりと考えたいですね。基本的に今まで人の相談に乗らない人生を送ってきたので、こういうのは苦手なんです。
奥山:新境地を拓いてもらいます。
山田:がんばります。その前に言っておきたいことがあって、すごいことが起こったんです。
さっき記者会見じゃないですけど、囲み取材みたいなのがあったんですよ。そしたら、僕に対してすごく軽薄な態度のレポーターの人がいたんです。「すごく俺に質問してくるな」と思ってたら、「この感じ知ってるぞ」となって、顔を見たら何回か会ったことがあったんです。
よくよく考えたら、この『一発屋芸人の不本意な日常』に書いてある、「囲み取材で『新キャラないですか?』って聞いてくるやつなんなんだ」の本人だったんです(笑)。
(会場笑)
奥山:(笑)。
山田:あれはすごく盛り上がりましたね。こういう日に、そういう方と再会するっていうのもありがたいですよね。なにかこう「運命があるんだな」と思いました。(奥山氏を見て)興味ないなら次いきますよ。
(会場笑)
奥山:ただ、その方は本を読んでませんでしたよね(笑)。
山田:そうなんです。読んでなかったから(自身のことが書かれていることに)気づいてなかったんです。「最初の方しか読んでません」と仰ってましたけど、ああいう人はたぶん1ページも読んでないです。
奥山:進めていいですか?
山田:進めていいですよ!
奥山:はい、まずは最初の質問です。「自己啓発本を読んでは、満足する週末を繰り返しています。いつか役に立つ日が来ますか?」
山田:来ません(笑)。100人組手と言うなら、このテンポ感になりますよ。相談に乗ってませんけど(笑)。そもそも「自己啓発本」というのは、どういう本のことを言ってますか?
奥山:例えば、「時間術」とかです。
山田:時間術? 時短とかですかね。
奥山:なんかこう、スケジュール管理術とかです。将来設計を自分で区切って考えましょうとか。
山田:「こういう成功をしたいなら、そこから逆算してカレンダーを作りましょう」みたいなことですか。じゃあ、自己啓発本というのは「すごく面倒くさいことを言ってくる本」ということですね?
奥山:まあ、ざっくり言うとそういうもんです。
山田:時短術も自己啓発本に入るんですか?
奥山:そう言われてみるとよくわからないです。
山田:逆に言うと、「自己啓発本を読んでは、満足する週末を繰り返してる」ということは、自己啓発本はけっこう訴求力が高いというか、刺さるんでしょうね。
奥山:そうですね。
山田:じゃあ、「読んでたらいいんじゃないの」という感じですけど。
(会場笑)
別に悪いことじゃないので、それで心の平穏が保てるならいいと思います。そういう意味では、僕が今回出させていただいた『一発屋芸人の不本意な日常』という本は、「逆啓発本」も甚だしいですから、読んでどんよりする部分もいっぱいあります。
もし、「自己啓発本を読みすぎてやばいな」となったら、これを読んで中和していただきたい。
奥山:きれいにまとまりましたね。
山田:はい、それぐらいはできる男です。
奥山:(スライドを切り替えて)次の質問です。
山田:「会社の飲み会に、行きたくありません」。いや、行かなきゃいいじゃん(笑)。
(会場笑)
この悩みはなんなんですか。どこから湧いて出た悩みなんですかね。
奥山:「行かなきゃいい」と言う人は、たぶん悩まないんですよ。
山田:(会社の飲み会に)行かないと怒られるみたいな?
奥山:怒られるとか、偉い人から誘われることもありますよね。
山田:あー。この飲み会ということに関しては、僕みたいな一発屋のコスプレキャラ芸人でも、かつて頭を悩まされたことがありました。やっぱり(誘いが)多いんですよ。
奥山:やっぱり多いんですね。
山田:はい。まあ、とくに芸能界においては……。僕はぜんぜん芸能界に入れてないので、よくわかりませんが、おそらく行ったほうがいいんですよね。
やっぱりテレビ出始めの時とか、スタッフさんや先輩が誘ってくれました。これは行ったほうがいいんですよ。ただ、僕は大人になっても引きこもっていた時期の、引きこもり気質みたいなものが根っこにあって、そういうのに行くのがいやなんです。
最初のうちは(飲み会に)行かないことを先輩に怒られてましたよ。「なんだそれは」「今、大事な時期だろ」とか、「絶対に飲みに行ってないと、番組のひな壇とかにも関係性が反映されるから」みたいなことを先輩に言われてました。確かに「もっともだな」とは思ってたんですが、根気強く行かないようにしてたら、もう誰も誘わなくなりました。
(会場笑)
なので、昨日、今日で(急に)「飲み会に行きたくないな」と思っただけの人には、まだわからないと思います。もっと長い数年間の計画になってきます。3年、5年かけて、徹底的に飲み会に行かないようにしましょう。そしたら、もう誘われなくなりますから。
もはや僕を誘う人間は、もうこの世に誰一人いないんですよ!
奥山:(笑)。
(会場笑)
山田:信じられないでしょ! 一応、髭男爵というお笑い芸人として、芸能界に身を置いてるはずなのに、誰一人誘わないんですよ! すごくないですか。本当に努力の賜物ですよね。
ここまで一生懸命、行かないことを繰り返してきた結果、その地位を掴んだということです。なので、あなたもがんばっていただきたいです。
(会場笑)
こんなんでいいんですか?(笑)。
奥山:たぶん大丈夫です。次の質問です。
山田:もう3つ目ですね。
奥山:「『明日できることは今日するな』って本当ですか?」
山田:そもそも、これは誰が言ってるんですか。なんかよく聞くやつ?
(会場笑)
奥山:よく聞くやつです。
山田:これ、よく聞くんですか? それこそ自己啓発本みたいなやつで言われてるんですかね。ああ、こういうのが自己啓発なのか。
奥山:この人は相当悩んでますよね。
山田:この人、悩んでるかな? 文面からはぜんぜんうかがい知れないけど。この質問に対して、ちょっと会場のみなさんにアンケートをとってもいいですかね。
「明日できることは今日するな」というのは、どういうことなんだろう? 「明日できるんだから、今日は楽しく過ごせよ」「心を楽にして」みたいなことかな。
そう思うって人、(会場に)どれぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
はい、ありがとうございます。そう思わないという人はどれくらいいますか。
(会場挙手)
ああ、なるほど。そう思わないっていう人のほうが多いですね。
つまり、「明日できることは今日するな」よりも、「今日できることは今日やっとけ」みたいなことなんだ……。
ちょっとわかんないな、これは。
(会場笑)
これが悩みっていうのは、ちょっとよくわかんないなあ……。「明日できることは今日するな」は、今日しなくてもいい、明日すればいいじゃんてことだよね。これを実践した結果、僕は引きこもりになりましたけどね。
(会場笑)
奥山:あー……(笑)。
山田:夏休みとかは「いやいや、明日できる。いや、まだぜんぜん日にちある」みたいな、ベタな感じでした。「いつでもできるわ」と言ってたら、もう新学期が始まってて、まったくなにもしてなかった。そういうことがきっかけで引きこもりになりました。
そういう意味では、「やっておいたほうがいいんじゃない」という感じですけど……、これはパスでいいですか。
奥山:はい、わかりました(笑)。
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