2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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安藤昭子氏(以下、安藤):じゃあ、考えるってどういうことなんだと。考えるということについて、ここで少し皆さんと考えてみたいと思います。
まず大前提です。私たちの頭の中で起こっていることとして、ひとの頭の中の思考プロセスというのは、もうブラックボックスですね。なにが起こってるかわからない。
(スライドを指して)INPUTとOUTPUT、認知情報と伝達情報とありますが、私たちは日頃なにか情報が入ってきて、例えばdocomoという文字が入ってきて、それをOUTPUTしようと思います。docomoから、かしこもに行くのか、スマホに行くのかというふうになります。
そのあいだ頭の中でなにが起こっているのか考えるというのは、普通に生活してるとできないですね。勝手に自動操縦してくれてると。
もう一回ちょっと連想のことを試してみたいんですけれども。前にリンゴがあります。今皆さんにやっていただいたのは、このリンゴを起点にざーっと連想の思考プロセスを可視化していただくことだったんですけれども。今度はワークシートには書かなくていいんですけれども、リンゴを見て、できるだけたくさんリンゴから連想して、言い換えてみてください
リンゴからなにが連想できるかということを、先に先に進むんではなくて、リンゴから何種類もの連想というのを頭の中に思い浮かべていただく。これをちょっとやってみていただけますか? 頭の中でいいです。
リンゴから何種類もの連想を働かせてください。イメージとしては放射線状になにか出ていって、いろんなリンゴの見方というのが、ばーっと書き出されているようなイメージ。いいですかね。ちょっと聞いていきたいと思います。
では前の方に。リンゴといえばなんですか?
参加者5:リンゴと言えば赤。
参加者6:アップルコンピュータ。
参加者7:アップルパイ。
参加者8:すぱい。
安藤:スパイ? ああ、酸っぱい。
参加者9:青森。
安藤:ああ、産地。
参加者10:ええ、ビートルズ。
安藤:なるほど、リンゴ・スター。
参加者11:丸い。
安藤:丸い。形からいきました。
参加者12:白雪姫。
参加者13:ニュートン。
安藤:なるほど。
これもおもしろいんですよ。今皆さんに聞いて、だれもかぶってないんですよね。
安藤:リンゴだけでも、物語からアップルコンピュータから味からビートルズまで、さまざまです。
これは皆さんの頭の中で、無自覚ではあるんですけれども、なにかがぜんぜん違う個人の体験や頭の中にあるものを使いながら動いているということですね。
今の例えをちょっと絵にしてみますけれども、リンゴと見て、果物と思ったひとがいるかもしれないですし、丸いや赤いも出ましたけれども、なにか見た目のものが出てるかもしれない。青森もありましたね。青森と言われると、それはまあ産地のことだから、もしかしたらそのあとずるずるっと引きずられて、ほかの産地のこともイメージしてるかもしれないですし。
白雪姫もありましたね。白雪姫では物語か。ニュートンもありました。こういったかたちで、リンゴひとつから取り出せる情報っていうのはとてもたくさんあるんですね。
この立場に立つことが、まずは発想力を引き出すときの一番基本的なスタンスです。
ある情報にはリンゴひとつを取ってみても、たくさんの情報が隠れています。そこにたくさんの見方でアプローチできるんだ、というスタンスに立つのがまず大事ですね。
編集工学では意味単位のネットワークと言いますけれども、私たちの頭の中は通常、ある意味の単位のかたまりでネットワークされてるんです。
例えばリンゴと聞いて甘いと思ったひとは、なんとなく味というかたまりで、いろいろなイメージが想起されてるはずなんですね。もしくは白雪姫は、物語というような意味の単位でなにかが想起されている。
つまり、考えるということは、ある意味のかたまりのネットワークを進んでいくことだとも言えると思います。
先ほど皆さんに一人連想ゲームをdocomo を起点にやっていただいたときも、いろんな分岐点が出てきたと思うんですよ。docomo から始まって、携帯電話と言ったあとに、スマホに行こうかな。それともキャリアに行こうかなというふうに、分岐がでてきてるはずなんですね。
その中を私たちはなにか選びながら進んでいる。これがなにかを考えるともなしに考えるときに、頭の中で起こっていることです。
それで、ここが大事なところなんですが、そういった漠然とした思考プロセスを意図をもってマネジメントしよう、っていうのが編集だと言っていいと思うんですね。
私たち編集工学研究所はそれを工学的にいろいろ中を見ていきながら、じゃあもうちょっとそれを上手にするためにはどうしたらいいか、ということを日々考えてるということです。
