2024.10.01
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The First Extinction of 2019 Has Already Happened(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:新年にジョージと名付けられた樹上性カタツムリが、ハワイの飼育器の中で14歳の高齢で命をまっとうしました。
1匹のカタツムリの死は取るに足らないことのように思えるでしょうが、ジョージはここ10年以上もの間、最後の1匹のアカティネラ・エイペックスフーバとして知られていたのです。
つまり、ジョージは、2019年における最初の絶滅種となったのです。しかし、ジョージのような半生を送るカタツムリはこれからも出てくるでしょう。カタツムリのジョージはその半生を生物学者の手に委ねるという運命を背負っていましたが、その運命は何ダースもの近縁のカタツムリに受け継がれているのですから。
かつてハワイには700種を超える陸貝が存在していましたが、その中には葉についている菌類や藻、バクテリアを主食とする、何百ものジョージのような樹上性カタツムリの存在もあったのです。
1700年代に初めてハワイを訪れたイギリスの探検家の記述に、樹木に連なる色とりどりのカタツムリの群れについて書かれているところがありますが、現在それらのカタツムリのほとんどは姿を消してしまっています。何世紀にも及ぶ人間の採取と、1950年代に移入した肉食性のカタツムリであるヤマヒタチオビのおかげで。
90年代終わりに、研究者の調査結果によって、何ダースものハワイ産まれのカタツムリが絶滅の危機にさらされていることが判明しました。それを受け、カタツムリの人工繁殖計画が設けられたのです。
そして、1997年に10種かそこらのジョージの仲間である野生のカタツムリは、すべてハワイ大学の研究室に連れて来られました。樹上性カタツムリが成熟するまでにかかる年数は5年から7年で、交配後にもうける子どもの数は毎年たったの10匹以下。そのため、人工繁殖の進みは遅く、その上、2000年初頭にほとんどのカタツムリはみな、突然死んでしまったのです。
残されたのは、たった一匹の未成熟のカタツムリだけでした。そして、そのカタツムリこそが、ピンタゾウガメの最後の個体と言われていたロンサム・ジョージにちなみ、ジョージの愛称をつけられたのです。
研修者たちは何十年もの間、エイペックスフーバを探したのですが、見つけることはできませんでした。そのため、ジョージの死がエイペックスフーバの絶滅とされたのです。
これが悲観することではないとするなら、単にカタツムリやナメクジの一連の絶滅における最新の情報でしかなくなるでしょうが、1500年以降に絶滅した生き物に目を向けてみると、そのうちの40パーセントが陸生の軟体動物であることがわかります。
世界中の至る所で、研究者たちは600種ものカタツムリとナメクジが生息地の破壊や気候変動、導入種、さらには観光によって絶滅の危機に瀕しているとの見解を示しています。
この結果を用いて、2017年に研究者たちは次の1世紀半における、すべての生物が絶滅し得る割合を導きだしたのですが、その結果は決して喜ばしいものではありませんでした。
概算によると、私たちは10年ごとに全生物における5パーセントもの生物を失う計算になり、次の150年で地球上の生物の半分が絶滅することになるのですから。その衝撃的な事実は、私たちの行く末を暗示しているのです。
ジョージと関わって来た生物学者は、対策を後回しにするのではなく、すぐに今の状況を変えれば、まだジョージの仲間を含む多くの種を救うことができると力説しています。すべての生物が絶滅に向かって一丸となっているのではありませんしね。
『Frontiers in Marine Science』誌の記事によると、南極圏の生物たちには気候変動が有益に働いているのだそうです。研究者たちが行った危険度査定分析によると、南極温暖化の進み具合によりますが、何十もの生物が問題なく暮らして行けるのだとか。
研究者たちは、まず、山のような学術文献を読み解き、気温の上昇や海洋の酸性化、海氷の溶解などの、南極生物に影響を及ぼす7つの要因に辿り着きました。それから、それらそれぞれの要因が特定の生物に与える影響を調査し、31種の南極生物の記録を取ったのですが、彼らが研究した21の無脊椎動物の大半、70パーセントに気候変動が有益に働いていたのです。
例えば、海氷が少ないということは太陽光が海に差し込みやすくなるので、植物プランクトンが良く育ちますし、貝やクラゲなどのそれらを摂取するものにとって豊富な食物となります。
そして海氷が割れれば、浅瀬へと流れて行き、海底をさらいます。その過程は、海に住む芋虫や冷たいところが大好きなヒトデたちを浮かび上がらせ、海氷によって死んだ生物を貪らせるので、そういった生物にとっても好都合なのです。
しかも驚きなのは、骨を持つ10の生物の内の半数の研究においても、間接的ではありますが、少し恩恵があるということです。
例えば、王様ペンギンですが、氷の移動が巣に最適な場所を提供してくれるおかげで、繁殖するのに適した場所を増やせるのです。
それに、王様ペンギンとミナミセミクジラは、プランクトンを主食とする甲殻類や小魚が主食ですので、海氷の減少はむしろ好都合なのでしょう。今後数が増えるとの予想が出ているのはそのためです。
しかし、これらの生き物が主食としているオキアミが減少することを考えれば、とんでもないことだということがわかりますよね。アデリーペンギンや皇帝ペンギン、ヒゲペンギン、同じくザトウクジラの絶滅を意味するのですから。
それに、食物需要のような多大な恩恵がもたらされる動物がいるとしても、その一方で、その動物は良い生息環境を失うという憂き目にあってしまうでしょう。
また、研究者たちは、環境要因がそれぞれにどんな作用をしたり影響を及ぼしたりするのかをいまだ完全に解明しているわけではありません。危険査定において、マイナス数値よりもプラス数値の方が多かったからと言って、実際のところは違うのです。
確かなのは、地球温暖化で多くの変化が訪れる、ということだけなのです。気候変動によってつくられる南極の生態系は、今日とは全く違う形相を見せるのでしょう。それに、あなたはどうかわかりませんが、私はペンギンには目がないんですよ。
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