2024.10.01
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8 Things People Get Wrong About Animals(全1記事)
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しかし、その中には動物について実際に誤解を生み出してしまった表現もいくつかあります。大人になってそうした誤解が解ければいいのですが、これから紹介する8つのエピソードには知らなかった事実があるかもしれません。
『くまのプーさん』を見て育ったのなら、クマは蜂蜜が大好物だと思っていませんか? 実はまったく違うのです。確かにクマは養蜂箱を襲撃しますが、実際の狙いは幼虫やサナギといったハチノコたちです。
木の空洞にできた天然の蜂の巣でも、養蜂家が管理する養蜂箱であっても、クマはその匂いに引きつけられてやってくると、巣を引き裂いて中にあるごちそうを取り出します。
当然ですがハチはそんなことを望んでいません。そこでハチたちは、針が効かない分厚い毛皮部分ではなく、クマの顔や耳に遅いかかります。
蜂蜜は花の蜜からできているため、ブドウ糖 や果糖といった炭水化物を豊富に含んでいます。もちろん、蜂蜜がそこにあるならクマは食べますが、一番に欲しているわけではありません。
一方でハチノコを食べれば、タンパク質や脂質を豊富に摂取できるので冬眠に備えることができます。冬眠している間は何ヶ月にもわたって飲んだり食べたりしないので、蓄えた栄養に頼るしかありません。
また仮に養蜂箱が都合のいいエサであったとしても、アメリカグマやグリズリーベアにとっては食料のわずかを占めるだけです。クマは根菜、木の実、虫、魚、哺乳類など手に入るものはなんでも食べるのです。こう考えると蜂蜜にだけに頼るよりよほど生き延びやすそうですね。
ネコがボウルいっぱいの牛乳を美味しそうに舐めているのは、『トムとジェリー』のようなアニメでは定番の光景です。ですが、驚くことに、牛乳はネコの消化にとても悪いのです。
ネコを含むほとんどの哺乳類は、成長とともに牛乳を消化する能力が失われていきます。毎日牛乳を美味しく飲める人間が特殊なのであって、それが普通ではないのです。
子猫のうちは、牛乳に含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素が小腸で作られます。生まれてすぐの哺乳類は、すべての栄養を母親の乳腺から分泌されるミルクから摂取する必要があるため、これはとても重要です。なんとしても分解する必要があるのです。
しかし、大きくなって他のものも食べるようになるにつれて、ラクターゼは自然と作られなくなります。そして消化できない乳糖が小腸にやってくると、細胞はなんとか対処しようと水をたくさん分泌し、下痢になってしまうのです。さらに腸内細菌が消化物を発酵させるとガスが発生し、お腹が張ります。
また、哺乳類それぞれのミルクにはその動物が必要とするタンパク質、脂質、炭水化物といった栄養素が、独自の配合で絶妙に混ぜ合わされています。つまり子猫が成長する上で必要な配合です。
牛乳には平均的な母猫のミルクより乳糖が多く含まれているので、いくら子猫が乳糖を分解できるとはいってもネコのミルクには劣ります。乳離れできるまでは母猫と一緒にしておいてあげましょう。その後はキャットフードをあげたりするのがいいでしょう。
「飲む」と言えば、アニメではよくゾウが自分の鼻をストローのように使って水を飲む場面があります。ですが実際は人間以上にできません。……本当にやらないでくださいね?
なぜならゾウの鼻は、解剖学的には鼻と上唇だからです。つまり陸上で生活する動物はもともと同じ体の構造をしていましたが、長い年月かけて進化する間にそれぞれ違う形に変化していったのです。
ゾウの鼻はチューブ状の筋肉組織で、匂いをかいだり、エサを掴んだり、コミュニケーションをとったりといろいろな使い方をされます。
実際、何かを飲む時にも使っています。ですが鼻の中に吸い込んだ後に口の中に吹き出しているのです。
一般的なゾウの鼻は10リットルもの水を貯められるので、喉が渇いた時や大きな水鉄砲が欲しい時にはうってつけですね。
ウサギとニンジンの関係には興味深い逸話があります。最初に始めたのはバッグス・バニー(注:ワーナーのキャラクター)ですが、これは1934年の映画『或る夜の出来事』に影響を受けています。
とくにクラーク・ゲーブル(注:アメリカの映画俳優)演じるおしゃべりな主人公が、ヒッチハイクした後にニンジンをまるごとバリバリ食べてしまうシーンは印象的です。映画ファンならアニメのシーンはこれを意識しているとわかるでしょう。
ですがウサギは屋外に生えている根菜を食べません。ほとんどは雑草などの、長く結合した炭水化物、つまり消化しづらい炭水化物を豊富に含んだ草を食べます。
ニンジンなどの根菜は別のかたちの炭水化物を含んでいます。こうした果糖やデンプンなどの糖を多量に摂取すると、ウサギの歯や消化器官に悪影響が及ぶのです。
例えば、腸内には袋状の消化器官がありますが、そこには食物繊維のような消化しづらいものを分解する細菌がいます。こうして分解された食べ物は盲腸糞とよばれ、ウサギは排泄した後にもう一度食べることで栄養を摂取し直すのです。
