2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
6 Animals with Oddly Human Behavior(全1記事)
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オリビア・ゴードン氏:ペットとして飼われていても、野生動物であっても、動物園で暮らしていたとしても、動物は時折わたしたちと同じような行動を取ることがあります。
自分の飼っているネコが申し訳なさそうな顔をしたとしても、それは擬人化して人間の特性をネコが持っているかのように見ているだけです。ぶっちゃけて言ってしまえば、ネコが罪悪感を持つことなどありません。
ですが、なかには奇妙なまでにわたしたちと似た行動を取る動物もいます。そうした行動の動機は人間とは違いますし、行動もそこまで複雑なわけではありません。しかしなかには人間と驚くほど一致したものもあるのです。
目を見張る6つの例を紹介しましょう。
マナーの悪い運転手に割り込まれたことがあれば、人間が「恨み」の感情を持っていると実感しますよね。
ですが、それは人間だけではありません。カラスが賢いことはよく知られていますが、2011年に行われた実験ではカラスも恨みを持つことが示されました。それも何年にもわたってです。
研究者たちは特徴のあるお面を被って、5つの異なった地域で7羽から15羽のカラスを捕まえて足に識別タグを装着しました。放されたカラスは、長い期間にわたってそのいじめてきた研究者の「顔」、つまりお面を覚えていました。
同じお面を被っているのが誰であっても、カラスは大きな鳴き声や攻撃的な鳴き声で威嚇し、時には急降下して突っ込んできたのです。関係ない人なら、貧乏くじを引かされたことになりますね。
英国王立協会紀要Bに掲載された論文によると、捕まえられたカラスは怒っていたというわけではないようです。数年のうちに生まれた、捕まっていない別の場所のカラスも同じような行動を取ったことから、仲間や親のカラスからそのマスクが危険だということを教えられていたようなのです。
怒ったような行動は、最初に捕獲が行われた場所から数キロ離れ場所に広がって、最低でも5年間は続きました。翌年に発行された米国科学アカデミー紀要にはポジトロン断層法を用いた追跡調査が載せられ、カラスがお面を見た時に活発になる脳の部位は、人間が恐怖から何かを学習した時に活発になる部位と同じだったとわかりました。
もっとも、この恨みのような感情は人間が抱くものとは異なっていると思われます。私たちが感じるものは、大抵そこまで危険性がない些細なものです。カラスの場合こうしたお互いに注意喚起し合う行動は、天敵から身を守り子孫を残すために必要な生活環境を守る上で、とても重要なのです。
シアトルに行くときはお面は被らないほうがいいでしょうね。警告はしましたよ?
人間が1人では生きていけないことはあらゆる研究で証明されています。孤独は病気にかかったり、うつになったりするリスクを高めるのです。
同じように、友達のいる牛のほうが良い状態であることもわかりました。
一般的な牧場では子牛は生まれてすぐに母牛とは引き離されてしまい、乳離れできるようになるまでの8週から10週の間1頭で飼育されます。
これは限られたスペースでたくさんの動物を飼育しているため、ある個体が持っているかもしれない病気が少しでも広がりにくくするためです。
ですが、研究者たちは、1頭で育てられたウシは群れに加わる際に、ぎこちなさや不安を示すことに気づきました。
そこで1頭で育てられた牛と、ペアで育てられた牛を比べてみる実験を思いつき、2014年に発行された「PLOS ONE」誌にその結果を掲載しました。
最初の実験は、18頭の赤ちゃん牛をY字の迷路に向かわせるものでした。Y字の片側には白い箱が、もう片方には黒い箱が置いてあります。研究者たちは子牛に、満タンに入ったミルクを期待できるのは1つの色の箱だけだと教えます。
次に箱を入れ替えて、子牛が正解にたどり着くのにどれぐらいかかるかを観察しました。
すると、ペアで育てられた子牛は、1頭で育てられた子牛より早く見つけることができたのです。
2つ目の実験では、研究者がこの子牛たちに赤いプラスチックの容器を見せて5分間触ったりできるようにすることを、2日間にわたって8回行いました。