もう一回言いますけれども、私たちの頭の中はブラックボックスです。それはそれでいいんですけれども、ブラックボックスのままで終わらせないというのが編集の考え方です。
これは編集工学が前提に置いている思考の4つのプロセスです。まずなにかの情報がインプットされると連想が勝手に働いちゃうんですね。さっきのリンゴからビートルズが出てきたように。
それを連想とも言えるし、収集とも言えます。なにか情報を自分の頭の中にたくさん集めてきている状態。
そして今度はそれを自分の体験知なども使いながら、なにかに関係づけてるはずなんです。
なにかと関係づけて、アウトプットに向かおうとするときには、それらのことをなにかしらの構造にしてる。構造化をしているはずです。
構造化をしたら、じゃあそれをどうやって伝えようかなと演出をかけている。先ほどの「えーっと、ビートルズ」というのか、「ビートルズ?」というのか、そのひとことの発するなにかを相手に伝えようとするときに、どうやって意味をのせようかっていうことをこの最後に向かって考えてるはずなんですね。
これもおそらく頭の中で起こっている、大雑把にいうと4つのプロセスというのがあるだろうと私たちは見ています。
これを4つの頭文字を取って、4Cプロセスというふうに呼んでるんですけれども。コレクトしてコネクトしてコンストラクトしてコミュニケートする、というのが私たちの頭の中の営みでしょうと。
そうだとすると、それぞれのステージで頭の中で起こっていることを、先ほども言いましたように意図をもってマネジメントすることができるようになったら、私たちの編集力というのはどんどん高めていくことができるだろうという前提になってます。
そのために私たちはそれぞれのステージにおいて、考え方の「型」というのをつくってるんですね。これを皆さんに教えているのがイシス編集学校です。
今日、皆さんにやっていただいてるワークは、イシス編集学校でやっているようなことを少しリアルのワークショップ形式にして持ってきてるものなんですけれども、そのなかでもとても基本的で、とても大事で、とてもパワフルな型として、情報の「地」と「図」という考え方があります。
これをワークも通して、今日は皆さんにぜひ持って帰っていただきたいと思います。
リンゴひとつにもこれだけの情報が隠されているわけですが、それをどれだけ多様に取ってこれるかということをするために、情報には「地」と「図」というものがあるという、まずその前提に立っていただきます。
「地」と「図」ってなにかというと、情報には必ず「地」になっている情報、文脈といってもいいですし、情報の分母といってもいいですが、そこにさまざまな「図」となる情報がのってるんですね。
例えばリンゴならリンゴ、docomo ならdocomo という情報が、なにとも関係なく存在しているということはないんですね。なにかの頭の中の文脈のうえにのってるはずなんです。
この情報の「地」を変えていくことによって「図」が変わっていくんですね。
先ほどのリンゴでいうと、情報のこの緑のところが「地」だとすると、そこから出てきてるものは「図」だといったん思ってください。
リンゴを見て青森と思ったと。「地」なっているものは、産地という考え方ですね。産地という考え方に立つと、他には長野とか岩手とかも出てくるし、待てよ、リンゴってまだ他にもいろんな情報があるよな、というところで情報の「地」を変えるんですね。
味ってどうだろうと思うと、甘いとか酸っぱいとか出てくる。もう一回「地」を変える。じゃあリンゴを物語として見てみるとなにが出てくるか。白雪姫とかというふうにして、私たちは情報の「地」を意図的に変えていくことができる。
これをしていくことが、たくさんの見方をひとつの情報からゲットするときにとても大事なアプローチなんです。
安藤:さて、ここからそろそろちゃんとワークに入っていきたいと思うんですが、情報の「地」と「図」を皆さんに体験していただきます。
お手元のワークシートの真ん中にスマホが書いてるのがありますよね。これは情報の「地」と「図」のワークシートです。
さっきのリンゴと一緒です。スマホから放射線状にいろんな情報が出てくるようなイメージを持っていただくのが、一番やりやすいと思います。できるだけたくさんスマホを言い換えてみてください。
情報の「地」と「図」を意識しながら、ああここで止まっちゃったなと思ったら、どんどん「地」を変えるということをやってみてください。
これも制限時間2分のなかで、できるだけたくさん、いくつスマホを言い換えられるか。スマホから連想されるものを回りにばーっと書き出してください。
いいですか、はいどうぞ。
(時間経過)
どうですか。ちょっと数えてみてください。なん個書けたかなって。普通に一個ずつの言葉をひとつとカウントして数えていただいていいですけども、どうでしょうね。
これ必ずしも数だけが大事なわけではないですけれども、ちょっと最初のお試しとして、20個あったってひといますか?
