2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
7 Organisms That Can Clean Toxic Waste(全1記事)
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幸運なことに自然界のいくつかの生物は、これらの汚染の中で生き残るように進化してきました。さらに、これらの生物は私たちの生活から汚染物質そのものを除去してくれるかもしれないのです。
生物を使って有害物質を除去することを「バイオレメディエーション」と呼びます。安全で費用を抑えられるうえに、常時続けられる新たな手法も発見されています。
バイオレメディエーションでは、バクテリアの活躍ぶりがよく知られていますが、他にもいくつかの植物や動物もそうした能力を備えています。
それでは私たちの世界をクリーンにする可能性を持つ7つの生物を紹介しましょう。
菌類を使ったバイオレメディエーションはとても有効で、この手法は「マイコリミディエーション」と呼ばれます。菌類は非常に早く成長する、有能な分解者です。糸状の菌糸のネットワークを使い、腐敗した木などの有機物や、石などの無機物に接触し、拡散していくのです。
菌類の本体となるのは、菌糸です。キノコはあくまでその一時的な生殖構造なのです。菌糸は土壌を掘り進む過程で、細胞外代謝物であるさまざまな化学物質を生み出します。このときに酵素や化合物が、毒性のものを含めた分子を消化吸収できるまで細かく砕いてしまうのです。
菌類の研究者たちは、異なる種によって生成される120種類以上の酵素を発見しています。1990年代に、ポール・スタメッツという菌類学者が、ペルオキシダーゼという酵素を持つヒラタケの菌株の研究を発展させました。この酵素は油汚染土壌にある炭化水素分子を分解するのです。
この発見は大事件です。なぜなら通常、油の汚染物質の分解には長い時間を要するからです。油による汚染は生態系にさまざまな毒性作用をもたらします。
ヒラタケなどの菌類は、アマゾンの熱帯雨林やニューヨークの河川の油汚染を除去する実験に活用されています。
次にピザを食べるときには、具のキノコは取り除かないほうがいいかもしれませんね(笑)。
ヒマワリが放射性汚染物質の吸収に強い力を発揮することがわかっています。通常、原子力災害が起きた場合、放射性同位体は土壌や水中で、有害な電離放射線を数十年に渡って放出し続けます。
一方、これら放射性分子のいくつかは、物理的にも科学的にも、カリウムやカルシウムなどの栄養素に類似しています。つまり植物が成長するときに、その根が必要な栄養素と一緒に放射性同位体も吸収してしまうのです。
吸収の働きに最適なのがヒマワリです。ヒマワリは成長が早く、多様な気候において生存できます。さらに、ヒマワリはその芽や茎に、放射性同位体を蓄積できるため、容易に地球の汚染処理ができるのです。
1986年にチェリノブイリで原子力事故が起きたとき、ある汚染処理の会社が、汚染された池にヒマワリの根を浸ける装置を建設しました。これらのヒマワリは「セシウム137」と「ストロンチウム90」を吸い上げました。この汚染処理法は、1,000ガロンごとの水に対して、わずかに2~6ドルほどの費用しかかからなかったのです。
ただし、(根の吸収を利用した)この処理法は、土壌においてはあまり効果的ではありません。なぜなら、ある種の放射性同位体は、土中の小さな空洞にとどまってしまい、抜き取るのが大変むずかしいからです。
それでもヒマワリが有用なことに変わりはありません。ヒマワリはオハイオの下水処理場や、テネシーにあるオークリッジ国立研究所の毒性の泉、さらに日本の福島でも汚染のクリーンアップに使われてきました。
二枚貝は、ちょうつがいの貝殻を持つ軟体動物で、ハマグリやカキ、ムール貝などがあります。これらの貝は、水中のプランクトンを餌にするため、周囲の水質を継続的に改善してくれます。貝はまた、生態系に悪影響となる除草剤や薬物、難燃剤などの化学物質、その他の沈殿物や藻類も除去します。
