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How the White House Killed Two Presidents(全1記事)

アルペンスキーのカギを握る“ワックス選び”の科学

2018平昌冬季オリンピックが開幕し、日本人選手の活躍でニュースも盛り上がっています。今後もフィギュアスケートやラージヒルなど注目の競技が控えていますが、今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は観戦の際に役立つかもしれない豆知識をお届け。雪や氷の上を滑る競技は、競技者の技術だけではなく、科学の力も重要になってきます。たとえば、スキーの板に塗るワックス選びが記録を大きく左右するかもしれないのです。

アルペンスキーのワックス選び

オリビア・ゴードン氏:2018年の冬季オリンピックは89ヶ国からトップアスリートが集います。なかでもアルペンスキーは花形競技です。

勝つためにあらゆる工夫をするわけですが、ささいなことも非常に重要です。なにせ100分の1秒を競う世界ですからね。

ときに、適切なワックス選びが勝敗を分けることもあります。早くするためには、スキー板と雪の摩擦を最小限に抑えたいのです。

ワックスの見た目や感触、そして溶け方はろうそくの蝋に似ています。これをスキーの板にぬればスポンジのように吸い込みます。スキーヤーが滑るとワックスは徐々に漏れていき、雪と板の間に滑りやすい層を形成します。シンプルですよね。

大変なのは正しいワックス選びです。なぜならレースのコンディションはそれぞれ異なるからです。

気温、湿度、雪水比などあらゆる要素が関係してきます。雪水比とは、水分中の雪の結晶の割合のことを言います。

湿っている雪とは、雪水比の数値では10から1程度になります。雪10センチごとに水1センチがあるといった状態です。これは雪をくっつきやすくします。乾いた雪は数値が高く20~30です。粉のような状態です。降雪時に気温が0度に近いほど湿り気が多くなります。

湿った雪はスキーの板にくっつきやすく、吸引作用を引き起こしてスピードを下げます。これの対策として、フルオロカーボンをより多く含む柔らかいワックスを使います。柔らかいワックスは短い炭素鎖でフッ素を含み、よりよく水を弾きます。

一方、乾いた雪はスキーの板の底に浸透して滑りにくくします。そういった状況では結晶化した水よりも硬いワックスを使います。炭化水素のおかげで 炭素原子の連鎖が水素に絡め取られます。

しかしこれでもまだ選び方には工夫が要ります。ワックスの構成は気温の幅によってわずかに異なり、層になって初めて完璧なコンビネーションとなり得るわけです。つまり、常に最速といった奇跡的なワックスは存在しないのです。

100分の1秒を争う世界ではワックスの仕組みを理解することも勝利につながる可能性があるのです。

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