お、いた。すごい。20個あった。
えっと、15個あったってひと?
あ、だんだん増えていきますね。
2分で途中で手が止まったってひといます?
ああ、そうだと思います。
止まるんですよ。だいたい10個ぐらいで。10個出ればいいほうかな。5個ぐらい出たところで止まるんですよね、突然。
あれ、出ないみたいな。そのあとなんとかもがいて出そうとするというのが、これはもう普通のことです。頭の中の構造がそうですから。
ここをどうやってどんどん次に次にと見方を変えていくかというところが、この情報の「地」と「図」を意識してくださいということなんですが、ちょっとテクニカルなヒントをお伝えします。
情報の言い換えテクニックというふうに書いてますけれども、少し覚えておいていただくと、なにかあったときに使っていただけるかなと思います。
まずは普通に自由連想型と書いてますけれども、なんとかとはつまり、スマホってつまり、というふうに考えてみる。
スマホってつまりというのは、さっきの5歳の子に説明するように、誰かに説明すると思って言い換えてみる。例えるっていうことですね。
ふたつめが、シンプルなわりにけっこう強力で。助詞を変えるんです。
スマホでと思ってみるとか、スマホに、スマホをと思うと、これも私たちの頭の構造の不思議なところなんですけれども、助詞ひとつで次の情報を連れてくるんですよ。
ですので、とにかく助詞をぜんぶ言ってみる。スマホが、スマホもっていうふうに考えてみると、今までぜんぜん出てこなかった情報が、ポーンと飛び出してくるということがあります。
私たちも実際にプランニング・企画をしたりするときに、この単純な方法論をけっこう使うんですね。
もしくは最後の3番目の「地」と「図」の話ですね。なになににとっての、とか、なになににおけるという。例えばお母さんにとってのスマホ、赤ちゃんにとってのスマホ、猫にとってのスマホ、それぞれ違いますよね。
なになににとってのって、今は「地」を変えてるんです。お母さんと赤ちゃんと猫というふうに、スマホという情報の「図」が持っている「地」を変えたんですね。
それによって出てくるスマホから見る情報の「図」にあたるところが、切り替わっていくはずです。
これはなになににおける、という言い方もしていいですし。本当にちょこっとしたテクニカルなヒントですね。
なにかひとつの対象についてできるだけたくさんの見方をしようとまず決めたときに、この地と図の型を意識すると可能性が広がっていきます。今日はちょっと時間なくてやりませんけれども、試しにこのテクニックを使いながら、今の皆さんのワークシートでやっていただくと、あと10個は出ると思います。
というようなことをぜひ実感をしていただいて、どこかで使っていただけるといいなと思います。
ちょっと先に進むんですけれども、せっかく皆さんとこれだけ考えるということについて考えているので、少し込み入った話、奥まった話をしていこうと思います。
頭の中の思考の枠組みと、フレームとスキーマというふうにありますが、これなにかというと、先ほど皆さんに、私たちの頭の中っていうのは、ある意味の単位を取りながら進んでいますよとお話をしました。
もしくは情報には「地」と「図」があって、その情報の「地」を切り替えながら見方を変えてるんだということも言いました。
これらと似たようなことなんですけれども、マーヴィン・ミンスキーというひとが、頭の中にはどうやらフレームと呼べるものと、スキームと呼べるものが常に動いている、というふうに言っているんですね。
フレームとは、言葉の意味を理解するのに必要な情報の枠組みのようなものです。。
日常でもなにかの事柄を指して枠組みとかフレームという言い方をしますよね。頭の中にもなにかしらそういうフレーム状態のものがあるだろうと。
そして、そこに結びついたさまざまな情報がスキーマとしてフレームのなかで動いていると。そういうイメージのようなんですね。
これちょっとわかりにくいと思うんで、さっきのリンゴの例で見ていきます。言ってみればこの青い線のところがフレームですね。この中に入ってる情報がスキーマです。
私たちはなんとなく果物フレームで考えてるときと、香りフレームで考えているときというふうに、あるかたまりずつ理解しているはずなんです。このフレームがないと、私たちは考えるということができないはずなんですね。
これはある程度の情報を頭の中に保持しておくための機能と言ってもいいと思います。
これは認知科学の話ですけれども、マーヴィン・ミンスキーというひとは、私たちはこのフレームとスキーマというのを動かしながら、思考をしているはずだと言ってます。
こういうことを言ってるひとがいる、というお話で聞いていただければいいんですが、大事なのはここからで、フレームとスキーマというのは、ひとによってかなり違うというふうにも言ってるんですね。