ペアで育てられた子牛はすぐに飽きてしまい、どの場合でも短い時間しか触ったりしませんでした。なんの変哲もないただの容器だからです。しかし1頭で育てられた子牛は、何度も何度も戻ってきては容器を気にする様子でした。
この2つの実験からわかることは、ペアで育てられた子牛は柔軟で不安を感じることが少なく、環境の変化にも一層素早く対応できるということです。言い換えれば、牛も友達を必要としているということです。
一方でリカオンには友達がたくさんいます。
リカオンは世界でもっとも社会的なイヌ科の動物で、リーダーとなっているつがいに率いられた群れで生活します。彼らは群れで狩りを行う前に、どういう仕方で狩りを行うか相談するのです。そのために、くしゃみで投票します。免疫システムにとってはありがたいことに、私たち人間は投票用紙を使います(笑)。
研究者たちは、リカオンの大きな群れが狩りの前に行うくしゃみのやり取りを観察することでこのことに気づきました。
彼らは5つの異なる群れ、総勢50頭の群れを1年に渡って追跡し、その結果を英国王立協会紀要Bに発表しました。そのやり取りから、それぞれの個体がくしゃみにとてもよく似た音を発していることに気づきます。実際はくしゃみではなく、鼻から息を素早く吐き出して怒っているような音です。
狩りに向かう前のそうしたやり取りを70ほど分析してみると、くしゃみのやり取りが多ければ多いほどその後に群れは狩りに向かいました。これは言い換えれば、くしゃみはある種の投票の役割を果たしていると言えるでしょう。
この「投票」はリカオンだけではなく、他の社会的な動物、ミーアキャットやフサオマキザルもそれぞれ合意形成の仕組みを持っています。
ではそれぞれの群れはどのようにして、リーダーのつがいに従っているのでしょうか。
狩りに出かける前のやり取りはリーダーのどちらかが主導していれば、合意ができて狩りに出かける平均的なやり取りに比べて10回ほど少なくなります。たとえリーダーの意見が少数派であってもです。
これは人間が行う投票でも同じですね。支配力を持っている特定の人は別の人より大きな影響力を持っています。リカオンが選挙運動を始めたらお伝えしますね(笑)。
たくさんの人があれば噂話が始まるのはよくあることです。そしてそれはイルカの場合も同じであることが研究で明らかになりました。
バンドウイルカは、まるで名前のようにそれぞれを識別する独特の鳴き声を発します。
彼らは「シグネイチャー・ホイッスル」と呼ばれる独自の鳴き声に反応し、お互いを落ち着かせるために用いているようなのです。人間とは異なり、イルカは生まれた赤ちゃんにこうした鳴き声を割り当てることはしないようです。
生まれて数ヶ月ほど経つと、識別のためではなく自分の気持ちを伝えるためにこうした鳴き声を発するようになります。
同じグループ内で鳴き声をいつも発するわけではなく、もっぱら他のグループと出会った時に、まるで丁寧に自己紹介をするかのように用いられます。
しかしシグネイチャー・ホイッスルは、自分たちだけで用いるとも限りません。鳴き声によって他のイルカがいないことを調べるためにも用いるのです。
研究者たちはその理由をいまだに調べていますが、背後に(彼らの場合は背びれですが)誰かいないか確認しているようにも見えます。
その仕組について確かなことは何もわかっていないですが、人間の噂話とはおそらく違うものでしょう。バンドウイルカはおそらくはぐれた仲間を見つける時に用いているようなのです。
複雑な社会的な行動は、同じように大きな脳を持つ人間と同じように、こうした行動から始まっていくのでしょう。
「Nature Ecology&Evolution」誌の10月号で発表された研究では、90種のクジラやイルカの行動を調べた結果、大きな脳を持つ種ほど複雑な社会的生活を送っていました。
これは「社会脳仮説」と呼ばれる、人間の大きな脳は社会的集団の中で生活を送るうちに進化した、という仮説とも一致します。そしてこれはイルカにも同じように当てはまります。
つまり噂話をできるというのは高度な知性の表れなのです。……おしゃべりな人には言わないほうがいいですけどね。
もしあなたが「グラスに水が半分しか入っていない」と考えるタイプの人だと言われたことがあれば、ミツバチに近いところがあるかもしれません。
2011年に発行されたカレントバイオロジー誌には、ストレスを与えられたミツバチはより悲観的になるという研究が掲載されていました。まるで月曜日の私たちみたいですね。
