2024.12.16
相次ぐ有名企業のランサムウェア被害…日本の課題とは? 生成AIを活用したセキュリティ脅威への解決策
How the First Americans Got There(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
マイケル・アランダ氏:約1万1,500年前、現在の中央アラスカの人々は2体の赤ん坊を埋葬しました。1人は生後6週間に満たず、もう1人は妊娠後期の死産でした。2013年に考古学者が発見するまで、赤ん坊の遺骨はそこに埋まっていました。
そして最近になって、ある研究者のグループが赤ん坊のそのうち1人のゲノムを分析し、発表しました。そのゲノムにたくさんの遺伝子コードが記されていたのです。
実際、この赤ん坊のDNAは、種としての人類の歴史について多くのことを教えてくれるものとなりました。人類がアメリカ大陸にどのようにやってきたか、その後どうなったかを教えてくれます。我々が知りうる限りでは、もっとも直接的な証拠といえます。
人類がどのようにアメリカ大陸にやってきたのか。何年にも渡り、研究者たちはさまざまな理論を述べてきました。最近になって、世間が同意する結果が少なくともいくつか出てきました。約1万4,000年以上前、人類はシベリアとアラスカの間にあるベーリング陸橋を渡ったとされています。
そして、北米と南米へと広がり、現在のようにアメリカの先住民族は北側と南側、それぞれのグループに分かれました。
この移住に関しては解決されていない疑問がたくさんあります。例えば、その移住が一体いつあったのか。なぜ古代のアメリカ先住民とインディアンのゲノムは大きく異なるのか。
そこで最近発表された赤ん坊の話に戻りましょう。研究者たちは生後6週間の赤ん坊から「USR1」として知られる、ゲノム分析をするのに充分な量のDNAを取り出すことに成功しました。彼らはUSR1のゲノムを配列し、古代から現代に渡る2,500人以上のゲノムと比較しました。
すると、予想に反してUSR1は北と南、それぞれのアメリカ先住民との相関が見られませんでした。彼らに共通の先祖がいたことは明らかですが、このチームの発表によると、この赤ん坊の遺伝子コードはまったく異なりました。
「古代ベージンリア」という、まったく新しい3つ目の血統であるという結論にいたったのです。この発見により、3万年ほど前にベーリング陸橋付近から最初の人々がやってきたという説を支持することができます。
その後、氷河時代がピークを迎え、氷床や氷河がベーリング海峡にいる人々の遠征を阻みました。こうして何千年にもわたり、世界から疎外された状況に置かれたのです。
そして、ベーリンジア人固有のモデルができあがったのです。そのモデルによると、気温が一時的に上がると、そこにいた人たちは動けるようになったので、アメリカ大陸の北や南へと広がっていったのです。
もし最初のアメリカ先住民がしばらくの間、ベーリング海峡から動けない状況なら、自分たちの間で繁殖して、DNAの新たな変異が起こり、インディアンとは異なる変化が生じたと言えます。先住民のゲノムに大きな多様性を見出すとしたら、古代ベーリンジアの血統がそれを証明してくれます。
また、この発見は2015年に研究者が発見したものとも合致します。それは細胞のミトコンドリア内にいる、分離した小さな遺伝子のコードで、細胞核とは異なるものでした。
彼らはUSR1とUSR2と呼ばれる両方の赤ん坊からサンプルの好事例を取り出すことに成功しました。そのミトコンドリアのゲノムから得られる情報は、核ゲノムから得られる情報より限られますが、それでも役に立つ例と言えます。
この情報により、赤ん坊2人の遺伝子ラインは今日の北アメリカ先住民のものとは基本的に異なることが充分に証明されました。言い方を変えるなら、赤ん坊たちは非常に多様性のある先祖を持っていたです。
我々はUSR1の核ゲノムを手に入れたので、それ以上のことがわかっています。古代ベーリンジアは独立したグループだったのです。USR1のゲノムを他のグループのものと比べることにより、研究者たちはベーリンジアの固定モデルをじっくり調査しました。
そして、いつ・どのようにアメリカ先住民が最初に移住したのか、という時系列を知ることができました。我々にはその研究がどのように行われたのかは、はっきりとわかませんが。
今回の新しい証拠を、過去に考古学者が発見した証拠と合わせ、この研究チームはこのような予測を立てました。
まず人々は3万6,000年ほど前にベーリング陸橋近くの北東地域に落ち着きました。しかし、それからしばらくの間、人々は東地域と行き来していたので、遺伝子が共有されるようになりました。
その後、約2万4,000年前になると、寒い気候が彼らを他の集団から孤立させるようになりました。
そして2万1,000年ほど前、URS1の先祖と北と南のアメリカ先住民グループが異なる遺伝子ラインに分かれました。
その分岐が起こる前か、またはその後に陸橋を渡ったのかははっきりしません。しかしいずれにせよ、氷河により遠くにはいけませんでした。その後、1万5,700年ほど前になると、北と南のアメリカ先住民グループが互いに分岐しました。
その頃は気候がようやく少し暖かくなってきた頃なので、人々は遠い東に移動するようになり、結果的にアメリカ全土に広がったのです。それから約4,000年後、2人の赤ん坊は生まれ、東ベーリング海峡で亡くなったのです。
それから1万1,500年後の今になりました。我々は赤ん坊の亡骸を通して、西半球の先住民の文化がどのように形成したか、はっきりとわかるようになりました。
関連タグ:
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
2024.12.09
10点満点中7点の部下に言うべきこと 部下を育成できない上司の特徴トップ5
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.12.12
今までとこれからで、エンジニアに求められる「スキル」の違い AI時代のエンジニアの未来と生存戦略のカギとは
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2024.12.11
大企業への転職前に感じた、「なんか違うかも」の違和感の正体 「親が喜ぶ」「モテそう」ではない、自分の判断基準を持つカギ
PR | 2024.11.26
なぜ電話営業はなくならない?その要因は「属人化」 通話内容をデータ化するZoomのクラウドサービス活用術
PR | 2024.11.22
「闇雲なAI導入」から脱却せよ Zoom・パーソル・THE GUILD幹部が語る、従業員と顧客体験を高めるAI戦略の要諦
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05
第255回『極意はがんばらない「ファシリテーションは何をもたらすのか?」』
2024.09.30 - 2024.09.30
第254回『極意はがんばらない「ファシリテーションは何をもたらすのか?」』
2024.09.16 - 2024.09.16