これ今皆さんにワークをしていただいて、もう実感していただいてると思いますけれども、10人いたら10人がフレームとスキーマの動き方も違うし、どんなフレームをそのひとが持っているかということもぜんぜん違うんです。
先ほどもアナロジーって、自分のイマジネーションが入らないと前に進められないという言い方をしましたけれども、その意味をみなさん少しずつ今実感されてるんじゃないかなと思いますが。
もうひとつ大事なこととして、フレームとスキーマの自在な結び合わせ、連携とか、自在な飛び移りっていうのが、発想力とか思考力とかの秘密というふうに言ってもいいです。
あのひとはなんか発想が豊かだよねとか、頭が柔らかいよね、といわれるひとって、このフレームと呼んでいるものを飛び移るのが得意なひとなんでしょうね。
そして、このフレームを飛び移らせるものっていうのが、アナロジーの力だと言ってもいいです。
もう一個言えば、アナロジカルシンキングには必ず個々人特有のイマジネーションというのが介在します。
これ先ほど冒頭でもお話ししたんですけれども、ロジカルシンキングが同じ解を導くためのツールだとすると、ここで言っているアナロジカルシンキングというのは、一人ひとりに特有のなにか考え方を導きだすための手法というふうに思っていただくといいです。
もう一歩整理しますね。アナロジーにはじゃあなにが必要なのかなということを、先ほどのマーヴィン・ミンスキーの見方なども借りながら3つの要素に整理します。
経験とか体験。これは上に個別知とか内面知というふうにありますが、皆さんのなかにある皆さん一人ひとりにとってだけの知ですね。
あとは知識。これいわゆる一般的な知識ですね。共有知とか外部知というふうに書いてます。
これに加えて思考。先ほどから皆さんにワークをしていただいているような、考えるということ、その思考のスキル。想像力とか編集力というふうに書いてますけれども、これらが組み合わさってアナロジーが動いていると。
ですので、どんなにここの思考のスキルを、先ほどの助詞を変えてくださいなどのテクニックを駆使したとしても、ここ(経験・体験+知識)がないと。自分のなかに経験知がなかったり、世の中一般的に知られている知識がなかったりすると、アナロジーって動かないんですね。
なぜならば、自分がわからないこと、未知なものに対して照合するためのデータベースが自分のなかにないと、このアナロジカルに考えるということができないはずなんです。
先ほどもジョバンニ・ガベッティが戦略思考にとってアナロジーっていうのは王道であり、世の中の経営者っていうのはアナロジーを駆使しながら意思決定をしていると書きました、というお話をしました。
そういう経営者・企業人たちが、たくさんの本を読んだり、たくさんのひとと話をしたりということを大事にするのは、おそらくこういったところの自分の中のデータベースを増やしていくということをしてるんだと思います。それがいわゆる教養の正体ですね。
これもちょっと余談ですが、編集工学シリーズ1回目にやったクエストリーディングというのは、この共有知・外部知にあたるところを本によって拡張しよう、というものです。
そのための読書のひとつの方法として、クエストリーディングというのを前回は皆さんにご紹介したということです。
ですので、前回いらしてくださった方は、今日のアナロジカルシンキングの話と重ねていただくと、このあたりをどうやって補強していったらいいかといったところが、組み合わさってくるんじゃないかなと思います。
一番向こう側の経験とか体験というのは、これはもう難しい話ではなくって。この経験や体験っていうのを持ってないひとはいないですから、使えるものだと思います。
もう一度整理をしますけれども、アナロジーが動くためには、まずこれはなにかに似てるんじゃないかと思うことからスタートします。そして、その似てそうだなと思うものからなにかしらを借りてくる。そして、借りてきたものを当てはめてみる。
(スライドを指して)さっきもこの絵が出てきましたよね。ビックリマークがあって、はてなマークがある。まだモクモクとよくわからないものをわかるために、もうすでに自分が知っているものから、なにかのモデルを借りてきて理解をする。
ビックリマークからはてなマークのあいだで、これを認知科学でマッピングというふうにも言いますけれども、モクモクといろんなことが思い浮かぶはずなんです。
インスタというものを5歳の子に説明しようと思ったときに、5歳の子が知っているものを思い浮かべますね。5歳の子はインスタも知らない。そこで、それをなにかに結びつけて説明してあげようというときに、たくさんの選択肢が出てくるはずなんです。