貝の免疫システムにとって、これらの汚染は悪条件となりますが、たいていのケースにおいて貝は生存できます。こういった特性がチェサピーク湾などでの天然カキの個体数の回復につながっています。
研究者たちは、二枚貝を除染の実験に使用しています。2014年の調査で、研究者たちはカリフォルニアのムール貝と、アジアのハマグリに着目しました。彼らはこれらの貝を、7つの汚染物質を添加した汚水で満たされた水槽に入れました。
72時間後、これらの貝は、汚染物質であるトリクロカルバンの80%を除去。その他の汚染物質もより少量ながら除去していたのです。トリクロカルバンは、抗菌性の化学物質で、ハンドソープなどに使用されます。水道の中に含まれたトリクロカルバンは、バクテリアを殺します。
しかし、突然変異を起こし生き残った微生物は、改めて繁殖し、トリクロカルバンやその他の抗菌性物質に対しての耐性を強化します。これによって病気が引き起こされるのは、私たちにとって問題ですよね。
また、トリクロカルバンは、生物のホルモンにも影響を与えます。同じ研究グループが二枚貝を使い、大腸菌で汚染されたサンフランシスコの湖で実験を行いました。大腸菌は種によって病を引き起こします。
研究者たちは、水槽に湖の汚染された水を投入したのち、水質の変化を調べました。すると、ムール貝が湖水のバクテリアを除去していたことが判明しました。とくに弊害もなく、バクテリアを分解していたのです。
近年、ミシガン州フリントなどで鉛の汚染水問題がニュースになっています。鉛は私たちの歯や骨を強化してくれますが、脳や肝臓、腎臓が、鉛が身体中に広がるのを防いでくれます。これが大きな問題になっているのです。
私たちは水中の鉛をろ過し除去する装置を開発してきました。最近の研究では、ある種のコケがこの助けになる可能性があるとわかってきました。
日本の研究者たちは、ヒョウタンゴケが鉛の毒性を除去する可能性に注目しました。ヒョウタンゴケは、毒性の高い重金属で汚染された土地でも生息できます。研究者たちは、ヒョウタンゴケを濃度の異なる15種の金属の溶液にさらにました。1日経って、質量を分析してみると、鉛にさらされたコケの細胞が、乾燥重量の約74%に値する鉛を吸収していたのです。そのほとんどの鉛は、コケの細胞壁の内部にありました。
研究者たちは、この作用のメカニズムを解明できていません。しかし、別の分析によって、これらの細胞壁が通常ではありえないほど多量のポリガラクツロン酸を含んでいることがわかりました。このことから鉛の原子との結合が起きていると推測されています。
このコケの作用を実際の除染に活用するのは、これからの話になりますが、研究者たちは前途は明るいと考えています。この鉛の吸収の実験は、異なる条件下でも成功しているのです。未来では青々としたコケのカーペットが、水処理システムに活用されているかもしれません。
白い花をつける(アブラナ科の)アルパイン・ペニークレスという植物があります。キャベツの仲間であるこの植物は、意外な能力を持っています。この植物を重金属で汚染された土壌で育てると、汚染物質を葉に蓄積してしまうのです。通常の植物が蓄積できる重金属の100倍の濃度を溜めこみます。これは超がつくほどの蓄積能力です。
他にも高い(汚染物質の)蓄積能力を持つ植物はありますが、アルパイン・ペニークレスはとくに際立っています。アルパイン・ペニークレスは、カドミウムを摂取できる3つの種のうちの1つであり、カドミウムと亜鉛をともに摂取できる唯一の種です。
鉛などの重金属に慢性的にさらされると、人体にさまざまな影響が及びます。カドミウムは肝臓と腎臓に重大な問題を引き起こしますし、過剰な亜鉛は、嘔吐や疲労、免疫システムの障害を引き起こします。
アルパイン・ペニークレスの能力の秘密は、特殊な輸送タンパク質にあります。その他の分子もこれに関わっているとは思いますが。ほとんどの植物の場合、輸送タンパク質がセル内の重金属の蓄積を規制します。摂取を抑制し、重金属の濃度を適正なレベルに持っていくのです。
