2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
ラリー遠田(以下、ラリー):8月に放送された日本テレビの24時間テレビで、ある企画がネットで話題になっています。人気絶頂の坂上忍さんが、話をしたい人がいると言って、ある人を呼び出した。それが笑い飯の哲夫さんです。哲夫さんが、大阪でお笑いの賞を受賞して、会見の席で、「坂上忍を倒したい。アイツよりも、俺たち芸人がもっとテレビに出ないといけないんです!」みたいなことを言ったと。
梅田カズヒコ(以下、梅田):なるほど。
ラリー:その真偽を聞きたいということで、坂上さんが哲夫さんを呼んだ。二人の間でいろいろ議論になると思いきや、あまり話がかみ合わなかった。
梅田:『しゃべくり007』のメンバーがスタジオにいましたね。
ラリー:そう。そこで議論が盛り上がるわけでもなく、かといってバラエティ的に面白かったりするわけでもなく、だれがどう見てもシーンとしちゃった。哲夫さんが自分の主張を熱弁するんだけど、それが空回りしている。
梅田:哲夫さん一人がしゃべっている印象でしたね。可哀そうなシーンでした。
ラリー:終わってからネットで話題になって。一般的な反応としては、「哲夫つまんねーよ」と。ツイッターにもそういう悪口を書く人がいて炎上して。この話はいろいろ切り口があるんですけど、まずは作り手が何を意識して、どういう着地点でこの企画をやっていたのかが見えないですね。
梅田:生放送でタレント任せな部分が大きいとはいえ、制作者としては「なんとなくこうまとまるだろうなぁ」とか、着地点を描いていたりしますよね。
ラリー:そう。最初に哲夫さんが坂上さんに噛みつくわけですよ。「あんたばっかりテレビ出てるじゃないですか」と。そしたら坂上さんの反論が「スタッフが自分にオファーしていただいているから出ているだけ。それを批判するということは、あなたはテレビのスタッフを批判しているんですか?」と聞いたんです。そしたら哲夫さんが口ごもった。
「じゃあ何が言いたいわけ?」ってなって、そこでうまく返せなかったんですよ。見え方としては、「哲夫! 反論をちゃんと準備しとけよ!」って思うじゃないですか。
梅田:はい。
ラリー:でも後に、自分のラジオ番組でその件を哲夫さんが語っていて。実はあれをやるときにテレビのスタッフから「24時間テレビは続くので『テレビやスタッフが悪い』という結論にはしないでもらえますか」って言われたらしいんですよ。哲夫さんはそれで「わかりました」と言って意向通りに触れなかったと。
梅田:お約束としてね。
ラリー:だからある意味、哲夫さんは被害者というか。スタッフの言う通りに話を進めたのに、いまいち盛り上がらなかったと。哲夫さん的には「どうしたら良かったんだ」と。
梅田:じゃあ坂上忍さんのほうにも、そう言っとくべきだったんでしょうね。「スタッフのほうに話をふらないでほしい」って。
ラリー:それがどこまで話伝わっていたかはわかんないんですよ。スタッフが悪いんだと言うのは簡単ですけど、そういう単純な話でもないんですよね。
梅田:確かに百戦錬磨の芸人が出ていて、あの着地はない気がしますね。哲夫さんもしゃべれない人じゃないし。
ラリー:そう。流暢にしゃべれるのに、噛み合わなかった。
梅田:坂上忍さんも、キャラのままだったし。
ラリー:でも哲夫さんメインの企画だから、哲夫さんももうちょっとなんかできたかもしれないっていうのもあるんですよ。哲夫さんが100パーセント悪いわけじゃないですけどね。もしあの場が盛り上がらなかったとしたら、MCのくりぃむしちゅー上田さんとか、あるいは雛壇にいたみなさんとか、全員が作るものなんで、全員にちょっとずつ責任があると思うんですよ。
梅田:なんで笑い飯をコンビで呼ばなかったんですかね?
ラリー:そういうのもあるでしょ。コンビでやれば和らぐし、とかいろいろあるんですよ。例えばMCが上田さんじゃなくて、さんまさんとか今田さんなら違っていたかもしれないし。誰が悪いとかじゃないんですよ。いろんなことが全部ちょっとずつ噛み合わず、裏目に出続けた。全部が悪い方に噛み合って、公開処刑みたいな空間が偶然にも演出されてしまった感じがしますね。
梅田:舞台とかちょっとでも立ったことがある人なら、見てるだけで凍りつく場でしたね。あれ収録だったら絶対カットですよね(笑)。
ラリー:そう、あれが生放送の醍醐味でもあるんですよ。
梅田:我々の仕事でもああいう状況ありますよね。誰が悪いんじゃないけど、ヤバいとき。
ラリー:あります。いわゆる「スベる」ってやつ。トークライブで経験あるんですよ。ヤバいのは自覚してるけど、自分の能力では取り戻し方がわからない。だから、ヤバいまま何十分か乗り切らなきゃいけないわけですよ。
僕の職業的な役割としては、そんなに笑いを取らなくてもいいわけですけど、でもこれはヤバいって時があるんですよ。あのときの哲夫さんも絶対そうなんですよね。途中でわかっているんですよ。でもわかってもどうしようもない時もあるんですよね。
梅田:やり方がわかったら上手く切り返したと思いますし。誰が悪いとも言えるけど、ツイッターを見ると、視聴者は哲夫さんが悪いと見たわけですね。でも坂上忍さんが悪いという見方もできるじゃないですか。だけど坂上さんのせいにはならない。つまり、坂上さんが現在そこまで人気があるということだと思うんですよ。
ラリー:存在でもう勝っちゃっているんですよね。だから例えば議論して互角くらいってなったら、坂上さんが正しいと思う人の方が多い。今の状況ではね。
日本代表の負けを受け止めよう! サッカーにハマれない人たちのW杯観
老いた加藤茶は蛭子能収である! お笑い評論家から見る「加トちゃん元気ない」事件
きゃりぱみゅが、やっぱり街中で写真撮られても仕方ない理由
塩村議員セクハラヤジに思う 政治家の失言は、ホンネかそれともリップサービスか?
人に「キモい」と言われたらどうすればいい? "女子中学生とLINE"の山本府議に見る、キモさの本質
アイスバケツチャレンジ騒動の気持ち悪さは、「踏み絵」的本質にあったのかもしれない
笑い飯・哲夫はなぜスベったのか? 24時間テレビ「坂上忍事件」の真相を、お笑い評論家が解説
STAP細胞も号泣議員もなぜ落選? 「流行語大賞」のウラ側と、真の2014年流行フレーズを振り返る
たかじん『殉愛』騒動 百田尚樹という「妖怪」の底知れぬパワーの秘密に迫る
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略