ニンジンのように消化しやすい糖を豊富に含んだものを食べすぎると、盲腸糞を作るための細菌が置き換わってしまいます。この仕組みをダメにしてしまうので、フンを片付けないようにしましょう。ウサギのエサとしていいのは、干し草、草、ウサギのエサなどで、ニンジンはたまにあげる程度にするべきです。
次のエピソードは、公園でアヒルにパンをあげるという子ども時代の楽しい記憶をダメにしてしまうかもしれません。多くの人がエサとしてあげていますが、実はパンは鳥にとって良くないのです。
例えば2014年、イングランドとウェールズでは600万個ものパンがエサとして与えられたと見積もられています。パンにはでんぷんが含まれているだけなので、栄養的な問題はほとんどありません。
ですがその結果、鳥はパンだけで満足してしまい、必要な他の栄養が含まれている食べ物を探そうとしなくなるのです。
パンを食べた小鳥は自分でエサを探すことを学習しなくなります。また食べ物がパンだけに偏るとタンパク質やビタミンが不足します。
原因は専門家にもわかっていませんが、こうした栄養の不足が「エンジェル・ウイング」と呼ばれる奇形を引き起こすと考えられています。
羽をつなぐ関節部分が、片方か両方ともねじれてしまうのです。エンジェル・ウイングになると最悪の場合は飛べなくなり、天敵に容易に襲われてしまいます。
言うまでもないですが、食べられずに残ったパンは環境にも良くありません。池や川に糖が漂うと、細菌やバクテリア、藻類が不必要に繁殖する原因となるのです。
多くの細菌は人にも動物にも有害な毒素を発生させ、水質が悪くなってしまいます。どうしても鳥にエサをあげたいなら、食べ残したパンではなく、麦やトウモロコシ、レタスをあげるようにしましょう。
アニメではダチョウが恐怖を感じると頭を砂の中に潜らせる場面があります。この発想の由来について、動物学者の考えはいくつかあります。
ダチョウは地球上で最も大きな鳥で、立った時の高さは2メートルにもなりますが、その体に比べてとても小さな頭を持っています。
ダチョウが地面のエサを食べている姿を遠目に見ると、頭はほとんど見えないかもしれません。まるで地面に押し込んでいるようにも見えるでしょう。
またこの大きな鳥は巣を作るために、幅2メートル、深さ1メートルもの穴を掘ります。1日に何度かくちばしを使って卵を転がすことで、胚を均一に温めつつ内部の栄養素が行き渡るようにします。この動作はなおのこと、頭が地面の中に潜っているように見えるでしょう。
ではダチョウが身の危険を感じると実際にはどうするのでしょうか。逃げ出したり、戦ったりする必要性を感じなければ、頭を投げ出して地面に伏せて、自然に溶け込もうとします。
「ストップ・ドロップ・ハイド」(注:服に火がついた時の対処法とかけている)といった感じですね。これだけ大きな鳥が隠れようとしているのは間抜けな姿かもしれませんが、頭だけを隠して危険を見ないようにするよりは効果的だと思いますよ。
身の危険を感じたヤマアラシは外敵から身を守るために針を飛ばしてくるから気をつけろ、と言われたことがあるかもしれません。とてもカッコイイ姿ではありますが、これも本当ではありません。
ヤマアラシの針は体毛が変化したもので、鋭くて硬い、ケラチンというタンパク質でできています。
身の危険を感じると針の下の筋肉によって、人間で言えば鳥肌が立ったときのように針を起こします。
ヤマアラシの最初の防衛方法は、体を大きく見せながら針を震わせることで相手を威嚇し追い払うことです。さらに怒ったり追い詰められたりすると、突進や針を振り回すことで外敵を刺そうとします。
北アメリカのヤマアラシは、同じサイズの他のヤマアラシより相手の皮膚を貫通しやすい針を持っています。
ギザギザのナイフと普通のナイフの違いのようなものです。さらに、針が一度相手に刺さるとヤマアラシからはすぐに抜けますが、刺さった相手からは抜けにくくなっています。
研究者たちは、注射針や手術針といった医療技術へ応用するためにこうした針を調べています。ヤマアラシを驚かせるのは絶対にやめたほうがいいですが、針がミサイルのように飛んでくることはありません。
「コウモリのように目が見えない」というフレーズも、昔からある決まり文句ですがもう一度考え直したほうがいいでしょう。コウモリはちゃんと見える目を持っているので、目が見えないわけではないのです。
とくに果物や花の蜜を食べる大きな種類のコウモリは、人間よりよく見える目を持っています。食べ物を見つけるために目や鼻に頼っているのです。
ですが虫を食べる種類のコウモリは、より小さな目しか持っていないため、夜間でもエサを探せるよう「エコロケーション」という別の器官に頼っています。
口や鼻腔から、人間には高音すぎて聞こえないキーキーという音を発します。そして耳にある高感度な受容体で、微妙に周波数が変化した反響音を捉えることで周辺にいるガのようなエサを判別するのです。
コウモリはエコロケーションなどで人間をはっきり識別できるため煩わせることはありませんし、そもそもあえて近寄るほど人間に興味も持っていません。外に出た時にコウモリがすぐ頭の上を飛んでいることもあるかもしれませんが、それは人間ではなくその近くをたまたま飛んでいた虫を追いかけていただけなのです。
アニメや子ども向けの本、古くから言い伝えから、動物学に基づいた正しい答えを考えてきました。『くまのプーさん』やバックス・バニーは、クマやウサギの正しい姿ではなかったんですね。
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