一方、アルパイン・ペニークレスには、このような規制が見受けられません。とくに副作用もなく、多量の重金属を吸収し続けるのです。残念ながらアルパイン・ペニークレス自体は非常に小さな植物なので、多大な除染効果は期待できません。しかし、研究者たちはこの分子メカニズムを活用するための調査を進めています。
2011年には中国の研究者たちが、アルパイン・ペニークレスの酵素の鍵となる遺伝子を(植物の)タバコから発見。これによってカドニウムを蓄積する能力が劇的に向上しました。
タバコがバイオレメディエーションのために使われたのは、今回が初めてではありません。1999年に、イギリスの研究者たちがバクテリアの遺伝子をタバコに組み入れました。
この遺伝子はPETNレダクターゼと呼ばれるタンパク質にコードされたもので、2つの窒素ベースの混合物を分解できます。1つはPETN(硝酸ペンタエリスリトール)で、もう1つはGTN(三硝酸グリセリン)です。
この2つの化学物質はともに強力な爆薬であり、軍事活動や産業活動によって、その少量が土壌内に残ってしまいます。これはもちろんよいことではありません。研究者たちがテストしてみると、正規のタバコはわずかにGTNを含有する土壌でもほとんど生育できませんでした。
しかし、遺伝子組換えのタバコは出芽したのみならず、通常どおりに生育したのです。これらはまた化合火薬類を吸収し、分解していたのです。これ以降、科学者たちは別の窒素ベースの爆薬であるTNT(トリニトロトルエン)に注目するようになりました。
2007年の研究で、PETNレダクターゼと、窒素化合物を分解する細菌遺伝子を組み入れたタバコは、TNTを添加した土壌でも生育しました。このタバコは、土壌内のTNT濃度を下げ、これによって周囲の微生物の活動を活性化したのです。
タバコの根の周囲で生育していたバクテリアのバイオマスと代謝の活動がともに向上していました。土壌の状態を良好に保つために微生物は必須なので、これもまたよいニュースです。
ハチミツガの幼虫は、釣り人と養蜂家にはよく知られた存在でしょう。ハチミツガの幼虫は飼育されて、高価な釣り餌として売られます。また自然界においては、これらは養蜂の蜜ろうを食べてしまう害虫になります。
しかし、ある科学者と養蜂家が、ハチミツガの幼虫が他のものも食べてしまうことを偶然に発見しました。それはプラスチックです。彼らはミツバチの巣箱にいたガの幼虫を取ってポリ袋に入れました。後で見てみると、幼虫がポリ袋を食べて外に出てしまっていたのです。
彼らはさらなる研究を進め、2017年にその成果を発表しました。実験によって、100匹の幼虫が半日で、約0.1グラムのポリエチレンを食べてしまうことがわかりました。
さらに科学者は幼虫を潰して、その液体をポリエチレンにかけてみました。すると、その液体はポリエチレンに穴を開けてしまったのです。これによって、幼虫の体内にある酵素がプラスチックを分解していることがわかりました。幼虫たちはただプラスチックを細かく噛み砕いていたわけではないのです。
これは大きな発見です。ポリエチレンは多くの包装に使用されているのです。ある概算では、40%のプラスチック製品がポリエチレンで作られているといいます。これらは簡単に分解される物質ではありません。
幼虫のどんな酵素がプラスチックの分解に作用するのかは、まだはっきりとわかっていませんが、おそらく幼虫たちがみつろうを消化するのと同じ酵素が使われていると考えられます。次のステップはこの酵素の性質を解明し、いかにしてプラスチック廃棄物の分解に利用するか考えることです。
一部の人は、ハチミツガの幼虫を増やすことは、ハチにとって害になると危惧しています。しかし、この幼虫のプラスチック分解遺伝子は、バクテリアか何かによる作用なのかもしれません。
つまり、科学者がさらに努力して研究を続ければ、植物や動物、キノコ、微生物によって、あらゆる有毒廃棄物に対処できるようになるかもしれないのです。生物の適応は、我々の想像を超えるものですから。
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