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How to Survive a Nuclear Attack(全1記事)

核攻撃されたら、どのように生き抜くべきか?

かつて日本は、広島・長崎と核爆弾の被害に2度も遭っています。あのような悲劇が繰り返されることはあってはなりませんが、もし核攻撃に遭ってしまった場合、自らの命をどう守ればいいのでしょうか? 今回のYouTubeのサイエンス系チャンネル「SciShow」は、核攻撃に遭った場合の避難方法などを解説します。

あなたの住む場所が核攻撃に遭ったら…

オリビア・ゴードン氏:まず、あなたのそばに核爆弾が落ちる可能性はほとんどないということからお話を始めましょう。しかし、どんな不測の事態に対しても良い準備をしておきたいと思われるような方でしたら、核爆弾の爆発と放射能はどのように起こるのかを知っておいた方が良いかもしれません。

近い将来、核爆弾に準備をするために本腰を入れる必要はないかもしれませんが、核攻撃に遭った時に乗り切る方法をお話しします。

核兵器による爆発は大量のエネルギーを放出します。爆弾の大きさと、爆発した場所が大気のどの高さにあるのかにもよりますが、あなたが爆発地点から何十キロも離れた場所にいたとしても、そのエネルギーはあなたに影響を与えることができてしまうのです。

核爆弾のサイズはキロトンという単位、または同じエネルギーを放出するために何千トンのトリニトロトルエンが必要になるかによって測られます。10キロトンの爆弾は小型とされています。現在の核兵器と比べてもずっと小さいサイズです。

代わりに、ミサイルは中型の爆弾を搭載することが多く、その大きさの爆弾だと、100~350キロトンの爆発エネルギーを持っています。しかし核実験ではそれよりもずっと大きなサイズで行われたこともあり、トリニトロトルエンが数千どころか、何百万トンもある爆弾で行われたこともあるのです。

そのような兵器は実際に使うには困難です。長距離ミサイルに搭載するには重すぎるからです。そのため、政府組織が考える緊急時のプランは、小型から中型の爆発に対応するものとなっています。

爆発が起きて数秒後、一番危険なのは、波のように広がる熱と圧力の衝撃です。爆発の全体的なエネルギーの85%を占めます。光は移動速度が一番あるので、まず目に入るのは光です。ミサイルが落ちる前に早期の警告を受けてシェルターに避難するのが理想です。

光は熱波と熱放射とともに来るので、もしそれが衣類や皮膚に吸収されてしまうと、ひどい日焼けのような「閃光やけど」を負ってしまいます。

小型の10キロトンサイズの爆発が地上近くで起きた場合、周囲が炎に包まれるだけでなく、熱放射が強いと、閃光やけどはその周囲から3キロ離れた場所にまで起きてしまいます。

中型サイズの爆弾の場合だと、その爆発が大気中のどのくらいの高さで起きるか、そして爆弾がどのくらいの大きさかによってその影響は異なります。しかし100キロトンの爆弾であれば10キロメートルほど遠くにいる人間に、やけどを負わせる威力があります。

どのように避難すればいいか

閃光を見て熱放射線から避難できたら、自分を守るための時間が何秒か使えるかもしれません。閃光のすぐ後、爆発が周囲の空気分子に激しくぶつかって生じる高熱ガスが急激に膨張し、衝撃波が起きます。

あなたが爆心地近くにいる場合、この圧力波は音の移動速度で進み、鼓膜破裂などを引き起こします。この場合、圧力波より熱の方が問題となるでしょう。ビルなどの建造物を破壊するため、圧力波は爆発地点より少し離れた場所の方が危険になります。

10キロトン爆弾の爆発地点から5キロ離れた場所でも、その衝撃波は窓ガラスを粉々に吹き飛ばすほどの威力があります。100キロトンの爆弾では10キロ先で同じ現象が起こると言われています。

典型的なアドバイスとしては、もし閃光が見えたなら、今やっていることを中断して物陰に屈み込むか、うつむけに寝て、できるだけ皮膚の露出をなくしましょう。もちろん、どんな爆弾でも熱と衝撃波を引き起こします。

核爆発が普通の爆弾と異なるのは、それが熱と衝撃の他に電離放射線を放出する点です。それは原子から電子をはじき出すほどのエネルギーがあり、DNAや他の細胞分子にダメージを与えます。

そうなると、長期的にはガンなどの病気を引き起こし、短期的には急性放射線症候群の原因となります。急性放射線症候群とは、放射線が人体の内臓、血液、免疫システムの生活細胞の補充を行う幹細胞を殺してしまう状態を言います。

爆弾の電離放射線の影響はそれだけにとどまりません。放射線降下物があるからです。きのこ雲により舞い上がった放射性物質が、爆発の後に降り注いでくる現象を「放射線降下物」と言います。厄介なのは、放射性物質がどこに落ちるのかわからない点です。

風に乗って何百キロも離れた場所に落ちることもありますし、土地の形状によってもそれが落ちる場所が異なるのです。爆発地点から遠く、何十キロも離れていたとしても、放射線降下物を避けるには、安全な避難所に素早く避難する必要があるのです。

どこに避難するのが得策か

被害の深刻さはあなたがどれだけの量の放射能にどれくらいの期間さらされたのかによるので、室内に避難するのが大切になります。放射線降下物からは異なる放射線が放出され、その中にはとくに危険なものもあります。

例えばベータ粒子は、皮膚を焼いてしまいますが、衣類があればそれを防げます。かたやガンマ線は、壁を貫通してしまいます。放射線から身を守るには、レンガやコンクリートなどの高密度物質でできた大型のビルの地下室に避難するのが最善です。

数メートルあるコンクリートや土の壁は、ガンマ線に対する盾となるので、地下室が最善のオプションになると言えるのです。

地下室に逃げ込むことができないようなら、次に有効なのは、ビルの中心部に避難して自分と放射線降下物との間隔を取りましょう。そして汚染された衣服をできるだけ早く脱ぎ、それを袋に入れて密封します。

なぜなら衣服には、目に見えないだけで、放射線降下物が付着しているかもしれないからです。もし石鹸を使ってシャワーを浴びることができるなら、もっといいでしょう。

でも、その時こすり過ぎないように注意が必要です。皮膚をこすりすぎると、炎症を起こしたりひっかいたりした部分から放射線粒子が体内に入り込むかもしれず、シャワーを浴びる意味がなくなります。

髪も洗った方がいいですが、コンディショナーは使わないでください。コンディショナーは、毛髪の皮膚細胞をまとめることでサラサラにするのですが、それにより、頭に落ちた放射線降下物を留めることになりかねませんので、これもシャワーを浴びる意味がなくなってしまいます。

最後に、屋内避難の準備が必要かもしれません。なぜなら放射能のレベルは爆発直後が一番高くなりますが、それから1時間以内に放射線降下物の放射線が半分以下に落ち、2日目までには80%の危険性がなくなります。避難した場所があまり良くない状態で、もっとマシなシェルターが5分以内にあるなら、そこに避難した方がいいかもしれません。

外に出ると放射線にさらされる危険性がさらに高くなりますから、それはギャンブルかもしれません。安全なシェルターに避難できたら、汚染されてない場所に移動するまで1~2日はとどまった方がいいでしょう。

自分が避難するであろう場所に、数日分の食物や水、石鹸や衣服、そしてラジオを準備しておきましょう。もちろん、あなたが核攻撃に備えるような類の人でしたら、すでに緊急災害キットを準備していることでしょう。もう一度言いますが、この情報が役に立つ可能性は非常に低いです。でも、これで念のための準備ができますね。

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