実験では、炭素鎖に酸素原子が結びついたヘキサノールとオクタノンという2種類の匂いがする化学物質をエサと混ぜ合わせ、それをミツバチ与えるようにしました。
1つ目のエサはほとんどがヘキサノールでわずかにオクタノンが混ぜ合わされており、それをミツバチが好む甘いエサと混ぜてあります。2つ目のエサは苦いキニーネに、オクタノンがヘキサノールより多くなるよう割合を逆にして混ぜてあります。
ミツバチはすぐに1つ目を選び、2つ目の香りの苦いエサからは離れていきました。
次にミツバチの気持ちを変えるために振動を与えます。ボルテックスミキサーという化学薬品を撹拌させる装置を使って半分のミツバチに振動を与え、まるで巣に侵入者が攻撃を仕掛けてきたような状態を作り出しました。
するとストレスを与えられたミツバチは同じエサに対しても違う反応を示すようになったのです。
どちらのミツバチたちも、砂糖が入っていると知っているので、ヘキサノールの香りがするエサに興味を惹かれます。ですが、振動を与えられたミツバチたちはとてもためらいがちになってしまうのです。
最も大きな違いは、香りが半分ずつ混ぜ合わされ、美味しさと苦さが半分ずつのエサを与えられた時に起こります。振動を与えられえていない、ストレスのないミツバチは楽観的な態度を見せます。ですが、振動を与えられたミツバチはより悲観的な態度になり、騙されるかもしれないと考えてためらいがちになってしまいます。
研究者たちは、ストレスが脳の回路に影響を与え、特定の匂いの記憶と神経伝達物質の放出とが関連付けられているのではないかと考えています。
人間、サル、イヌ、鳥に対して行われた同じような実験でも、ストレスを与えられると悲観的になるという結果が示されています。この実験結果が興味深いのは、ハチという無脊椎動物においても同じ現象が見られたということです。
ハチと私たちの脳の構造は多くの点で異なっているため、私たちと同じような感情の表れであるかは定かではありません。ですが研究者たちは研究に値するものだと考えています。
そして最後はペンギンです。ペンギンはその見た目のように純粋無垢な生き物ではありません。
アデリーペンギンは数百の石を使って巣を作り、春に水が押し寄せてきても卵を守れるような高台にします。
こうした石は貴重なのでお互いに闘ったり盗んだりしますが、時にはそれ以上のことも行うのです。
アデリーペンギンは社会的な「一雌一雄」、つまり1つのパートナーでペアになり子供を育てる特性を持っていますが、性的な意味でもそうであるとは限らないのです。つがいになった雌のペンギンは巣を作るための石を集めに向かいます。
1998年の「The Auk」誌に載せられた研究によれば、集めに向かった雌は独り身の雄から石と引き換えの交尾に誘われるようなのです。
こうした雌がパートナーの雄から心変わりをすることはありませんが、石と一度限りの関係とを交換しているのです。言うなればある意味で売春を行っているようなものです。
時には、雌は求愛の動作まで行っておきながら、交尾をすることなく石だけを持ち去ることもあります。ある雌のペンギンは、この動作を何度も繰り返しながら1時間になんと62個もの石を独り身の雄から頂いてきました。
論文の著者によれば、こうした行動を取るのはアデリーペンギンの雌の中でもわずか数パーセントだけのようです。
また石にそれだけ価値があるというだけではなく、他にも理由があるようです。
巣を作るためには数百の石が必要ですが、独り身の雄からもらう石は基本的に1つか2つ程度です。そのため、パートナーの雄が死んでしまった場合の保険として、また健康な子孫を残せる可能性を少しでも高めようとしているのです。
いずれにしてもアデリーペンギンは、食べ物以外のものを交尾と交換する唯一の動物です。ドキュメンタリー番組ではかわいく見えるペンギンも、実は子どもにはあまり見せないほうがいいかもしれませんよ。
孤独なウシにしろおしゃべり好きなイルカにしろ、人間と同じような性質を持っているように見える動物はたくさんいます。
もちろん、人間の取る行動はもっと複雑で、その行動に至る理由は異なっているでしょう。ですが、何かを悲観的に見たり、うらみの気持ちを抱いてしまっても、少なくともそれはあなただけではないのです。
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