2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
The Hardest We've Ever Pushed Matter(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:この数世紀の間、科学者たちは物質が圧力にさらされることで起こる現象を研究し続けてきました。地球や土星、太陽の深層部など、私たちが今まで訪れることができなかった場所の化学反応を具現化することができるかもしれません。
そこでダイヤモンドの助けを借りて、すでに銀河系でも何が起こっているかを確認できる可能性が出てきました。
圧力とは与えられた領域を超える力の量であると定義されています。その圧力を増やすには、基本的な方法が2つあります。使う力の量を増やすこと、もしくは領域を狭めることです。
より多くの力を生むことは単純なことではありません。つまり、圧力を増やすもっとも簡単な方法は、その力が作用している領域を狭めるということです。だからサメの歯は先が鋭いのです。
科学者がこれを検証する一般的な方法が、「Diamond Anvil Cell(DAC)」を使うことです。この名前は、無傷のカットダイヤモンド2つが金床のサンプルとして使われ、限られた領域に多くの力を発揮する点から由来しています。
カラットと呼ばれるダイヤモンド底部の小さな面に圧力がかけられます。サイズは50ミクロンから100万分の1メートルまで、さまざまです。2つのカラットに挟まれることで少量の液体が発生します。
そして、ダイヤモンドをとても強く押します。一般的なDACの圧力は、人間が地上に立っているときに感じる重力よりも数百万倍強い数百ギガパスカルほどになり、地球の核の部分で起こっている事象と同程度となります。そこでは人間は立っていることができません。なぜなら、その圧力では人間は分子レベルにまで破壊されてしまうからです。
そうして、ダイヤモンドの先端を特別に仕立てたダイヤモンドの小さな半球に取り付けます。サイズはは10~20ミクロン程度です。この超ミニサイズのダイヤモンドが押され、より小さな領域に力を限定させるのです。
特別なDACの階級「ダブルDAC」は2015年に開発され、1,000ギガパスカル、もしくは1テラパスカルの圧力を作りだします。巨大惑星の物理的性質を調査するには、十分の条件です。天文学者は土星の核にある圧力と同じくらいの強さだと考えています。
そもそも、ダイヤモンドを検証に使う理由は、もっとも硬く、利用可能な物質だからです。広い範囲の電波波長に対して、透過的に偶然作用することも利点の1つです。なぜならダイヤモンドが潰されていたとしても、それをレントゲンで撮ることができ、何が起こったのかを知ることができるからです。
静止している流体の圧力を発揮することができるため、DACは制限なくデータ収集をすることを可能にしました。
この宇宙のどこかで起こっている現象を本当に理解しようと思うなら、圧力はもっと必要です。実験はもっと大規模になり、より強い圧力を必要とします。ダイヤモンドは銀河で何が起こっているのかを短時間で理解するのにうってつけの存在です。
通常はゆっくりと運ばれる圧力を瞬時に変化させられる大規模なDACがあります。普通のダイヤモンドは、粉砕前に強い圧力で押し出すことでしか管理できません。ダイヤモンドを粉砕するほどの強い圧力を創出する際には、代わりにダイヤモンドを蒸発させるレーザーを使用します。
カリフォルニアのリバモアにある国立点火施設では、超強力なレーザービームを約200所有しています。そのレーザーを使って、多くのエネルギーをダイヤモンドに注ぎ込み、蒸発させます。そして、大量の熱を生み出すこともなく、「傾斜圧力波」という、信じられないほど強力な圧力波が作り出されます。
この蒸発プロセスは100億分の1秒しかかからず、ダイヤモンドに関する限り比較的ゆっくりで緩やかなものです。圧力はダイヤモンドを破壊しないように徐々に増えていき、この方法で5テラパスカルまで増やすことができます。
圧力は木星の中心か遠く離れた恒星系に存在するより大きな惑星と同程度です。それでも、5テラパスカルは衝撃波が生み出せる圧力とは比較になりません。
ダイヤモンドを犠牲にしようとするなら、一般的なDACによく似た機器を使って、20倍の圧力を生み出すことができます。
単に押し出すだけではなく、DACに強いレーザービームを当て、虫眼鏡を使って太陽光を集めて火を発生させる原理でダイヤモンドを温めます。光はダイヤモンドを1兆分の1秒程度で急速に温め、外側の層は蒸発し始めます。
炭素原子の急速な拡張は、衝撃波を生み出し、音速よりも速くダイヤモンドにたどり着きます。そしてダイヤモンドともう一方のDACの両方を蒸発させます。研究者たちは飛び上がって、「やった!」と喜ぶでしょう。
理論的には、その時点で圧力はすでに圧縮されており、そこにかかっている圧力は100テラパスカルほどになります。それは地球の気圧の10億倍にもなるのです。
しかし、星の内部で起こっていることに近づくためにできるだけ多くの圧力を集める必要があるなら、もっと破壊的な衝撃波を使う必要があるでしょう。もっと破壊的なものです。そうです、原子力です。
冷戦中には、金属の圧縮を研究するために地下で核爆発が使われていました。そういった爆発が作り出した衝撃波は20テラパスカル程度の圧力を生み出し、ソビエトの科学者たちは1983年に700テラパルカルまで出した記録を発表しています。幸い、最近では核爆発を行うことからは遠ざかっており、こういった実験を真似ることは恐らくないでしょう。
とても不思議なものを生み出すことで、こういった高圧縮実験は、私たちの銀河系の中にある星の内部で何が起こっているのか、多くのことを教えてくれます。
2018年2月には、ダイヤモンドを蒸発させて、「超イオン伝導氷」と考えられるものを生み出されました。
これは天文学者たちが海王星や天王星の核にあると予測していたものです。この氷はとても圧縮され、同時に液体のような、固体のような動きをする、水素の流れに覆われた酸素の格子になります。
エンジニアたちが極限まで圧力を高める方法を見つけるまで、物理学者たちは高圧力で何が起こるのか考察し続けていましたが、自分たちが正しいのか自信がありませんでした。だから彼らはずっと押し出し続けるしかなかったのです。
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