これはプロフィールというふうに呼んだりするんですけれども。このたくさん出てくるゆらぎっていうのを落とさないのが、アナロジーの大事なところで。これがけっこうロジカルシンキングと違うところなんですね。
ロジカルシンキングはとにかく、あるひとつの正解にたどり着くことが大事なので、途中に出てくるたくさんの選択肢というのは落としてっていいものですね。だけどアナロジーは、ここをいかに豊かにできるかということが大事です。
編集工学ではこれをBPTという言い方をします。ベースとターゲット。ベースというのは自分の知っているもの。ターゲットっていうのは知りたいこと。それらを考えていくときに、頭の中に浮かぶたくさんのことをプロフィールという。このBPT をどんどん動かしていくというのが、アナロジカルシンキングをしているという状態です。
ここまではちょっと理屈の話でした。試しにワークを皆さんにしていただこうと思うんですが。見立てとアナロジーとありますね。よく私たちはいろんな物事を改善していこうとするときがあると思うんですが、こういうときにもこのアナロジーはけっこう役に立ちます。
このワークはちょっと遊びのようなものでして。皆さん会社のなかで会議がおもしろくなかったり、なんにも決まらなかったりして、会議で困ってるひとも多いんじゃないかなと思うんですけれども。この会議をアナロジーによって改善してください。
手順まずひとつめ。AをBに見立てるというふうに書いてあります。これは会議をなにかにまず見立ててみてください。これはなるべく遠いものがいいかな。会議をなにかに見立ててみます。そして見立てたなにかの特徴を拾う。心のなかに入ってるものですね。
例えば会議をスポーツに見立てたとすると、スポーツのいいところってなんだろうなと。改善したいわけなので、いいところを書いてく。そうすると会議とはまあスポーツだ。そのココロはと。なぜならば、こうこうこうだから、というようなところまですると、ちょっと会議の捉え方が変わるのを体験いただけると思います。
これはもうお気づきと思いますけれども、ほとんど大喜利ですね。笑点って、あれはもうアナロジカルシンキングの宝庫ですね。ですので、ちょっと笑点をやるぐらいの遊び半分のつもりでやっていただくぐらいが、ちょうどいいと思います。
じゃあ、お手元にワークシートありますね。見立てとアナロジーと。3つ線がひいてあるものですけれども、これに書いてみてもらえますか。一応3分ぐらいとりますけれども様子見ながらまた聞きます。
はいどうぞ。
(参加者ディスカッション)
はい、よろしいですか。皆さん、なんか書けてそうな感じですね。では、これも先ほどからのように、お隣さんと大喜利タイムということでお互いにシェアしてみてください。
(参加者ディスカッション)
はい、だいたいお話しできましたか。これもやっぱり皆さん、いろいろですね。なかなかおもしろい大喜利の回答も出てましたけれども。ちょっと聞いてみましょうか。
参加者14:バーベキューにしました。
安藤:バーベキューのいいところは?
参加者14:バーベキューのいいところは、好きなものを遠慮なく料理できるところ。だから会議とは料理だ。そのココロは、好みの食べ物(意見)を出し合い、美味しいもの(結果)をつくりあげる。
安藤:すばらしい。
(会場拍手)
こちらの方もいろいろ書いてますね。
参加者15:自信ないです。会議をおばちゃんの食堂に見立ててみました。おばちゃん食堂のいいところは愛があるとか、おふくろの味だとか、そういう感じです。会議とはおばちゃんの食堂だ。そのココロは愛がある。
安藤:ほう、座布団一枚(笑)。
(会場拍手)
これはたぶん会議をなにに見立てるというこの1番目のところが難しかったんじゃないかと思います。
さっきも質問が出たんですけど、どこから考えたらいいんですかというお話なんですが、本来的にこれをやるときは行ったり来たりなんですね。
どっからでもほんとはいいんですけれども、会議をなにかに見立てるっていうときに、思い切った仮説を置くんです。それがうまくいくかもしれないし、いかないかもしれない。
いかなかったらもう一回戻って、違う仮説にしてみる。このとき皆さんのなかに動いているのがアナロジーなんですね。
あれってなんか似てるかもしれない。なんか使えるかもしれないなっていうあたりをつけるんです。それで、うまくとんとんとんと運んでいくと、先ほど座布団を差し上げたような、そのココロはというところまでいけると。
ですので、ひとつずつ正解を入れてかなきゃいけないと思うと、アナロジカルシンキングって苦しいので、間違ってもいい、間違ったら戻ってこようというふうに思っていただくといいと思います。
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